http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000022442.html
より
全都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました
~全国加重平均額は764円。11都道府県中10都府県で生活保護水準との逆転現象が解消~
各都道府県労働局に設置されているすべての地方最低賃金審議会は、今日までに、平成25年度の地域別最低賃金の改定額(以下「改定額」)を答申しました。改定額および発効予定年月日は別紙のとおりです。
平成25年度は、中央最低賃金審議会(厚生労働大臣の諮問機関)が8月7日に示した答申「平成25年度地域別最低賃金額改定の目安について」などを参考に、地方最低賃金審議会において、地域別最低賃金改定額の調査・審議が行われました。
答申された改定額は、各都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する手続を経て正式に決定され、10月6日から11月上旬までに順次発効する予定です。
【平成25年度 地域別最低賃金額答申状況のポイント】
・改定額の全国加重平均額は764円(昨年度749円、15円の引上げ)。
・改定額の分布は664円(鳥取県、島根県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県、
大分県、宮崎県、沖縄県) ~869円(東京都)。
すべての都道府県で11円以上( 11 円~22円) の引上げが答申された。
・地域別 最低賃金額が生活保護水準と逆転している11都道府県(北海道、青森、宮城、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、広島)のうち、 北海道を除く10都府県で逆転が解消。
(別紙)平成25年度 地域別最低賃金額答申状況(PDF:127KB)
↓
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11208000-Roudoukijunkyoku-Kinroushaseikatsuka/0000022438.pdf
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013080602000245.html
東京新聞より
厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会は六日午前、二〇一三年度の地域別最低賃金について、引き上げ幅の「目安」をまとめた。時給で示す全国平均額は現行より十四円増の七百六十三円となり、上げ幅は一〇年度(実績で十七円増)以来、三年ぶりの高水準となった。
景気の回復傾向に加え、デフレ脱却を目指す安倍政権が賃金底上げに意欲的なことが影響した。昨年度は目安が七円増で、地方審議後の実際の上げ幅は十二円増。
最低賃金で働いた場合の収入が生活保護の支給水準を下回る「逆転現象」が起きている十一都道府県のうち、北海道を除く十都府県で逆転が解消する見通しだ。
北海道は逆転解消に必要な賃金の上げ幅が時給二十二円と大きいことから、十一~二十二円と幅を持たせた目安を示した。目安の上限なら解消するが、実際は本年度の解消は厳しそうだ。
北海道を除く四十六都府県の上げ幅の目安は、経済規模に応じてA、B、C、Dの四ランクに分けられ、愛知などが入るAは十九円、滋賀などのBは十二円、新潟などのCは十円、高知などのDも十円だった。
中央の審議会は七日に田村憲久厚労相に目安を答申。その後、都道府県ごとに設置した地方審議会が目安や地域の実情を踏まえて議論し、各地の新たな最低賃金が決まる。このため目安額と実際の引き上げ幅が異なることがある。新たな金額は、十月ごろから適用される見通し。
労使の代表と有識者で構成する小委員会での議論は、労働組合側が物価上昇などを踏まえて大幅増額を要求したのに対して、経営者側は景気回復の効果が地方の中小零細企業まで及んでいないとして慎重な対応を求めていた。
<地域別最低賃金> 企業が支払う賃金の最低額で、都道府県ごとに決められ、時給で示される。労使代表と有識者で構成する中央最低賃金審議会が厚生労働相の諮問を受けて協議し、毎年夏ごろに引き上げ額の目安を答申。その後、地方の審議会が目安や地域経済の実情を踏まえてそれぞれの金額を示す。改定後の最低賃金は毎年10月ごろから適用される。
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東京 850 ⇒ 869
千葉 756 ⇒ 775
神奈川 849 ⇒ 868
愛知 758 ⇒ 777
大阪 800 ⇒ 819
上記のランクAの地域は、平成23年から考えても30円以上の最低賃金上昇です。
かなりインパクトあります。
最低賃金で人を確保している業態にとっては、かなりのインパクトになっております。
生活保護との逆転も北海道以外は解消しそうですが、このまま最低賃金1,000円まで突っ走れるのでしょうか。高知・島根が現在一番低く652円ですが、目安から改訂されて662円となっても、まだ338円足りません。最低賃金1,000円に押し上げる為には、是が非でも企業が潤わないことには難しいです。人件費を押し上げてから消費を活発化させて企業が潤うという順番は、企業としては首肯し難いでしょう。
さて、1人当たりの国民総所得を10年後に150万円増やすという数値目標を掲げたアベノミクス第三の矢が放たれましたが、個々に実感できる日がくるでしょうか!?
