紅葉がきれいな季節になりましたね。今日の幼稚部 年中クラスでは落ち葉で”秋の様子”を表現してみました。
運動会が行われました。ダンス、パン食い競走、玉入れ、沢山の競技に皆さんのご参加、ご協力ありがとうございました。
● BCA土曜学校のコラムVol.63●
さらに「紡ぐ」
「紡ぐ」は、繊維を引き出しよりをかけて糸にするという意味です。「思いを五・七・五の言葉に紡ぐ」のように言葉をつなげて文章や詩歌などをつくる場合にも用います。
国語1で「空を見上げて」を学習し、東日本大震災の被害を受けた女川町の中学生の五・七・五にBCAからの七・七を紡いでもらいました。皆さんのあたたかい心が込められた素敵な言葉がたくさんできました。
前の時間に学習した「引用」のパターンに従い、作者の心情をあらわす根拠となる言葉を示して鑑賞文を書いてもらったところ、女川の中学生の言葉に紡いだ七・七の思いがさらに鑑賞文として紡がれ、言葉の力を考えるいい学習になりました。
〇夢だけは 壊せなかった 大震災(女川)
こ の女川の中学生の五・七・五に紡いだ七・七と鑑賞文を二つ紹介します。
七・七
◇夢に向かって また立ち上がろう(アメリカBCA)
鑑賞文
〇〇〇〇は、BCA土曜学校の国語1で一緒に勉強する仲間だ。
「夢に向かって また立ち上がろう」
この七・七を選んだ理由は、私の考えと似ていたからだ。すぐそばで声をかけているかのような「また立ち上がろう」は、震災で悲しむ人々の心に希望を与えたいという気持ちがこもっている。私もどんな困難があろうと夢と希望をもって前に進んでいってほしいと思ったのでとても共感できた。この七・七に人を動かす力を感じた。
七・七
◇壊されたのは 心じゃない(アメリカBCA)
鑑賞文
〇〇〇〇は、BCA土曜学校で友だちになった真面目で優しい人だ。
「壊されたのは 心じゃない」
この言葉は心にずんと響いたので選んだ。住んでいた家も通っていた学校も何もかも津波で壊されたけれど、家族も亡くなってしまったかもしれないけれど、あなたの心はあなた自身の中にしっかりとある。心があるから、夢も希望も未来もあるんだよ。だから頑張ってという〇〇〇〇さんのメッセージに感動した。とても素敵な言葉だと思った。
教科書に紹介されている言葉に、生徒さんの豊かな感性が加わりどんどん広がっていく言葉の世界、とてもいいなぁと思いました。
言葉は、人の心を癒したり励ましたりする力を持つことを感じてくれたことを嬉しく思います。
今週はいよいよ運動会!
10月12日(土)2月
第1部: 幼稚部・1年生 10時〜12時
第2部: 小学部2年生〜6年生 13時〜15時
*開始10分前には必ず体育館に集合して下さい。
中高部は通常授業です。
クラス写真の撮影を行いました。
毎年のことですが、みなさんの笑顔がとても眩しく感じられます。
● BCA土曜学校のコラムVol.62●
「美しい日本語」
国語2で、大岡信さんの「言葉の力」を学習しました。言葉と人間の関わりや美しい言葉とは何かについて考えさせられる教材です。
アメリカで生活しながら一生懸命日本語を学ぶBCA土曜学校の生徒さんは、どんな日本語を美しいと思っているのか知りたくて、授業のはじめに「美しい」と思う日本語は何かを問うてみました。
美しい日本語と言っても様々な切り口があるので、響きが美しく意味に奥行きが感じられる大和言葉から25の言葉を示し3つの言葉を選んでもらい集計したところベスト5は以下の通りでした。
1位 【うららか】 空がよく晴れて穏やかな様子。明るく晴れ晴れとしている様子。
2位 【せせらぎ】 浅瀬に水が流れる音。小さな流れの音。
3位 【恐れ入ります】 すみませんの丁寧語。感謝の気持ち、申し訳ないと思う気持ち。
4位 【泪に沈む】(なみだにしずむ) ひどく泣いて、嘆き悲しむ。
5位 【心を寄せる人】 好きな人。好意を持った人。
