BCA土曜学校 ブログ
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BCA土曜学校のコラムVol.47~音楽~
Willows Preparatory School でミュージックナイトが開催されました。合唱と吹奏楽で構成された演奏は、9月から音楽の授業で練習した成果発表とのこと。演奏はもちろん、先生が指揮台に上がると同時に楽器をさっと構え一斉に指揮者に視線を集める姿も立派でした。
我が子を見つめる保護者の皆様の眼差しや拍手もあたたかく、音楽を介して会場が一体となった和やかな雰囲気を味わった夜でした。
「音楽」は、「音」と「楽」で組み立てられた言葉です。
「音」は、「言」と「一」を合わせて作られた文字で、人の祈りに対する神様のお告げ(神の声)を意味します。
「楽」は、「木」に「糸」を張った弦楽器を爪で奏でるという説や、「白」の部分が鈴でその左右が糸飾りを示し、神を楽しませるのに使用した手で鳴らす鈴をさすという説、「木」の台の上に「幺」が二つ置かれ、それを「うつ」という説などがあります。
いずれも「音」は声、「楽」は道具としての楽器をさし、やがてその道具を用いた音楽そのものを意味するようになり、転じて「楽しい」という意味も表すようになったようです。
明治の初めまで「音楽」は元々宮廷や神社や寺で貴人のために奏でられたものだけを指していたということも頷けます。語源をたどると、「音楽」は、単に「音を楽しむ」という意味ではなく、深い意味を持つ言葉だということがわかります。
今では日本語の中にすっかり馴染んだ言葉ミュージック「music」も、もともとはギリシア神話の「ミューズ」からきているのだそうです。「music」は、ミューズの恩恵にあすかる人間の営みを意味するギリシア語のムーシケー「mousike」がその語源です。
日本語の「音楽」と英語の「music」が、共通の語源を持っていることも興味深いですね。
今週2018年最後の土曜学校では、『年末歌の会』が行われます。
クリスマスソングや「お正月」「富士山」「ゆきやこんこ」など、音楽の時間に練習してきた日本の歌を合唱する楽しい会です。
歌うとき「音楽」の意味を浮かべてもらえると嬉しいです。
12月8日
BCA土曜学校のコラムVol.46~切羽詰まる~
12月1日、BCA2を会場としてシアトル熱中小学校のオープンハウスが開催されました。
その中で、シアトル夢想会刀剣研磨師今野龍彦さんの貴重な授業が提供されました。
本物の刀を間近で見せて頂きながら、美術品としての刀の魅力をたっぷりあじわうことができた時間でした。
知っているようで知らない刀の世界や武士道について教えて頂き、日本人の気持ちの根底にあるものを考えてみるいい機会になりました。
中髙の生徒さんと「慣用句「ことわざ」「故事成語」の学習をし、
慣用句は、二つ以上の言葉が結びついて、もともとの意味をは別の意味を表す言葉。
ことわざは、古くから言いならわされてきた、生活上の知恵や教訓が込められた言葉。
故事成語は、中国の古典に由来し、歴史的な事実や言い伝えをもとにつくられた言葉。
というように、先人の言語感覚や知恵が込められた言葉という認識でいましたが、今野さんが「切羽詰まる」を実際に見せてくださった時、言葉の意味がすとんと胸に落ち、その衝撃に身が引き締まる思いがしました。
「切羽詰まる」とは、物事がさしせまってどうにも切り抜けられなくなることや、追いつめられて身動きがとれなくなることを意味します。
「切羽詰まる」の「切羽」は、日本刀の部品の一部で日本刀の鍔(つば)の両面に添える薄い楕円形の金物のことです。これが詰まると刀が抜けなくなります。
日本刀同士で立ち会って、刀の根元ぎりぎりの切羽の部分で相手の刀を受けている状態、そのような状態が切羽詰った状態です。追い詰められた時に「切羽」が詰まると、逃げることも刀を抜くことも出来なくなるため、もうどうにもならなくなるといった意味となったそうです。
その意味が、会場に響く「刀」と「切羽」の音とともに心に残っています。ずっと刀を愛し続けてきた人の言葉はずっしりと重いものでした。
単刀直入(たんとうちょくにゅう)、反りが合わない(そりがあわない)、鍔迫り合い(つばぜりあい)、鎬を削る(しのぎをけずる)、相鎚を打つ(あいづちをうつ)、急刃凌ぎ(きゅうばしのぎ)など、刀に関わる言葉が他にもたくさんあります。
美術品としての刀から生まれた言葉にふれたこの感動を、子ども達にも伝えていきたいと思います。
12月1日
BCA土曜学校のコラムVol.45~割り箸~