あくまで国民総所得の話ですので、実感できる人というより企業がまず潤う話でしょうね。それから、緩やかに実感できる人もいるのかも知れませんね。
もしくは、ますます紙面で踊る数字と生活での実感が乖離した社会になってゆくのかも知れません。
「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」
(37号告示)に係る疑義応答集(第2集)について
請負と派遣の判断基準について、以下の具体例が追加されております。
・通信回線の新規導入の営業
・車両運行管理業務
・建設業
・製造業
・給食調理業務
・マネキン、販売、サービス又は保安等の業務
・常駐者1人業態
・発注者との打ち合わせ、朝礼等への請負労働者の出席
・請負労働者の氏名事前確認
15の質疑応答集です。
発注者側、受注者側ともコンプラ遵守の観点から再チェック要です。
日常的に請負なのに請負労働者に指揮命令している場合が散見されます。常駐者1人の場合とかは特に。
御参考までに↓
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000101967
既に掲載済みの質疑応答集は、こちら↓
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/hakenhourei.html
http://j.people.com.cn/94475/8309369.html
より
高齢者権益保障法
中国で新たに改正された「高齢者権益保障法」が1日より正式に施行され、「子供は頻繁に帰省し親に顔を見せなければならない」が法律によって義務付けられた。これは高齢者と離れて生活している子供が、頻繁に帰省し顔を見せなかった場合、違法行為になることを意味する。中国新聞網が伝えた。
新たな法律が施行されて間もなく、ネット上で白熱した議論が展開された。支持者は、高齢者の精神的需要を満たす基本的な権利だと主張し、反対者はその実行性を疑問視した。
「頻繁に帰省」の基準とは何か、基準に合致するか否かをいかに判断すべきか?あるネットユーザーは、「新法は高齢者の福音であるが、実質的な問題を解決できない。法律で頻繁に帰省することを義務付けても、真の親孝行にはならない」と指摘した。しかし一部のネットユーザーは新法を歓迎し、これに期待しており、「少なくとも親孝行の法的基準が設けられ、若者の高齢者重視を促せる」と指摘した。
甘粛省心理カウンセラー学会の莫興邦・副会長兼秘書長は2日に記者の取材に答え、「子供が頻繁に帰省し顔を見せなければ違法とは、法律の一つの善意であり、社会の空巣老人(子供が巣立ち、孤独に暮らす高齢者)の精神的扶養に対する関心を示そうとしたものだ。しかしこれは社会発展に伴う課題や、親孝行を含む中国の伝統的な道徳が日々すたれつつあることを反映している」と述べた。
莫氏は、「現代社会はモノがあふれているが、高齢者の精神的需要が重視されていない。生活のストレスが増加しており、多くの子供は頻繁に帰省できないという苦境に陥っている。職を失うかもしれないという深刻な圧力により、彼らは帰省する気持ちがあっても、実際にはできないことがある。都市部と農村部の差が拡大し、出稼ぎ労働者の帰省にかかる費用が増加しており、両親の物質的生活を満たすことが最大の需要となっている。親孝行は古来より中国の伝統的な美徳であるが、これまで道徳という最高レベルのもので守られてきたことが、より低レベルな法律により規制されるようになった。これで社会文明が本当に前進したのかどうかについては疑問が残る。法律という手段で社会道徳を高めようとする試みは、常態化させるべきではない」と語った。
しかし莫氏は、「頻繁に帰郷し顔を見せる」の法制度化を積極的にとらえている。「法律が示そうとしたのは願いであり、個人による法の順守は親孝行という美徳の継承だ。法律は規制というよりも、我々に何が『道徳ライン』であるかを教えているといえる」
莫氏は、「伝統的な道徳の欠如は、文化教育から改善するべきだ。人の基本的素養を高めることを中心とし、社会の雰囲気および世論の導きを補助とし、各方面から親孝行の雰囲気を作り、自ら進んで親孝行をする軌道に戻すべきだ」と提案した。
公式な統計データによると、2012年末現在で中国の60歳以上の高齢者数が1億9400万人に達し、総人口の14.3%を占めた。中国では高齢化が加速している。中国の高齢化ペースは現代化ペースを上回るため、「豊かになる前に年老いる」、「老後の備えをしなういちに年老いる」といった現象が深刻化している。高齢者はさまざまな問題と課題に直面している。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年7月3日
