服部まゆみさんの小説。
私に 読書の醍醐味を思い出させてくれた作品。
前半の幻想的な世界と中盤の見事すぎるどんでん返し。
ファンタジー好きの私を序盤から掴み、
中盤で一気に引きずり込んだ。
ものすごくおもしろかった。
地上波で見たものを含め、
H23年(春以降)に見た映画の中で一番おもしろかった。
人の生き死にの描き方もそうだけど、
主人公とヒロインが安易には結ばれないのも好印象。
安易な恋愛ものには疑いの目を向けてしまうもので(^^;)))
(だから、会ってすぐに結ばれて、一緒に逃亡劇を繰り広げた末に、
「やっぱり悪人だったのよね」で終わっちゃう「悪人」は超期待はずれだった)
このどこが、児童文学なんだ…。
アニメ化よりむしろ、実写で映画化してほしい。
かなり見応えのある作品になると思う。
…アニメでは、エリンの母ソヨンが死ぬシーンで物議を醸したらしいけど。
私には、完結編のラストの方が衝撃的。
どんでん返し、意外な結末、というのとは程遠く、逆に何があってもまっすぐズシンとぶつかってくるような、そんな終わり方でした。
…ジェシの教壇姿に、「博士の愛した数式」のルートの教壇シーンを思い出した。
何気ない仕種や言葉や表情が、深い意味を持っている、
味わい深いドラマ。
無邪気な表情から一転して、
くしゃっと歪む継美の泣き顔。
周りを嘲笑い、自分自身を嘲笑うかのような怜南の母、仁美。
自分は犯罪者だと、
傍観者が犯罪者になっただけなのだと明かす奈緒に、
それなら自分は共犯者だと笑う葉菜。
敵とも味方ともつかない記者、藤吉の言葉にも重みがあります。
もう一度最初から見たら、また別の見方ができるのでしょう。

不安で焦って、どうしようもなくて、消えてしまいたくて。
そんな時に聞いたからか。
脳天ぶち抜かれたかのような衝撃を覚えました(笑)
シングルverは、躍動感溢れる力強い曲調、
アルバムverは、胸に染み込んでいくようなバラード。
過激な言葉が並んでいるだけに見えるのに、
こんなにも胸に突き上げてくるのはなぜだろう…。
アニメ見てマジ泣きした…。
嫉妬や葛藤の末に。神の一手に続く道を、ヒカルとその他大勢の棋士に託した佐為。
その一方で。
佐為を捜して捜して捜し回って。
佐為が消えた理由を、自分のせいだと己を責めて。
碁を打つことさえ、打ちたいと願うことさえ、罪だと己を戒めて。
けれど。
そんなところにいたんだ…。
ヒカルの中にいる、というのは察しがついていたのですが。
そればっかりに気を囚われていて。
「そこ」に気づかなかった。感動です。

朝日放送開局50周年記念企画として2006年に放送された、
三浦綾子さん原作、石原さとみちゃん主演のドラマです。
凍っては溶けて、溶けては凍る。
氷点と融点はおんなじ温度。
愛と憎しみも、同じかもしれない。
ふと、そんなことを思った。
ふたりの母親が思いをぶつけ合うシーンと
流氷が燃えるシーンが印象的。
元ちとせの歌う主題歌、六花譚も大好き。
この作品に溢れる“想い”に涙しました。
決してハードボイルドではなく、単なる悲劇でもなく。
じんわりと心に染み入るような、
あたたかくも切ないハートフル・シネマ。
是非、多くの人に見てもらいたい作品です。
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