地中海に沈む夕日
引き続き神学者たちとの終末論に関する意見交換を紹介します。
(M様からの応答)
このスレッド、色々学ばせていただき感謝です。
「イスラエルの7つの祭りを学ぶと見事に終末プログラムと合致している」との意見、そういう解釈もあるのかなぁと思いました。なるほどと。
同時に、(1)~(7)の終末論的プログラムが、当時の異邦人にも分かるように新約聖書で明確に書かれている箇所はどこだろうか?と、思いました。
また、五書で言及されている祭りが、こういう終末論的プログラムで読むように著者が意図したのかなぁ?とも素朴に思いました。
よく勉強していないので分からない所も多いので恐縮ですが、旧約聖書の祭りは何らかの意味で終末に関係していると思いますが、こういう終末論的プログラム・タイムスケジュールまで展開する解釈は難しいのでは?とも感じました。
同じ福音主義の枠内でも、終末論や黙示文学解釈は非常に意見の分かれるところと思いますので、関心あります。ご批評ください。
(私からの応答)
7つの例祭がイエスの来臨をよ表するもので、
春の4つの例祭は初臨を、秋の3つの例祭は再臨をよ表しています。
しかしそれを直接言及している箇所は新約聖書には見出されません。
これら7つが例祭として、ユダヤ民族が世世に渡り守るようにとの教えは、
レビ23章にまとめて見出されます。
私はメシアニックジューの学者によるヘブル的な視点での聖書解説から学びましたが、異邦人の我々には例祭がどんなものか不案内ですので、それらが神の救済プログラムを網羅し、よ表していると気づくことはないはずです。
もっとも、毎年例祭を繰り返して来たユダヤ民族自身も、それがメシア来臨を雛形としているだなんて考えも及ばなかったことでしょう。
過越の祭りの際に十字架の死を遂げることはイエス以外、誰も想定できていません。
主はそのご自身の「時」(ヨハネ2:4、7:6、8、30、8:20)を見定めながら公生涯を歩まれました。
メシアが贖いの死を完成させるには、ただ刑死するだけでは不十分なのです。
二つの条件が満たされなくては父なる神が受け入れる贖いになり得ません。
旧約聖書預言から、その一つは木にかけられて呪われたものとされること、
もう一つは過越の祭りにおいて殺されなくてはならなかった、と言えます。
その通りにニサンの月の14日よる、弟子らと共に最期の晩餐で過越の祭りの食事をされ、翌日の9時に祭司らが神殿で過越の羊を屠る時刻に主は十字架につけられました。
そして信者の初穂として復活をされたのは、初穂の祭りの当日でした。
これらは弟子たちには全て想定外の事柄ですが、主にとっては計画通りのものでした。
さらに聖霊の降臨については、弟子たちに「もう間もなく受ける」ので「エルサレムを離れずに祈れ」と主はお命じになられましたが、その日時には言及されていません。
これら初臨の出来事が全て春の例祭に重ねられたものであり、時期ばかりでなくその祭りが意味しているとことを主が十全に成就されたとの認識は、弟子たちが聖霊体験をした後に、過去を振り返って初めて気がついたことです。
その後の秋の例祭までには約4ヶ月間ほどありますが、その間に命じられていることは、在留異国人や貧弱のために畑の隅々まで刈入れてはならないこと。これが異邦人に福音が及ぶ教会時代と重なります。
ティシュリ(7月)の月の1日に長くラッパを吹き鳴らしてラッパの祭りが始まりますが、それはラプチャーの際に天使がラッパを響き鳴らして始動することの雛形となっています。
1テサロニケ4:16,1コリント15:50-58
同じ月の10日に贖罪の日という祭りがありますが、ユダヤ人にとり断食と悔い改めの日であり、苦悶の日です。これは、大艱難時代をよ表しています。
同じ月の15日に仮庵の祭りです。
荒野の旅を記念すると同時に、粗末な仮庵に住んで恒久的な住まいであるメシア的な王国(千年王国)を待望する時でもあります。
その時、雄牛が70頭捧げられますが(民数29:12-34)、それらはノアの子供らから派生した70の異邦の国々を象徴するものです。
千年王国のときには、世界中の異邦の民がエルサレムにて仮庵の祭りを祝うために集まるようにもなります(ゼカリヤ14:16-19)。
ユダヤ人らはこれらの預言的な意味を知らないまま例祭を現在でも祝っているのです。
やがて彼らはその意味を悟る時が来ます。大艱難時代の最終幕で彼らがイエスをメシアと信じて受け入れる時です。そのメシア待望の彼らの声に応えてメシアが地上に降り立つのです。その時はすでにラプチャーによって天に引き上げられていた新約時代の聖徒らとともに降りてこられます。「主は千万の聖徒を引き連れて来られる」(ユダ14)
イスラエルは神にとって「選ばれた種族、王でる祭司、聖なる国民、神の所有の民」(1ペテ2:9)であり、その選びと賜物、召命とは変わることがありません(ローマ11:29)。