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法律で規制というのがモノガナシイ話です。
障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案の概要
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/183-28.pdf
より
1.障害者の権利に関する条約の批准に向けた対応
(1)障害者に対する差別の禁止
雇用の分野における障害を理由とする差別的取扱いを禁止する。
(2)合理的配慮の提供義務
事業主に、障害者が職場で働くに当たっての支障を改善するための措置を講ず ることを義務付ける。ただし、当該措置が事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなる場合を除く。
(想定される例)
・ 車いすを利用する方に合わせて、机や作業台の高さを調整すること
・ 知的障害を持つ方に合わせて、口頭だけでなく分かりやすい文書・絵図を用いて説明すること
→(1)(2)については、公労使障の四者で構成される労働政策審議会の意見を聴いて定める「指針」において具体的な事例を示す。
(3)苦情処理・紛争解決援助
① 事業主に対して、(1)(2)に係るその雇用する障害者からの苦情を自主的に解決することを努力義務化。
② (1)(2)に係る紛争について、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律の特例(紛争調整委員会による調停や都道府県労働局長による勧告等)を整備。
2.法定雇用率の算定基礎の見直し
法定雇用率の算定基礎に精神障害者を加える。ただし、施行(H30)後5年間に限り、精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加えることに伴う法定雇用率の引上げ分について、本来の計算式で算定した率よりも低くすることを可能とする。
3.その他
障害者の範囲の明確化その他の所要の措置を講ずる。
施行期日:平成28年4月1日(ただし、2は平成30年4月1日、 3(障害者の範囲の明確化に限る。)は公布日)
http://kochi-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/news_topics/kantokusho_oshirase/kochi_roudoukijun/_114562.html
より
事業者のための南海地震対策事例集
~その時、働くすべての方々の生命を守るために~
このたび、事業場における南海地震対策の取組の実施において参考としていただくための「事業者のための南海地震対策事例集」を作成しました。
本事例集は、高知の様々な業種の事業場が、それぞれの業種の特性や地域の事情などを十分に踏まえながら、減災に向けての工夫やアイデアを凝らした取組を照会するためのもので、極めて充実した内容となっており、皆様の南海地震対策に大いに参考としていただけるものと考えています。
また、本事例集の巻末には、当署が作成した「モデル南海地震対策マニュアル」を添付しておりますので、南海地震対策作成のご参考となれば幸いです。
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東日本大震災で、書類の片付け等をしていた部署は助からなかったことを教訓にして、避難第一としております。津波の心配がない地域でも御参考になるのではと思います。
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/05/23/kiji/K20130523005861600.html
より
競馬の払戻金への課税で、外れ馬券が経費と認められるかどうかが争われた刑事裁判の判決で、大阪地裁(西田真基裁判長)は23日、「営利を目的とし継続的に馬券を購入した場合は、外れ馬券の購入費も必要経費になる」との判断を示した。
その上で、払戻金を申告せず5億7千万円を脱税したとして、所得税法違反(単純無申告)の罪に問われた大阪市の元会社員の男性(39)について、脱税額を約5千万円に減額して懲役2月、執行猶予2年(求刑懲役1年)の判決を言い渡した。
競馬の払戻金の不申告が刑事裁判に発展するのは異例で、外れ馬券の経費算入についての初の司法判断とみられる。検察側は経費に含まれないと主張、元会社員は無罪を訴えていた。判決後、元会社員は「主張が全面的に認められた」とのコメントを出し、控訴しない方針を示した。
元会社員は2007~09年、インターネットで28億7千万円分の馬券を購入し、払戻金30億1千万円を得ていた。
