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投稿日 2021-08-31 19:05
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
本書『神様からひと言』は、<荻原浩>のサラリーマン小説で、2002年10月に光文社より単行本として刊行され、2005年3月に光文社文庫より文庫化されています。主人公は、大手広告代理店を上司とのもめごとで辞め、「珠川食品」に再就職した「佐倉凉平」27歳です。 入社早々、販売会議でまたもトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となってしまいます。慣れない商品のクレーム処理に奔走する「凉平」でしたが。実は、私生活でも半年前に彼女の「リンコ」に逃げられていました。様々なクレーム処理と相談室長とのハードな日々を生きる彼の奮闘が、先輩「篠崎」や個性ある同僚たちとの仕事ぶりを通...
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投稿日 2021-08-27 20:45
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ファルコン
『かがみの孤城(上)』に続いて『かがみの孤城(下)』です。前巻(上)では、鏡の中のお城に集められた不登校の7人が同じ中学校だとわかり、3月期の始まる始業式には、みんなで登校しようというところで終わっていました。予測できたことですが、始業式に出向いた「こころ」は、誰とも会うことができませんでした。逃げ...
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投稿日 2021-08-24 20:05
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<辻村深月>による本書『かがみの孤城』は、2017年5月に(ポプラ社)により単行本として刊行され、2021年3月5日上下巻2冊として文庫化されています。文庫本の帯には、2018年度本屋大賞受賞作で、王様のブランチブック大賞など8冠のベストセラーということもあり、また『ツナグ』や『朝が来る』が共に映画...
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投稿日 2021-08-17 20:25
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<下村敦史>の本書『刑事の慟哭』は、2019年9月単行本として刊行され、2021年7月18日に文庫本が発売されています。新宿署の刑事「田丸茂一」は、捜査本部の方針に反して捜査を進め真犯人を逮捕するのですが、それはキャリアの上層部たちの捜査ミスを、マスコミの前で露見させることになり、厄介者扱いされています。 管内でOL「磯山ゆう子」の絞殺体が発見されましたが、「田村」は捜査の主軸からはずさてしまいます。仕事帰りに寄るバー「麗麗」からの帰宅中に歌舞伎町のホスト「ヨシキ」の刺殺体を発見します。 相棒の「神無木」と捜査を進める中で「田丸」はL「磯山」とホスト「ヨシキ」の二人の思いがけない共通点に気づき...
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投稿日 2021-08-13 20:05
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『寺内貫太郎一家』( 1974年1月16日~1974年10月9日) ・ 『時間ですよ』(1970年~1990年)など人気テレビドラマの脚本家、また、第83回直木賞(1980年)受賞作家として、ますますの活躍が期待されていたさなか、台湾での取材帰りの飛行機事故で1981年8月22日、51年の生涯を終えた<向田邦子>さん(1929年11月28日~1981年)が、没後40年を迎えるこの8月です。8月10日発売の文春文庫『向田邦子を読む』(文藝春秋編)では、直木賞選評、故<田辺聖子>さん、故<森繁久彌>さん、故<山口瞳>さんら交遊のあった作家・著名人の<向田邦子>さんにまつわる随想がまとめられています...
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投稿日 2021-08-10 20:05
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著者<今野敏>の『残照』(2000年4月刊)に始まる「東京湾臨海署安積班」シリーズの文庫本として、警察学校時代から現在の刑事課強行犯第一係長に至るまでの「安積剛志」を描いた短篇集『道標』に続く12作目の最新作『炎天夢』(2021年7月18日発行)です。多分野での著作も多い<今野敏>ですが、「安積剛志...
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投稿日 2021-08-06 20:05
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本書『カラスの祈り 警視庁53教場』は、第1作『警視庁53教場』(2017年10月刊)に始まるシリーズの第5作目の文庫書下ろし作品になります。捜査一課の転属を断り警察学校に残った「五味京介」は、窮地に立たされていました。元凶は一昨年に卒業を認めなかった連続強姦魔の「深川翼」を145号室に監禁して閉じ...
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投稿日 2021-08-03 20:05
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著者<山邑圭>には、採用試験を間違えて警察官になった「椎名真帆」を主人公とする『刑事にはむかない女』(2019年)をはじめとするシリーズがあります。本書『コールド・ファイル』は、文庫本書下ろしとして2021年7月25日に発行されています。本書では、元モデルの経験がある「比留間怜子」が主人公です。2年...
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投稿日 2021-07-30 21:05
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本書『氷獄』は、2019年7月に単行本が刊行され、2021年7月25日に文庫本として発売されています。表題作を含む4篇が収録されていますが、圧巻はやはり表題作の『氷獄』でした。全体的に過去の作品の登場人物やエピソードが絡んできますので、<海堂尊>ファンとしてはとても面白く楽しめましたが、さて、本書が...
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投稿日 2021-07-27 20:05
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ファルコン
本書『羊の目』は、2008年2月に単行本が刊行されています。(文春文庫)での著者<伊集院静>の作品としては、『星月夜』・ 『悩むが花』を読んでいますが、最近では、サントリーの創業者<鳥井信次郎>の生涯を描いた『琥珀の夢(上・下)』が印象に残っています。本書は、昭和8年、牡丹の「刺青」をもつ夜鷹の女は、後に日本の闇社会を震撼させるひとりの男児を産み落とします。自分が見初めた男気のある浅草の侠客「浜嶋辰三」の女の家に捨て子として託します。児の名は「神崎武美」。女は病気のために亡くなりますが、その後「浜嶋辰三」に育てられた「武美」は、「親分」で育ての親である「浜嶋辰三」を守るため幼くして殺しに手を染...