<東アジアで進む少子化 原因は(女性の地位の低さ>
10月
22日
中国の急激な少子化をどう見ますか?
トッド氏:
中国の少子化は、予想をはるかに上回るスピードで進んでいます。そして中国の人口はこの先減少に転じます。私が最初に感じたのは「中国は我々が思うよりもずっと正常だ」ということです。韓国、日本、台湾。これらは「超少子化地域」と呼ばれています。日本の合計特殊出生率は1.34,台湾は0.89,韓国は0.81です。子どもの数が少ない。つまり東アジアの社会には何かがあり、それが少子化を招いているのです。
その点からみると東アジアの国である中国が少子化になるのは、ごく普通に見えます。少子化の原因。それは女性の地位が低いからだと思います。儒教の伝統が関係しているのでしょうね。東アジアの社会は高齢者の介護にエネルギーを使いすぎていると思います。特に韓国でそれが顕著に現れていると思います。子どもを産み、育てることにエネルギーが向かないのです。つまり、仕事に加え、親の介護が重くのしかかっているのです。子どもたちは大変です。政治体制が違うにも関わらず、中国もまた「超少子化地域」に入るということはとても興味深いことです。