これからどうなるのか?
3月
24日
その後、水素爆発により原子炉建屋はボロボロに壊れる。
僕はもっと早い段階で、メルトダウンが進行するものと予想していた。
しかし、色々な方々が命をかけて対応してくれたおかげで、よくぞここまで持ちこたえたと感じている。
だが、危機を脱したわけではない。
初期の段階である東京の企業さんに「どうなるのか?」と相談を受けた時は、「核爆発はしません」「地域の農業・漁業は長期に渡り壊滅状態になります」「東京は安全ですが、水の確保をしてください」とお伝えした。
その結果、その会社はその日のうちに本社機能を大阪に移すことを決定した。
原子炉の問題は、まだ始まったばかりなのだ。
さて、原子炉事故に関連して、これからどうなるのかを考えてみた。
放射性物質の流出:
原子炉にやっと電源が確保できるようになってきた。
冷却ポンプが稼働できる可能性があるわけだが、放射性物質が漏れ出している現状の解決策にはならない。
部分的に溶けだしたと考えられる燃料棒を、どのように処理して密閉するのか等、課題は山積だ。
安全確保までは、毎週のように作業員を入れ替えながら、数ヶ月あるいは数年かかるのではないだろうか?
土壌汚染:
「農作物の風評被害を防ごう」という報道が目立つが、放射性物質の流出が止まらない現状では、被害は拡大し続ける。
このような状況は、過去に例がないだろうが、世間が安全と判断するまでは、数年はかかるのではないだろうか?
もちろん、原子炉の安全が確保されたのちの話である。
農作物及び酪農への影響は深刻だ。
まずは、国内の代替農地の確保をしっかりと行う為に、耕作放棄地の整備が必要になるのではないだろうか?
水質汚染:
水道水が飲めるのは、日本の素晴らしいところだったが、今後飲料水はペットボトルに頼るしかない。
もちろん、調理に使用する水もだ。
しかし、ラーメン店等でスープに使う水がペットボトルになる事を想像できるだろうか?
やはり、安全と言える食品は少なくなる。
海洋汚染:
これから水揚げされる魚介類・海藻類がどの程度影響を受けるのか、調査の結果を待つしかない。
ワカメを食べると被曝しないというデマがあったが、海藻類を食べて被曝する危険もあるという事だ。
健康被害:
放射線の影響で、人の命が5年・10年短くなったところで、誰も気づかない。
なぜなら、元々の人の命の長さがわからないからだ。
「直ちに影響はない」とはそういう事だ。
エネルギー政策:
原子炉に依存してきた日本、そして世界は大きな転換期を迎えた。
反対運動で新しい原子炉が作れないから、古い原子炉を使い続けてきたという事情もあるが、これからはもっと厳しくなる。
今回の原子炉事故での補償額は天文学的になる。
そのお金は「国費で負担」というが、それは我々が負担するという事と同じ意味だ。
電力会社にとって、また国民にとって「原子力発電は割に合わない」ものとなった。
まずは、石油・天然ガス・石炭への依存が高くなるのだろう。
しかも、それは全世界レベルの話。石油の枯渇は現実もののとなるだろう。
太陽光、風力は、僕のブログに度々登場する物ではあるが、非力で頼りない。
http://jp.bloguru.com/furyou/query/?search=%95%97%97%CD&go=
http://jp.bloguru.com/furyou/query/?search=%91%BE%97z%8C%F5&go=
山手線内を太陽光パネルで満たして、原子力発電所1基分の電力を得ることができる。
これらで得られる電力は限定的で、得られるタイミングも需要予測と関わりを持たない。
予測の出来ない電力は、常にそれをバックアップするシステムが必要になる。そうすると、ますますコストが見合わなくなる。
僕は2009年9月にダムの時代が来ることを記載している。
http://jp.bloguru.com/furyou/b233469308/2009-09-25
まだ、こちらの方が、エネルギーを位置エネルギーとして保存する分、有利だと言える。
いずれにせよ、石油に依存しない社会を本気で作るなら、あらゆる自然エネルギーを使い、その中で可能な生活をおくる覚悟が必要だ。
温暖化ガス削減問題:
世界的に原子炉が停止され、化石燃料への依存が再び高まると、問題解決は不可能な方向に向かう。
これまでの予測通りであれば、急激な氷河の崩壊、海面上昇が始まる。
今回の津波のような被害は、大型台風で頻繁に起こるようになる。
解決策もある。
日本は、リーマンショック後の景気停滞によって、2009年度の温室効果ガス排出が90年比で-4.1%になった。
2007年度の排出量は逆に90年比+9.0%であることを考えると、経済活動を止めることが温暖化を防ぐと言う事実が明確になった。
「得られる自然エネルギーの範囲」が「許される経済活動の範囲」だという規制があれば、今後も環境は保たれる。
豊かな小国論の変化:
これまで僕は日本の進む道は「豊かな小国」であると論じてきた。
http://jp.bloguru.com/furyou/6245/2008-01-11
しかし、経済という亡霊にしがみつき、我欲にまみれたこの計算は、時代の波に合わないのかもしれない。
なぜならば、現代の日本の若者は、物欲がない。
僕らの時代は、高級車や高級腕時計に憧れ、それらを手に入れるためにがむしゃらに働いてきた。
今は「車は乗れればなんでもいい」「成功する事よりも、安定した生活が出来ればいい」といった具合なのだ。
そういう意味で、日本が経済至上主義から、次のSTEPへ進むことは容易な環境にあること感じ始めている。
それは、「心の豊かな小国」という考え方である。
「別に頑張りすぎなくてもいいじゃないか!」
「楽しく仲良く暮らそうよ!」
「地球環境を守ろうよ!」
資本主義のその先にある価値観を先行する国。
次はそんなことを考えてみたい。
写真は、低炭素で低酸素なインドヒマラヤ峠の茶屋。
店も住居もここだけ。でもみんな一生懸命に生きている。
投稿日 2011-03-24 07:35
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投稿日 2011-03-24 19:11
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投稿日 2011-03-27 18:48
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