「心を寄せる人」という言葉を選んだ人に理由を聞いてみると、「好きな人がいる」というストレートな言葉より心の中の思いが深いように感じられる。愛する気持ちをあたためているように感じる。優しくあたたかい気持ちが伝わってくるなどという答えが返ってきて驚きました。感性の豊かな生徒さん達です。
〇提示したその他の大和言葉
・心待ちにする ・思いのほか ・このうえなく ・お手すきのときに ・胸を打つ
・おもてなす ・胸にしみる ・面影 ・心配り ・あけぼの ・暮れなずむ
・宵の口 ・うららか ・心ばかり ・奥ゆかしい ・おおらか ・懐が深い
・心を同じくする ・恐れ入ります ・星月夜 ・思い初める ・馴れ初め
大和言葉は、古来から伝わる日本固有の言葉です。かつては和歌や雅語(平安時代に使用された洗練された上品で優雅な言葉)を指していましたが、今は漢語、外来語ではない言葉を指すようになりました。
響きがやわらかく耳なじみがよい大和言葉は、堅苦しさを感じさせない丁寧さと品の良さがあります。また、例えば「感動」という漢語が「胸を打つ」「胸にしみる」「心に響く」などに置き換えられるように、様々な言葉で表現することができます。
豊富な語彙で自分の心を豊かに表現するために、これからも積極的に大和言葉に触れ「美しい日本語」を習得していってほしいと思います。
本日は地震を想定した、防災・避難訓練を行いました。今回は地震発生時に、すぐに机の下にもぐるなどの安全確保行動をとることを確認しました。生徒たちは訓練放送を聞き、落ち着いて敏速に行動できました。
● BCA土曜学校のコラムVol.61●
「言葉を豊かに」
美しい緑とさわやかな風、ベルビューは夏に向かうとてもよい季節を迎えています。
鳥の囀りが聞こえる朝、夜8時を過ぎても沈まない太陽、キラキラ光る湖面、どこにいても素敵な時間が過ごせる6月です。
小学部の5年生と基礎国語で漢字の成り立ちについて学習しました。
今から3千年以上も前に中国で生まれた漢字を、アメリカの皆さんが学ぶことはとてもすごいことだと改めて感じています。
鳥が鳴くの「鳴」は「口」と「鳥」を組み合わせてできた漢字です。二つの字を組み合わせて新しい意味を表しています。
鳥は鳴くことでメッセージを伝えています。鳴くのはオスで、縄張りを宣言したり、仲間に危険を知らせたり餌があることを知らせたり、求愛のためにメスを呼んだりしているのだそうです。
鳥や獣や虫は「鳴く」と表記するのに対して、人間の行為は「泣く」と書きます。
泣くの「泣」は、流れる水と手足を広げて立つ人を組み合わせてできた漢字です。涙がじわっと出てくる感覚は、喜怒哀楽の感情を持つ人間だけがもつものです。
「喜」は、よいことに出会って非常に満足し嬉しく楽しく快い気持ち。
「怒」は、不満・不快なことがあって、がまんできない腹立たしい気持ち。
「哀」は、胸がつまるように切なく、心が痛んで泣けてくるような気持ち。
「楽」は、心が満ち足りて,うきうきするような明るく愉快な気持ち。
人は嬉しい時も、腹が立つ時も、悲しい時も、楽しい時も涙を流して「泣」きます。
哀泣(あいきゅう) 感泣(かんきゅう) 泣顔(なきがお) 泣言(なきごと)
泣虫(なきむし) 号泣(ごうきゅう) 啼泣(ていきゅう) 泣上戸(なきじょうご) 泣別れ(なきわかれ) 泣落し(なきおとし) 男泣き(おとこなき)半泣き(はんなき)
泣叫ぶ(なきさけぶ) 泣付く(なきつく) 泣伏す(なきふす) 泣尽す(なきつくす) 悔し泣き(くやしなき) 泣寝入り(なきねいり) 人泣かせ(ひとなかせ)
忍び泣き(しのびなき) 嬉し泣き(うれしなき) 泣明かす(なきあかす)
泣崩れる(なきくずれる)など
「泣」を含む言葉だけでもたくさんあります。
自分の気持ちをできるだけ的確に相手に伝えられるように語彙を増やして、私たち人間だけが持つ言葉で、人間だけがもつ感情を、豊かに表現できるようにしていきたいですね。
