❺エペソ2:14〜15
「14 キリストこそ私たちの平和であり、二つのものを一つにし、
隔ての壁を打ちこわし、
15 ご自分の肉において、敵意を廃棄された方です。
敵意とは、さまざまの規定から成り立っている戒めの律法なのです。
このことは、二つのものをご自身において新しいひとりの人に造り上げて、
平和を実現するためであり、」
律法は隔ての壁といわれていたが、今やそれが取り去られた。
神様は、イスラエルと4つの無条件契約を結ばれてきた。
①アブラハム契約
②土地の契約(アブラハム契約の土地に関する条項が発展)
③ダビデ契約(アブラハム契約の子孫に関する条項が発展)
④新しい契約(アブラハム契約の祝福に関する条項が発展)
物質的なものであれ、霊的なものであれ神様の全ての祝福は
このユダヤ人の4つの契約を通じて与えられるものである。
神様はまた5つ目の契約を与えられたが、それは他の4つの契約とは異なるもので
条件付きで一時的なものであった。
それがモーセ律法を包含しているモーセ契約である。
モーセ律法は隔ての壁の役割を果たし、
異邦人をユダヤ人の霊的な祝福から切り離していた。
もしモーセ律法が今でも有効であるのなら、
それは異邦人を今でも分け隔てる壁となっていなければならない。
しかしその壁がメシアの死と同時に崩壊したのである。
「ご自分の肉において」とは、「ご自分の肉体によって」との意味であり、
つまり死を通じてとのことである。
この神学的な重要ポイントを象徴とする出来事が
メシアの死の瞬間に起こっているのを福音書記者は忠実に記録している。
「50 そのとき、イエスはもう一度大声で叫んで、息を引き取られた。
51 すると、見よ。神殿の幕が上から下まで真っ二つに裂けた。 」
(マタイ 27:50-51)
ここで「神殿の幕」とあるのは、
神殿内の聖所と至聖所とを隔てる厚手のカーテンのことである。
至聖所には大祭司一人が全イスラエル&人類を代表して
1年に一度だけしか入れなかった。
聖所には祭司しか入れず、さらにその周りを取り囲む境内の内庭には
イスラエル人男性しか入れないとモーセ律法は命じる。
男性と女性、異邦人とイスラエル人、一般人と祭司、祭司と大祭司、、、
これら人と人とを区別する掟があり、
神に近づく際にも隔たりがあるとモーセ律法は教えている。
上記の新約のエペソ書では、
隔ての壁とはモーセ律法であると明言されてある。
それはつまり、
モーセ律法がメシアの死と同時に無効となったと理解しなくてはならない。
隔ての壁が除去された今、
異邦人は異邦人のままで信仰の原理により、
メシアなるイエスにある約束をともに相続し、
ユダヤ人の霊的な祝福に与り楽しむことを許されている。
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