国税庁通達は、競馬の所得を偶発的な「一時所得」としているが、判決は「原則的には一時所得だが、元会社員の馬券の購入方法は一般的な馬券購入とは異なり、継続性があり、娯楽にとどまらず、資産運用の一種だ」と判断。外国為替証拠金取引(FX)や先物取引と同様に「雑所得」と指摘し、雑所得の課税実務に合わせ「外れ馬券の購入費も必要経費」と判断した。
検察側の「所得は当たり馬券代だけを差し引いた28億8千万円」との主張を否定し、3年間の競馬による所得を「1億4千万円」と認定した。
有罪とした理由については「申告義務を認識しながら国税当局が摘発しないと身勝手な判断をした。納税意識を欠いた犯行」と述べた。
一般的なサラリーマンの場合、一時所得のもうけが年90万円を超えると申告義務が生じる。元会社員は、無申告加算税を含め約8億1千万円の追徴課税処分を受け、処分の取り消しを求める民事訴訟も起こしている。
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興味深い結果です。
東京労働局の平成24年司法処理状況が5月10日に発表されましたので、大阪、神奈川と併せてUPします。
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東京労働局 平成24年 司法処理状況(一部抜粋)
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0092/5843/201351014445.pdf
送検数 62件
業種別内訳(表3)
建設業 34件(54.8%)
交通運輸業 5件(8.1%)
金融広告業 5件(8.1%)
接客娯楽業 5件(8.1%)
端緒別内訳(表4)
申告・情報、告訴・告発 36件(主に、賃金関係)
災害調査等 26件(主に、労災事故での安衛法違反発覚、労災隠し)
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大阪労働局 平成24年 司法処分状況(一部抜粋)
http://osaka-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/osaka-roudoukyoku/H24/press/25_1/250131-2.pdf
送検数 62件
業種別内訳(表2)
建設業 24件(39%)
製造業 14件(23%)
商業 4件(6%)
運輸交通業 3件(5%)
端緒別内訳(表3)
告訴・告発 15件
告訴・告発以外 47件
告訴・告発以外の内、重大な労働災害 33件
強制捜査件数(表4)
強制捜査(捜索、差押等)3件
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神奈川労働局 平成24年 司法処分状況(一部抜粋)
http://kanagawa-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/kanagawa-roudoukyoku/250131.pdf
送検数 45件
業種別内訳(表2)
建設業 22件(49%)
製造業 7件(16%)
清掃業 4件(9%)
接客娯楽業 3件(7%)
端緒別内訳(表3)
告訴・告発 6件
告訴・告発以外 39件
告訴・告発以外の内、重大な労働災害 12件
強制捜査件数(表4)
強制捜査(捜索、差押等)2件
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参考資料(一部抜粋)
大阪労働局における平成24年定期監督等概要
http://osaka-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/news_topics/houdou/_92242/_114283.html
・実施件数 7,408 件、 違反事業場 4,886 件、 違反率 66.0%
・業種別の違反率(高い順)
①接客娯楽業 75.8%
②清掃・と畜業 75.0%
③保健衛生業 74.1%
・主要な違反事項(違反率の高い順)
労働基準法関係
①労働時間 26.3%
②割増賃金 18.4%
③就業規則 13.3%
④労働条件明示 10.5%
安全衛生法関係
①安全基準 13.4%
②安衛管理体制 12.8%
③健康診断 11.8%
④定期自主検査 4.8%
・最低賃金法に係る業種別の違反率(高い順)
①製 造 業 5.3%
②金融広告業 4.8%
③保健衛生業 4.7%
④接客娯楽業 4.6%
1 定期監督等の実施状況
(1)法違反事業場の状況
平成24年定期監督等の実施件数は、7,408件(前年比1,069件減)であったが、このうち法違反が認められ、改善を指導した事業場は4,886件(前年比542件減)、違反率は66.0%(前年比2.0ポイント増)であった。10年連続で違反率が60%を超える状況となっている(表1)。