皆さんはどこでどのような夏休みを過ごすのでしょうか。
夏に五感で感じたことを、自分の言葉で表現してみてください。きっと想像力が膨らみ、言葉のイメージが広がることと思います。
では、よい夏休みを。
●6月8日の土曜学校●
本日の土曜学校幼稚部では、父の日の工作が行なわれました。
アメリカでも日本でも『父の日』は6月の第3日曜日に行われます。家族の為に一生懸命頑張っている
お父さんに、日頃はなかなか伝える事のできない感謝の気持ちを込めました。
帰りの会では、沖縄県人会かりゆし会をお迎えし、普段は見る機会がない三線(さんしん)という楽器と沖縄民謡の紹介や歌あそびの体験会が行われました。子供たちにとってとても貴重な時間となりました。
今日で一学期最後の土曜学校。これから長い夏休みに入ります。夏休みへ向けてしっかりした心構えを持ち、上手に過ごすことによって子供たちの心も体も一回り大きく成長します。
また『毎日、自分で起きる』『カタカナを覚える』『一学期に習った漢字を全部覚える』など生活、学習の目当てといった目標を立てましょう。責任感、積極性、自分に対する自信、持続力が育ち、やり遂げたという達成感を感じることは子供達にとって大きな財産になります。
9月7日(土)から2学期が始まります。一回り成長し、たくましくなった元気な子供たちに会えるのを楽しみにしています。
● BCA土曜学校のコラムVol.60●
「ひく」
四年生の一学期最後の授業は「いろいろな意味をもつ言葉」の学習でした。担任の先生が、とても楽しい授業だったと様子を教えてくださいました。
この時間は、いろいろな意味をもつ言葉に興味を持つことを目標に、川崎洋さんの「とる」という詩を読むところからスタートしました。
はっけよい すもうとる こんにちは ぼうしとる てんどんの でまえとる
セーターの ごみをとる のらねこの しゃしんとる
それぞれの「とる」の意味を学んだあと、この詩の続きを示し
かんごふさん 〇〇〇をとる おはなみの 〇〇〇をとる 〇〇〇の しきをとる
たんじょうび 〇〇をとる リリリリリ 受話器とる
丸の中に入る言葉を自由に考えました。そして最後に作者の詩の言葉を確認しました。
この後、辞書を使って「とる」という言葉にはいろいろな意味があることを学習し、次は「とる」と同じパターンで、「ひく」で終わる文を考えました。そして、一人ひとりが考えた文を合わせてクラスの詩が出来上がりました。
◇Aクラスの詩
りょう理に使う 牛肉をひく 算数で 4から1をひく
大すきな カードをひく フライパンに 油をひく
あのこ子はみんなの 注意ひく つるつるつるつる ひもをひく
お兄さんが ギターひく おうちに 電話をひく
ぐちゃぐちゃの くじをひく んーせーの つなをひく
のこぎりで 木の板をひく
◇Bクラスの詩
辞書を使って 言葉ひく やさしく バイオリンをひく
かみの毛の バンドひく おうちに 水道をひく
魚の あみをひく やった! カメをひく
ドレミファソ 楽きひく よいしょよいしょ つなをひく
ビリビリビリ 電池ひく あったあった 意味をひく
気をつけて いすをひく わくわくわく カードひく
クラスのみんなで作った詩、とても素敵です。子ども達の感性と生活の様子が伝わってきます。
この後の意味の確認や問題作りもとても意欲的に取り組んだとのことです。
今年度、BCAでは主体的・対話的で深い学びの視点から授業改善を目指したカリキュラムを目指しています。
言葉遊びの楽しさから言葉に興味を持った4年生の皆さんの言葉の世界が、これからどんどん広がりそうでとても楽しみです。
イラストは、BCA長友裕子先生の作品です。
(子ども達の作品は、読みやすいように一部修正してあります。)
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