セントルイスは、全米の注目を集めた襲撃事件の勃発した所である。 ベイデン教会には、 その事件にも職務上関与せざるを得ない警察官がお出でになられている。 本来、私たちはその方の家に宿泊させていただく予定であったようだが、 あの襲撃事件で危険過ぎるとされて、ジョシュア宅へ変更となった。 その警察官は、襲撃事件現場と同じジップコードの家に住み、 2ブロックしか離れていない。 数日間続いた暴動では4ブロック先のガソリンスタンドの売店が襲撃され全ての商品が数百人の暴徒によって強奪された後、放火され跡形もなく店は消失した。 彼らとすぐ近所に住むご両親らはともに、 ミシシッピ川を超えたイリノイ州へ近く引越しをされるという。 礼拝後の愛さん会で 私の目の前に席に着かれたその警察官のJimは、 事件の背後にあるこの街の背景などを詳しく語ってくださった。 過去8年間セントルイスで警官によって容疑者が射殺された件数は 数十とあるが(その正確な数は失念しました)、 直近の3ヶ月間にギャング抗争等による市民の殺害件数の方がはるかに多い。 ある家では、10歳にも満たない子供らが二人とも自宅で縛られた後に強盗にあったとか、、 「そんなに酷いのなら、各ブロックに警官を常時配置してはどうか?」 義憤に満ちた私が口走ると、 「こんな危ないところ、誰もわざわざ来ようとはしないんだよ」と Jim 彼はこうして教会の礼拝に出席している勤務時間外であっても、 警察官としての緊急出動態勢を守り、制服の上に拳銃、手錠、無線機を完備する。 いつ無線機からの出動命令が来ても良い状態にある。 かつて麻薬中毒者だった多くの方々が集っているベイデン教会… 言わば犯罪予備軍であった彼らがいる一方で、 その取り締まりに励む警察官のご家族は教会を支える柱として活躍している。 白人も黒人もキリストにあって調和しているこの教会内の世界は 一歩外に出た世界とは異なる神の国である。