定期監督等(実施件数7,408件)の業種別実施数は、
①製造業 2,091件 (28.2%)
②商 業(卸売業、小売業等) 1,734件 (23.4%)
③建設業 1,498件 (20.2%)
の順となっている。
違反率が高い業種は、
①接客娯楽業(飲食店、旅館等) (75.8%)
②清掃・と畜業 (75.0%)
③保健衛生業(社会福祉施設、病院等) (74.1%)
④製 造 業 (71.0%)
⑤商 業(卸売業、小売業等) (70.8%)
⑥教育研究業(学校、専門学校、ソフトウエア業等) (68.0%)
の順となっている。
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平成26年4月1日以降の産前産後休業に健康保険、厚生年金保険の保険料免除がされることになりました。
(平成25年5月10日公布)
これにより、出産予定日が決まれば、その6週間前から育児休業が終了日まで社会保険料免除となります。
勿論、保険料免除の為には申出が必要です。
産休中の保険料免除が含まれる法律は、以下です。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/dl/kouhu120824-2.pdf
公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律
(平成24年8月10日成立・22日公布 平成24年法律第62号)
主な改正内容
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(1) 納付した保険料に応じた給付を行い、将来の無年金者の発生を抑えるという観点から、受給資格期間の短縮を行う。
(税制抜本改革の施行時期にあわせ、平成27年10月から施行)
<改正内容>
○ 納付した保険料に応じた給付を行い、将来の無年金者の発生を抑えていくという視点から、老齢基礎年金の受給資格期間を10年に短縮する。
(対象となる年金)
老齢基礎年金、老齢厚生年金、退職共済年金、寡婦年金
上記に準じる旧法老齢年金
○ 現在、無年金である高齢者に対しても、改正後の受給資格期間を満たす場合には、経過措置として、施行日以降、保険料納付済期間等に応じた年金支給を行う。
○ 税制抜本改革の施行時期にあわせて施行(平成27年10月) 。
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(2) 基礎年金国庫負担1/2が恒久化される特定年度(平成16年改正法で「別に法律で定める年度」と規定)を平成26年度と定める。
(税制抜本改革の施行時期にあわせ、平成26年4月から施行)
<改正内容>
・現行の年金法の基礎年金国庫負担については、税制の抜本的な改革により所要の安定財源の確保が図られる年度として、『特定年度』を法律で定めることで、その年度以降、恒久的に基礎年金国庫負担割合1/2が達成されることになっている。
・今般の社会保障・税一体改革では、平成26年度からの消費税増税(8%)により得られる税収を、基礎年金国庫負担1/2の維持に充てることとしており、『特定年度』を『平成26年度』と定める改正を行う。
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(3) 短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用拡大を行う。
(平成28年10月から施行)(※)
【適用拡大の考え方】
○ 被用者でありながら被用者保険の恩恵を受けられない非正規労働者に社会保険を適用し、セーフティネットを強化することで、社会保険における「格差」を是正。
○ 社会保険制度における、働かない方が有利になるような仕組みを除去することで、特に女性の就業意欲を促進して、今後の人口減少社会に備える。
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(4) 厚生年金、健康保険等について、次世代育成支援のため、産休期間中の保険料免除を行う。
(2年を超えない範囲内で政令で定める日から施行)⇒改正措置の施行期日を定める政令(平成25年5月10日政令136号)公布。
平成26年の4月1日以後の産前産後休業期間について、申し出により社会保険料免除
<改正内容>
○次世代育成支援の観点から、産前産後休業を取得した者に、育児休業同様の配慮措置を講ずる。
【産前産後休業期間中の保険料徴収の特例 】
・産前産後休業期間(※)中の厚生年金保険料を免除する。
(※) 産前6週間(多胎妊娠の場合14週間)、産後8週間のうち、被保険者が労務に従事しなかった期間。
【産前産後休業を終了した際の標準報酬の改定】
