ユダヤ民族の約束の国への帰還④
12月
4日
「その日、主は再び御手を伸ばし、 ご自分の民の残りを買い取られる。
残っている者をアッシリヤ、エジプト、 パテロス、クシュ、エラム、 シヌアル、ハマテ、海の島々から買い取られる。」
(イザヤ 11:11 JAS)
これまで小欄はイスラエルの約束の国への帰還が
2回に分けて行わると言ってきました。
どうして「2回」と言えるのか?
その根拠となる聖句をイザヤ書から学んでいきましょう。
上記の聖句をご覧ください。
日本語の新改訳や口語訳聖書には「再び」と訳されている語句に注目です。
これはへブルの原語では
「שֵׁנִי 」
となっていて
本来は「2回目」と訳されるべき語句です。
日本語訳聖書にそれが明確に訳出されていないのは、
70人訳聖書を参考にしているためででしょうか?
その70人訳聖書には「2回目」という語句がありません。
英語訳を調べてみると、
ほとんど全ての翻訳で「second time」と訳出されています。
30ほどの英語訳を比べてみて、
1つだけこれが訳出されていないものを見つけました。
それは日本語訳と同様、
70人訳聖書を参考として翻訳作業を進めたからと思われます。
And it shall come to pass in that day, that the Lord shall set his hand again the second time to recover the remnant of his people, which shall be left, from Assyria, and from Egypt, and from Pathros, and from Cush, and from Elam, and from Shinar, and from Hamath, and from the islands of the sea.
LEE Isaiah 11:11
And it shall happen on that day, that the Lord will put forth his hand again the second time to acquire the remnant of his people, which shall remain, from Asshur and from Egypt, and from Pathros, and from Cush, and from 'Elam, and from Shin'ar, and from Chamath, and from the islands of the sea.
NAS Isaiah 11:11
Then it will happen on that day that the Lord Will again recover the second time with His hand The remnant of His people, who will remain, From Assyria, Egypt, Pathros, Cush, Elam, Shinar, Hamath, And from the islands of the sea.
NIV Isaiah 11:11
In that day the Lord will reach out his hand a second time to reclaim the surviving remnant of his people from Assyria, from Lower Egypt, from Upper Egypt, from Cush, from Elam, from Babylonia, from Hamath and from the islands of the Mediterranean.
NKJ Isaiah 11:11
It shall come to pass in that day That the Lord shall set His hand again the second time To recover the remnant of His people who are left, From Assyria and Egypt, From Pathros and Cush, From Elam and Shinar, From Hamath and the islands of the sea.
NRS Isaiah 11:11
On that day the Lord will extend his hand yet a second time to recover the remnant that is left of his people, from Assyria, from Egypt, from Pathros, from Ethiopia, from Elam, from Shinar, from
どうしてこの2回にこだわらねばならないのでしょうか?
イスラエルの帰還が2回に分けて起こる根拠となる大切な聖句だからです。
しかし、ある人々はこのようにも主張します。
「帰還が2回であるのは解りました。
2回目の帰還後にイスラエルは千年王国の祝福に与ることも、
続くイザヤ書12章から明らかであるのも納得できます。
でも、最初の1回目の帰還を1948年のイスラエル共和国独立前後
としなくてはならない理由はどこにありますか?
最初の帰還はバビロン捕囚からの帰還であるとしてもいいのではないでしょうか?」
この質問に答えるために、
最初の帰還が預言されていたエゼキエル22:34をご覧ください。
「 わたしは、力強い手と伸ばした腕、注ぎ出る憤りをもって、
あなたがたを国々の民の中から連れ出し、
その散らされている国々からあなたがたを集める。 」
(Eze 20:34 JAS)
ここに「国々の民の中から」「散らされている国々から」とありまして、
この最初の帰還は全世界からの帰還であることが告げられています。
バビロン一国からの解放と異なる点がその理由となります。
それでは、この2回目の帰還では
イスラエルの人々はどこから集められてくるのでしょうか。
11 その日、主は再び御手を伸ばし、 ご自分の民の残りを買い取られる。 残っている者をアッシリヤ、エジプト、 パテロス、クシュ、エラム、 シヌアル、ハマテ、海の島々から買い取られる。
12 主は、国々のために旗を揚げ、 イスラエルの散らされた者を取り集め、 ユダの追い散らされた者を 地の四隅から集められる。
(Isa 11:11-12 JAS)
11節を見ると主にイスラエルの周辺諸国、中東の国々からであるのが分かります。
これは大患難時代の中間時点で反キリストがイスラエル撲滅を諮り、
人々は大急ぎで、着の身着のまま周辺諸国へ逃亡していくからです。
12節を見ると、それに加えて世界中からの帰還民があることが
「地の四隅から集められる」とあることでわかります。