ゆえに例祭の中にも、彼ら自身にも気が付かない預言的な内容が隠されていたと言えるのではないでしょうか。
さらに、彼らの数千年来守ってきたユダヤ式婚礼の順序と方法の中にも同様な隠された預言的な意味が汲み取れます。それを見れば聖書の教える終末プログラムのシナリオを見事に体現しているのに驚かざるを得ません。
http://wdx.hosannamin.org/page/seisho-34
本来ここは読書会のページなのに長々と書いてしまい申し訳ありません。
(M様からの応答)
長文の返答に恐縮です、ありがとございます、色々勉強になりました。感謝です。
共感する解釈もありますが、例祭が終末プログラム・スケジュールを
「直接言及している箇所は新約聖書には見出されません。」となると、
それは絶対の解釈・教理というより一つの解釈となるのではないかなぁ、と思いました。
新約をユダヤ的視点(この言葉の定義も重要ですが…)で読むことも共感を覚えます。同時に、パウロ書簡などを読むと、異邦人クリスチャンが対象という面もかなり強いと思います(異邦人と言っても、日本人の私たちより旧約聖書のことを知っていたと思いますが)。
すると、旧約聖書に精通していたパウロが、異邦人信者が多い教会に、「実は例祭が終末プログラムと合致しているのだよ!」と旧約聖書を引用し、明確に書いていないのは「?」と、思いました。
テサロニケの手紙Ⅰにも、直接的に例祭が出てきていないと思いますし、「引き上げられる」の解釈もこのスレッドを見ると色々分かれると思いますが、このフレーズを一人歩きさせてしまうと、パウロが2000年前の特定の歴史・文脈・課題の中にいたテサロニケ教会へのメッセージが見えなくなってしまう可能性もあるのかなぁ~と思いました。
この文脈のパウロの強調点や意図は他のところにあるかもしれない、という考えも十分成り立つかもと素朴に感じました。
あっ、決して誰かの非難とかではなく、私個人も関心あるテーマなので、色々書いてしまいました、すみませんww。高橋先生のコメントを拝見し、本当に教えられることが多く、感謝です。整理できたことも多かったです。
(私からの応答)
M様
率直なコメントをありがとうございました。
パウロ書簡で、異邦人らにイスラエルの例祭が預言の雛形であると直接言及がないので、、、とのご指摘。
それには理由があるように思われます。
先述したように主はご自身の十字架、復活、そして聖霊降臨を意図的に春の例祭タイムテーブルに合致させたにもかかわらず、弟子たちにはあえてそれを隠されたのです。
それと同じ理由が…
もし弟子たちに祭りの預言内容まで詳細に語ってくださっていたら、十字架捕縛の際に逃げ出したりせず、復活を確信できて死をも恐れなかったかもしれません。。。
さらにこのスレットで話題となっている、終末的な千年王国成就のプログラムを数式のように明瞭に順位立てて教えてくれていたら、議論百出せず、誰もが安心して終末を迎えることが出来るではないでしょうか?
さらに三位一体や、人の意識vs神の選び、イスラエル今も選びの民なのか、捨てられた民なのか、といった類の神学論争も、聖書の中に僅かのヒントしかないがために、そして両者を肯定しているかのような書き方が随所に見られるがゆえに、見解まとまらず論争付きず、教会分裂まで引き起こしてきたのが我々キリスト教会の歴史であったと言えましょう。
なぜ神様は議論の余地ないほどに明瞭な信仰綱領をカルビンがしたように残さずに、書簡や物語、旅行記や詩歌、幻を見た体験記(黙示録のこと)の体裁文書を我々には与えられたのか。。
私はここで神様に代わってその理由をお知らせしようだなんて大仰なことを話すつもりは毛頭ありません。
一つ言えることは、もし信ずべき信仰箇条や終末プログラムが簡略されて羅列されていたら、人は学ぶという行為を捨ててしまうのではないでしょうか。
求道中の方がいとも容易く神を信じられたのなら、激しく葛藤しながら神を求めるというプロセスはなおざりにされる。結果的にひ弱な信仰しか育たないことと関連するかのように。。
神からのチャレンジと言えるかもしれません。
@理屈で割り切れない教理も、わたしの言葉ゆえに受け入れるのか?
@聖書という大海の全貌を見極めるほどの努力や探究心を保つのか?
@終末については僅かの言葉を預言書に与えた。その僅かさをつなぎ合わせて統合された世界観を構築するだけの注意深さを払う用意はあるのか?
@理性で判断するのではなく、貴方の最終権威をわたしの言葉に賭けるのか?
「これは、神を求めさせるためであって、
もし探り求めることでもあるなら、神を見出すこともあるのです。」(使徒17:27)
説教調の様な文書になってしまっていたら、申し訳ありません(^_^)
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