・産前産後休業終了後に育児等を理由に報酬が低下した場合に、定時決定まで保険料負担が改定前のものとならないよう、産前産後休業終了後の3ヶ月間の報酬月額を基に、標準報酬月額を改定する。
⇒1等級以上の差で月額変更届が出せる。
(※) 育児休業終了後についても、同様の措置あり。
【国民年金被保険者に対する保険料免除措置の検討】(衆議院の修正により追加)
・国民年金の第1号被保険者に対する産前6週間・産後8週間に係る国民年金保険料の免除措置を検討。
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(5) 遺族基礎年金の父子家庭への支給を行う。(税制抜本改革の施行時期にあわせ、平成26年4月から施行)
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(6) 低所得高齢者・障害者等への福祉的な給付措置を講ずる。高所得者の年金額調整、国民年金第1号被保険者に対する産前産後の保険料免除措置について検討する。
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(3年後の検討)
○ 政府は、この法律の施行後3年を目処として、この法律の施行の状況を勘案し、基礎年金の最低保障機能の強化その他の事項について総合的に検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
(短時間労働者への社会保険の適用拡大 施行3年後の検討)
○ 政府は、短時間労働者に対する厚生年金保険及び健康保険の適用範囲について、平成31年9月30日までに検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずる。 (※)
(低所得である高齢者等に対する福祉的措置としての給付)
○ 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(以下「税制改正法」という。)の附則第1条第2項に掲げる規定の施行の日(平成27年10月1日)から、公的年金制度の年金受給者のうち、低所得である高齢者又は所得が一定額以下である障害者等に対する福祉的措置としての給付にかかる制度を実施するため、税制改正法の公布の日から6ヶ月以内に必要な法制上の措置が講ぜられるものとする。この場合において、その財源は、税制改正法の施行により増加する消費税の収入を活用して確保するものとする。 (※)
(高額所得による老齢基礎年金の支給停止の検討)
○ 高額所得による老齢基礎年金の支給停止については、引き続き検討が加えられるものとする。 (※)
(第1号被保険者に対する出産前後の保険料免除の検討)
○ 国民年金の第1号被保険者に対する出産前6週間及び出産後8週間に係る国民年金の保険料の納付義務を免除する措置については、検討が行われるものとする。 (※)
昨今、リストラに関わる配転等について御連絡を頂く機会が増えております。
御参考までにリストラ、出向等のトピックスを5つ程抽出してみました。
一般に在籍出向、配転等の人事権は就業規則にも定められており、地域限定や職種限定採用でない限りは、概ね会社の裁量の範囲内です。
以下は、人事権の濫用とされた内容のものが中心です。
争いにならなければ、勿論問題にもなりませんが、争いになった際は下記の一連の判例等は御参考になろうかと存じます。
1.リコーリストラ出向事件 平成24年5月22日の労働審判の要旨
■ 出向に関する主文
申立人らが相手方に対し、申立人らがリコーロジスティック株式会社に出向して同社にて勤務する雇用契約上の義務がないことを確認する。
■出向に関する主文
理由の要旨
出向命令は、技術職から物流における梱包業務という著しい業務の変更を伴うものであるので、会社は全社的な人員効率化施策のスキームと申立人従業員が出向対象となった理由について主張立証を行う必要がある。
しかし会社は、人員効率化施策について充分な立証を行っていない。
また会社は、申立人従業員を出向対象として選定した理由として人事考課について言及しているが、何ら立証を行っていない。
この点を鑑みると本件出向命令は、業務上の必要性が立証されていないので、権利濫用にあたり、無効である。
⇒リコーは、即日異議申立し、本訴に移行し係争中です。
2.米ブルームバーグ通信東京支局 解雇事件
米ブルームバーグ通信東京支局の男性記者(51)が、「能力不足」を理由に不当に解雇されたとして、地位確認などを求めた訴訟の控訴審判決が24日、東京高裁であった。
坂井満裁判長は解雇を無効として賃金支払いを命じた一審東京地裁判決を支持し、ブルームバーグの控訴を棄却した。