BCA土曜学校では、11月17日から「割り箸」を使って給食をいただくことになりました。初日は、清水校長先生より箸使いの作法についてご指導がありました。
持ち方は、
①利き手でお箸を取り上げ反対の手を下からそえる。
②利き手をお箸の下側にすべりこませてもち、反対の手をはずす。
③お箸の真ん中より少し上の持ちやすい位置で、上の一本だけを動かしてはさむ。
正しい箸使いで美しく食べるのが「和食」であることを確認できたと思います。
お箸は、日本人が食器の中で一番使う道具です。ご指導を忘れずこれからも正しい箸使いで食べましょうね。
「割り箸」は、割って使う箸ではなく、割って作る箸が語源です。木や竹の木の目にそって割って作った箸が「割り箸」なのです。
江戸や大坂、京都に飲食店が流行した江戸時代に、吉野で酒樽の余材を利用したのが「割り箸」の始まりだといわれています。
林業が盛んだった吉野では、建築材だけでなく樽や桶の材料も作っており、その残った端材を利用して作られたのだそうです。「割り箸」はゴミとして捨てられていたものから生まれたのですね。職人さんが、端材をナタで縦に割っている様子が目に浮かんでくるようです。
一般的に使われるようになったのは明治時代、量産は大正時代後期に入ってからです。
「割り箸」のよさは、木のぬくもりが感じられること、木の香りが良いこと、新しいものを使えること、使い捨てできること、すべらないので麺類が食べやすいこと、箸を割るときの気持ちよさなどがあげられます。手軽で使い易いく、使い回しが無いので清潔なことが日本人の気質に合って広がったのだそうです。
種類も、
・丁六(ちょうろく) 角もそのままで割れ目に溝のないもの。
・小判(こばん) 角の部分を削ったもの。
・元禄(げんろく) 角を削り割れ目に溝がありわりやすいもの。
・天削(てんそげ) 持ち手を斜めにカットしたもの。
・利休・利久(りきゅう)千利休によって考案されたもの。
と様々です。
「もったいない」という思いから生まれた便利な「割り箸」は、日本人の木の文化とともに開発されてきたのですね。
次に手に取る時、思い出してもらえれば幸いです。
11月17日

幼稚部年長組では「てこの仕組み」の学習で「やじろべえ」を作りました。

11月10日
BCA土曜学校のコラムVol.44 〜時間〜
11月の第1日曜日は、午前2時が2回あり夏時間から冬時間に変わりました。1時間時間の流れがストップするのはとても不思議な感じがします。
「時間」は、時が流れていく時間の間隔を表す言葉であり、今この空間に流れているものが「時」で、その続いている「時」が「時間」なのだそうです。
「時」は、過去から現在、現在から未来へと流れています。とどまることなく流れる存在つまり「常(とこ)」でありこれが転じて「時」と呼ばれるようになったという説が多いようです。
時間の「時」は、「日」と「寺」の組み合わせです。「寺」は、「寸(て)」と「之(あし)」という文字から成り立っており「手足を働かせて仕事すること」という意味があると言われています。そこに「日」という文字が加わることによって「日が進行している様子」を表し「時(とき)」という漢字になったのだそうです。
時間の「間」は、「門」と「日」の組み合わせです。もともとは「日」が「月」と書かれていたのだそうです。これは、門を閉めても隙間から月の光が入って来ている情景を表しているのだといいます。昔の人々は、このような月明かりを見て時間を感じていたのでしょう。「あいだ、ま、すきま」の意味の他に「しずか・やすらか」という意味にもつかわれることにも惹かれる文字です。
1日の「時間」の流れにそった言葉はたくさんあります。
○朝、暁(あかつき)、春暁(しゅんぎょう)、未明(みめい)、明け方、夜明け、早朝、
薄明(はくめい)朝方、曙(あけぼの)、鶏鳴(けいめい)、東雲(しののめ)
○昼、昼前、正午、昼間(ひるま)、昼間(ちゅうかん)、日中、昼日中(ひるひなか)
昼過ぎ、真昼間、白昼(はくちゅう)
○夕方、日の入り、日暮れ、暮れ方、夕暮れ、夕べ、夕刻、かたわれどき、
薄暮(はく ぼ)、 日没、黄昏(たそがれ)、逢魔時、入り相(いりあい)、人点し頃(ひともしころ)
○夜、晩、夜中、深夜、真夜中、夜更け(よふけ)、暮夜(ぼや)、夜半(やはん)、
小夜(さよ)、長夜(ちょうや)夜夜中(よるよなか)、
未来に向かって流れ、二度と戻らない「時」だからこそだと思います。
土曜学校の皆さんの「時」はどのような未来につながっているのでしょうか。いい「時」 を重ねていって欲しいと思います。