SONY
6月
11日
今年5月号の文芸春秋に立石泰則氏の『さよなら!僕らのソニー』という記事が掲載されており、これを読んで愕然とした。
ソニーは創業者である井深大氏と盛田昭夫氏が『他人のやらないことをやる。』と『他人真似はしない。』をモットーに独自の技術開発を続けてきた。トランジスターラジオ、トリニトロンテレビ、ビジネスとしては失敗したがベータ方式のビデオレコーダー、現在のディジタルカメラの元となったマビカ、ウォークマン、最近ではブルーレイディスクレコーダーやロボットなどソニースピリットは最先端技術商業化のシンボルでもあった。われわれ消費者の目に触れる機会は少ないが、映像放送分野や軍需産業でもソニーブランドは活躍している。
その後のSONYはものづくりだけではなく、音楽、映画、ゲームなどの業界に進出したが、このような他分野進出はソニー製品の販路拡大のためであり、ソニーの中心はあくまでもものづくりであった。それがストリンガー会長体制になってからソフトやコンテンツが中心にあって、ハードウェアはその周辺に位置付けられた経営が行われているという。ストリンガー会長はオープンテクノロジーを支持し、独自技術による製品開発を否定している。そのため冷遇された異質な才能を持った優秀な技術者がソニーを離れ、韓国や台湾の企業に移っているという。
この記事はソニーを永年追い続けてきたノンフィクション作家によるものであり、恐らく内容は正確だろう。45%の株主が外国人であり、会長は1年の大半をニューヨークで過ごすアメリカ人のソニーは世界企業であることは確かで、くまごろうや多くのソニーファンが想像していたものづくりにこだわる日本企業では全くない。
1970年代までのソニーのコーポレートスローガンは『日本が生んだ世界のマーク』だった。現在は『make.believe』だそうだ。この記事を読んで次にエレクトロニクス商品を購入する時、くまごろうはSONYを選ぶか自信がなくなった。
投稿日 2011-06-17 14:37
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2011-06-18 11:17
ワオ!と言っているユーザー