同社は控訴審で「国際企業と一般的な日本企業との雇用形態には差異がある」として、解雇は妥当と主張したが、坂井裁判長は「人事制度が一般的な日本企業と異なることについて、具体的に主張していない」と退けた。
その上で、「男性は具体的な数値によって設定された課題をほぼ達成している」と指摘。「労働契約を継続できないほど重大な職務能力の低下は認められない」とした。
平成25年4月24日 時事通信
⇒人事制度が一般的な日本企業と異なる、雇用形態に差異があるから、日本の法律を逸脱しても良いという根拠にはならないです。
3.公益通報後の出向命令拒否による懲戒解雇
大王製紙の会計処理の問題を内部告発した後、懲戒解雇された同社元課長の男性(50)が19日、「解雇には理由がなく、違法」として、解雇無効と、同社に330万円の損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状によると、男性は、タイの関連会社に不正経理があることを上司に相談したが、適切な対応が期待できなかったため、昨年12月、金融庁などに告発文を送付した。すると、大王側から今年2月、「会社の秘密を漏らした」として課長職を解かれた上、北海道にある関連会社の事業所への出向を命じられた。男性が拒否すると、今月11日付で懲戒解雇されたという。
訴状では、「公益通報者として保護されるべきで、降格から解雇までの一連の処分は人事権を乱用した違法行為だ」と主張している。
大王製紙は「訴状が届いておらず、コメントは差し控えたい」としている。
H25年3月20日読売新聞
⇒これからの推移を見守る必要がありますが、会社側の立場は弱いと思われます。
4.継続雇用制度 再雇用基準の恣意的運用却下
高齢者の継続雇用制度をめぐり、再雇用基準を具体的に定めた労使協定を恣意的に運用し、再雇用を認めなかったのは不当として、兵庫県の男性が地位確認と賃金支払いを会社に求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)は29日、会社側の上告を棄却した。男性の再雇用を認め、賃金支払いを命じた二審大阪高裁判決が確定した。
厚生労働省によると、継続雇用制度は約8割の企業が導入。制度に基づく再雇用が争われた訴訟で、最高裁判決が出たのは初めて。
H24年11月29日 時事
⇒法改正により段階的に希望者全員を65歳まで雇用する義務があります。
現在は61歳までで、それ以上の方につきましては選定基準が有効でありますが、恣意的と判断されればアウトです。
5.オリンパス事件
社内のコンプライアンス(法令順守)窓口に上司の行為を通報した後の配置転換が裁判で無効と認められたのに、会社側が処遇を改善しないなどとして、オリンパス社員、浜田正晴さん(51)が3日、同社に1500万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状によると、6月に最高裁で配転無効の判決が確定したが、オリンパスは配転先から異動させず、子会社への転籍や出向を打診するなどした。現在も仕事を与えられず、昇給や昇進の機会を奪われ、精神的損害を被ったなどとしている。
確定判決によると、浜田さんは2007年、上司が取引先から営業秘密を知る技術者を引き抜こうとしていると社内窓口に通報。
通報内容が上司に伝わり、3回にわたり別の部署に配転された。
一審判決は浜田さんの請求を退けたが、二審判決は「必要のない配転」と認定し、オリンパスに220万円の損害賠償を命令。最高裁は同社側の上告を棄却した。
浜田さんは提訴後の記者会見で「最高裁の判断をほごにする会社の対応は許されない」と話した。
オリンパスは「本人と調整の場を十数回持ってきたが、合意に至らず時間がかかっている。提訴は非常に残念」とのコメントを出した。
H24年9月3日 日経
因みに、
オリンパス、ウッドフォード元社長と和解 12億円支払い
オリンパスは6月8日、元社長のマイケル・ウッドフォード氏が英国で申し立てた労働審判について、正式に和解したと発表した。
同社はウッドフォード氏に1000万ポンド(約12億4500万円)を支払う。
ウッドフォード氏は、損失隠し事件に絡む社長解任が英国法に違反する不公正な解雇だったとして、今年1月に英国労働審判所に審判を申し立てていた。
5月29日付けで和解に合意し、8日に取締役会で承認した。
和解に基づきウッドフォード氏は労働審判の申し立てを取り下げ、同社はウッドフォード氏に和解金として1000万ポンドを支払う。
「労働審判の長期化による訴訟費用、人的資源の負担の増加と、これによる業務運営に及ぼす影響などを総合的に勘案し、和解が最善の利益となるものと判断した」としている。
H24年6月8日 ITmedia
⇒心証悪いですね。
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