(……)「わたしが受け入れるのは、疲れた人、貧困に喘ぐ人、
自由を切望しながら身を寄せ合う民衆、
他国の海岸で惨めに拒否されるたくさんの人々。
彼らをどうぞ、わたしのもとへ。嵐にもまれて身の置き所もない彼らを、
わたしはここで、黄金の扉の前で、明かりを持って待ち続ける!」
ニューヨークにある自由の女神像の台座内部に掲げられた銅板に記された詩です。
作者はエマ・ラザラスという米国系ユダヤ人の詩人です。
自由の女神はフランスから米国独立100周年を記念して送られてきたものです。
その台座を建立するための資金集めのためにその詩が作られました。
それが1883年のことですが、
当時のロシアではユダヤ人への迫害の嵐が吹き荒れていました。
ロシア皇帝アレキサンドロス2世暗殺の犯人に仕立て上げられたユダヤ人に対する差別と暴行、
焼き討ちや殺戮が現在のウクライナで猛威を振るっていたのです(1881年~1884年)。
ポブロムと言います。
ロシア語で「破壊」を意味する言葉です。
先祖の苦難の歴史に思いを馳せ、
数千、数万という難民となって米国に逃れてくる同国民のユダヤ人を歓迎・激励する意図が創作の原点にあったのでした。
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