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ヘブル書の聖書研究が始まりました

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ホサナ教会ではヘブル書の聖書研究を始めました。
http://hosannamin.org/jpn/page/hebrews

今回は初回で3節だけを扱っています。

ヘブル1章1~3節 <ヘブル全書の主題>

聖書本文
「1:1 神は、むかし父祖たちに、預言者たちを通して、多くの部分に分け、また、いろいろな方法で語られましたが、
2 この終わりの時には、御子によって、私たちに語られました。神は、御子を万物の相続者とし、また御子によって世界を造られました。
3 御子は神の栄光の輝き、また神の本質の完全な現れであり、その力あるみことばによって万物を保っておられます。また、罪のきよめを成し遂げて、すぐれて高い所の大能者の右の座に着かれました。 (ヘブル 1:1-3 )」

解説
 かつて旧約聖書の時代、神は預言者を通じて私たちに語られました。
神がご自身について、人について、また世界の目的について明らかにされたことを啓示と言います。しかしこの「終わりのとき」には「御子により語られました」。
たいていの英語訳はこの「御子により」の部分を in his son あるいは in the sonと訳しています。
しかしギリシア語原文には定冠詞はなく、 in son と本来は訳されるべきものです。
ギリシア語で定冠詞が省かれている場合、人格的な関係よりも性格や性質が強調されていることになります。つまりここでは、かつて預言者という管を通じて語っていた神が、いまや御子というユニークな方法で語られているということです。啓示は a sonによるのです。啓示は人によってでなく、御使いによってでもなく、a sonによるのです。そして複数の「多くの方法」によるものでなく、単数のa sonによるのです。
 このa sonとは言うまでもなく神のひとり子であられるメシアなるイエスです。
それではこのひとり子がどうして最後の啓示者として、神の啓示を担う資格をお持ちであられるというのでしょうか。2節から3節にかけて7つの根拠が説明されています。
① 御子は万物の相続者であられるから。
御子は宇宙の中心で歴史の目的です。また万物の目的でもあられます。
万物を相続するとはそういう意味であり、またそれは所有という概念を含んでいます。宇宙の所有者であられるのです。それなら神ご自身に他なりません。
御子は人の姿をお取になられて地上に来られました。正確には神ー人として来られたのです。
② 御子によって世界を造られたからです。
ここでのギリシャ語は「時代」と訳されるべきものです。直訳では「御子によって時代を作った」となります。各時代のプログラムや神の計画をコントロールされておられる方です。宇宙の創始者であり、同時に時代の創始者であられます。
歴史の進行は御子により、時代の漸進性やディスペンセイションとなって顕されました。聖書が示しているとおり、それぞれの時代に神様は目的や計画を御子によって紐解き、顕かにされたのです。御子は時代を造られたばかりでなく、時代にかかわるあらゆることにまでコントロールされます。

③ 御子は神の栄光の輝きです。
御子は神の「輝き」なのです。御子は神の特質のすべてを啓示されます。というのは隔てることのない父なる神との関係を持っておられるからです。彼は神の栄光が放たれる際の輝きそのものであられ、ユダヤ人の間で「シャカイナ・グローリー」と言われています。それは目に見えない神ご自身が人に臨在される際の顕現なのです。たいていは光り輝く様子で人に現れることが旧約聖書から分かりますが、御子がその輝きなのです。このお方は外に輝き出でた神聖そのものです。この点をヨハネ1章1~14節が詳細に扱っていて、それによるとメシアはシャカイナグローリー(光)であられ、肉体を取られてイスラエルの人々の間に幕屋を張られた(住まわれた)のです。
④ 御子は神の本質の完全な顕れです。
英語訳では「神の本質のイメージそのもの」と訳されますが、imageという英語訳のギリシア語原語の意味は「表現されたイメージ」というものです。その原語は実は英語のcharacter(性格)を生み出した言葉なのです。御子は神の実態が顕れた性格そのものであられます。完璧な代理人であるという意味です。それはまたコインが刻印される際の道具に用いられる言葉でもあります。金型がコイン表面をプレスしてから上げられると、コインには金型にあったものと同じものが代理として残されるのです。そのように御子は神聖の完璧な顕れです。あらゆる方面から見て父なる神を再現されるお方です。この点は先述した歴史の始まる以前から御子が存在していた点を示しています。父なる神のうちにあるすべては御子のうちにもあるのです。御子はその力あるみことばによって万物を保っておられます。
⑤ 御子こそは宇宙の保持者であられ支配者です。
すべての歴史を貫いて父なる神が定められた目的を達成されるために働いておられます。「保つ」というギリシア原語の言葉には単に物を持つだけでなく、ゴールに向けてそれを運ぶという意味が含まれています。現在形で書かれていることから、今この時点でも御子がすべての被造物が持っている神から与えられた目的に達するために宇宙を支えているのです。その万物は摂理により、また御子が放たれた言葉によってコントロールされています。
⑥ 御子は罪のきよめを成し遂げられた方です。
「きよめ」という言葉は祭司の仕事に関わるものです。このあと5~7章で主が祭司職にかかわる方であることが詳しく解説されますが、その萌芽がここにあります。御子は死を通じて罪のきよめを成就されました。これには4つの側面があります。

専有的な清めです。御子だけが成就されたものであり他に購いを完成したものは誰もいません。

それは清めのための犠牲を伴ったことを意味しています。

ギリシア語特有のアオリスト時制が使用されている点から、これは完了した清めですでに実現されているので、人の購いのために御子がすることは他にないことが強調されています。

外側の形式的な清め(旧約時代がそうでした)だけでなく、罪のきよめに関することなのです。

⑦ 御子は優れて高い大能者の右に着座された方です。
着座されたとは、仕事を成し遂げたことを意味し(10:12)、また右の座に付かれたということは父なる神と等しく同等の権威をお持ちである(Ⅰペテロ3:22)ことを教えています。その御座での働きは私たちのために父なる神にとりなしの祈りをささげることです(ローマ8:34)。
 これら7つの点から分かることは、御子は預言者たちに勝るユニークな啓示者であられるということです。旧約聖書預言のゴールが実現するための最終的な啓示をされるお方であり、かつ、これまで「多くの部分に分けられて、いろいろな方法で語られてきた」ことを御子こそが認証できる方であられるということです。
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