NY滞在中5-6回ほどイエローカブ・タクシーを利用しました。
「最近のビジネスはどうですか?」
そんなことを大抵私はドライバーに聞いて見ます。
おもわしくない方向に住んでいるとの答えが圧倒しています。
中には20数年のドライバー歴の中でも最悪のシーズンであるとまで言った人がいました。
ほとんどの理由がUber(ウーヴァ)にあるとしたことも共通しています。
Uberは自分たちと違って保険やさまざまな経費を払わなくて済むので有利であるとか、
停車時間を料金加算しないので雪の日にはみんながそこに流れていくとか、
コリアタウンに行けばそれを使う中国人や韓国人ばかりだとか、
とにかくUberは俺たちを殺しているんだ、、、
そんな不満の声の数々を聞かされました。
「それではあなたもUVERドライバーに鞍替えしたらどうでしょうか」
そんなことを提案してみました。
いやー、もうUberも苛烈競争になっていてそんなに儲かりはしない、とのこと。
八方塞がりでどうにも先の見通しの効かない厳しい環境に置かれてるようです。
最終日にもホテルからペンステイションまでイエローキャブを利用しました。
最近のビジネスはどうですか、と毎回のように聞いてみました。
70代前後と見えるそのおじさんは、
「いやいやそんなに悪くはないよ。
上がったり下がったりはあるけれど、年間通して見るといつも大抵同じ位になるね」
これまでのタクシードライバーにはないリスポンスに興味覚えた私はいろいろ聞いてみました。
彼曰く、
1980年代から10数年間ドライバーをしていたが途中で長い中断。
それはある時乗客から頭に銃口を突きつけられたことがきっかけだった。
有り金を全部渡したら発砲する事はなかったが、
それ以来ドライバーを続けることができなくなった。
そこでギリシャ料理やイタリア料理のコックとして10年ほど働いたが
これも足に負担がかかりできなくなりやむなくドライバーに復帰して5-6年との事でした。
屈託を見せず快活に話してくれる彼の肩越しにはダッシュボードの上に置かれた革張りの大きな本が置いてあるのが見える。
聞いてみると、やはりそれは聖書だと言う。
エジプト人の彼がアラビア語で書かれた聖書をページを開いて見せてくれた。
私も毎日聖書を読むクリスチャンであることを告げると
彼の勢いはさらにヒートアップ。
「俺も毎日聖書を読むんだ。これが神の言葉だ!(聖書を指差しながら)
神の言葉の一つひとつが私を生かしているんだ。神の言葉は力あるよ。
神は生きて働いているからね」
目的地に到着し荷物を受け取りながらそんなことを矢継早に話してくれました。
1人の人の内に生きて働く信仰を見せていただいて大きな励ましとなりました。
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