今年7月、105歳の天寿を全うされた日野原重明さん。
言わずと知れた日本を代表するクリスチャン・ドクターです。
その死の直前まで約1ヵ月間にわたり取材した様子をNHKで放映されていました。
千件以上の死を看取ってきたドクターであり熱い信仰持っておられる日野原さんが、死は怖いですか、と単刀直入に尋ねられたときのその返答に私は驚きました。
曰く、
「怖いね。聞くと嫌になるね」
「おろおろすること以外で何もできない自分を感じてね」
そんなおろおろする本当の自分との出会いを評価する点にも驚かされました。
「人間は病むことによって本当の人間が現れてくるんだなと」
「自分との出会いがあって初めて自分が分かる」
姿勢を保つことができずお顔を手で支えながら力を振り絞るようにして話される一言一言はまさに黄金の言葉のように聞こえます。
「苦しみがあって初めて私の苦労の多い旅が報われるのではないか」
そのように言われる究極の境地には悟り達した哲人のような響きがあります。
さらに、
「辛さ以上に喜びはその中にあることを私は考えるべきだと今更深く感じ取る」
最後は残される私どもにKeep on Going ー前進せよと励ましてくださいました。
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