BCA土曜学校 ブログ
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4月13日
3月23日
BCA土曜学校のコラムVol.55 ~ おめでとう ~
3月で年度がかわる日本では、入学試験や就職試験の合格発表や卒業・進級の時期で、たくさんの「おめでとう」が行き交っています。
喜びごとや祝いごとや成功したこと、また勝利を得たことや新年を祝う言葉「おめでとう」は、日本の素敵なあいさつ言葉だと思います。
「おめでとう」は、形容詞「めでたい」の連用形「めでたく」が「めでたう(めでとう)」とウ音便化した語で、「お」は丁寧の意を表す接頭語です。
丁寧な言い方をする場合には下に「ございます」「存じます」をつけます。
表記は、「御目出度う」「御芽出度う」と書き、目・芽が出ることが喜ばしいという説が一般的ですが、お赤飯のかわりに出産や結婚などのお祝いのお菓子としてふるまった「御目出糖」というおもしろい説もありました。
また、形容詞「めでたい」は動詞「愛(め)でる」の連用形「愛(め)で」に、程度が甚だしいの意味の形容詞「甚(いた)し」が付いた「愛で甚し(めでいたし)」」が変化した語ともいわれています。
「愛(め)でる」は、心が惹かれ、素晴らしいと思ったり感心したりすること。
「甚(いた)し」は、程度がとても大きく、水準以上であること。
この二つを組み合わせて、対象に心惹かれ愛したり感動したりする気持ちがこれ以上になく高まっているという意味を持つのです。「愛(め)でる」もとても美しい日本語だと思います。
「おめでとう」は相手に対して言う言葉ですが、相手に喜ばしい出来事があり、その人が喜んでいる姿を見ると自分も心惹かれて幸せな気持ちになりますよね。
「おめでとう」は、相手も自分もそれを聞く周りもHappy になれる言葉。
今週は、BCA土曜学校の卒業式・終業式です。
当日は、心のこもった「おめでとう」と明るい笑顔が校舎にあふれることと思います。
BCA土曜学校の皆さん、卒園・卒業・終業、心からおめでとうございます。
BCA土曜学校のコラムVol.54 ~ 大志~
基礎国語で、書写の学習を行いました。初めての手本は、楷書の「大志」です。
生徒さん達は、始筆・送筆・終筆のリズムと線の太さを筆圧で調整する筆づかいや、中心と点画の組み立て方を意識しながら練習したことで、短時間で持っている力が引き出されました。
左が初めて書いた字、右が学習後の清書です。
「大志」は、「大」きい「志」と書きます。
「志」は、「士」と「心」からできています。「士」は武士の士と同じ形ですが士(さむらい)ではなく、「之く(ゆく)」の略字で、足と出発を表し今いるところから一歩踏み出して行くという意味を表しています。
「心」は、心臓の象形です。心臓は、生命の根源であるとともに思考する場所であるとも考えられてきました。
ですから「志」は、心の之く(ゆく)方向、心の向かうところ、ある方向を目指す気持ち、人生におけるその人の到達目標という意味を持つのです。また、心で思っていることと足の向きが一致してることつまり、心と行動が伴うことと解釈する場合もあるようです。
「志」を含む二字熟語はたくさんあります。
〇志願(自発的に申し出ること。)
〇同志(志を同じように持っている者。)
〇意志(確固として持ち続ける意図や目的。)
〇志向(野心的な計画・非常に高いゴールを持つこと。)
〇士気(物事をしようとする気持ち。)
〇志望(成功に対する願望・大事にしている願望。)等々。
そして、大きな志、将来に対する大きな希望「大志」。
「Boys be ambitious」「少年よ大志をいだけ」というクラーク博士の言葉はあまりにも有名ですね。
土曜学校で日本語を学んでいる皆さんは、将来なんらかの形でアメリカと日本をつなぐ人になるはずです。
心が指し示す方向に一歩一歩足を踏み出して、大きな「志」に向かっていってほしいと思います。
3月2日
BCA土曜学校のコラムVol.53 〜雪の季節〜
天気予報の雪マークは表示されなくなりましたが、奥まった場所や道路わきにはまだ雪が残っているところがありますね。
前回の「雪」に続いて、今回は「雪の季語」について触れたいと思います。
雪は「雪月花」のひとつとして昔から愛でられてきました。俳句に用いられる季語もたくさんあります。
例えば「六花」、むつのははなと読みます。雪の結晶の多くが六角形であることからついた言葉です。「雪の花(ゆきのはな)」「雪華(せっか」「雪片(せっぺん)」なども美しい言葉ですね。
その他、・雪催い(ゆきもよい)今にも雪が降りだしそうな空もよう。
・雪ばれ(ゆきばれ)雪がやんで空が晴れる。・風花(かざはな)晴天にちらつく雪。
・しずれ雪(すずれゆき)屋根や木の枝から落ちてくる雪。
・暮雪(ぼせつ)夕暮れに降る雪。夕暮れの雪景色。などなど趣を感じる季語が多くあり
歳時記を見るのがとても楽しいです。
基礎国語の皆さんに「雪の季語」を紹介して、一句詠んでもらいました。いくつか紹介します。
〇六花(むつのはな) 舌にそうっと 溶けていく
〇こな雪や 手袋におちる 六花(むつのはな)
〇暮雪かな 青黄まじる 美しさ
〇粉雪が 空から落ちる 草の上
〇ひきこもり 雪にかこまれ テレビ見る
〇雪だるま 父と一緒に 心あったか
〇雪散歩 犬の足跡 ついていく
〇蜘蛛の巣に くっつき踊る 六花(むつのはな)
感性の豊かさが伝わってくる素敵な俳句に、気持ちが和みました。
これからは、・雪残る(ゆきのこる)春になっても冬の雪が消えずにあるもの。
・牡丹雪(ぼたんゆき)早春に降る水分の多いふわふわした雪。雪代(ゆきしろ)雪解けの水など、春の季語としての雪を使う季節になります。
2月23日
2月16日
暦の上で春がはじまる「立春」の季節に空を見上げるのは健康に良いという意味から、
ぜひご家族でもお楽しみください。
BCA土曜学校のコラムVol.52 〜雪〜
暖かい冬で過ごしやすいと思っていたら、節分すぎに雪が降りBCA土曜学校も休校となりました。ほとんどの車が普通タイヤのベルビューでは、道路に雪が積もると子供たちの安全のために学校が閉鎖されます。
「雪」は白くてふわふわしていて、天から降ってくる宝石のようなきれいなイメージですが、大人の私たちは生活に影響がでると厄介なものに感じてしまいます。
テレビでは、雪だるまを作ったり坂でそり滑りをしている様子が流れていました。土曜学校の皆さんも、長く降り続いた「雪」を楽しんだのでしょうか。
「雪」の語源は、「神聖であること」「いみ清めること」を意味する「斎(ゆ)」に、「潔白(きよき)の「き」なのだそうです。
「雪」は雨かんむりの下に「ヨ」と書きます。この「ヨ」は、旧字体の「彗」の上の部分がなくなった形です。「彗」は、「ほうき」と読みます。つまり、ほうきで掃いてしまえる雨が「雪」なのです。
昔の人は、「雪」であたり一面が真っ白になった様子を見て、神様が世の中を掃除して、掃き清めてくれたようだと感じて「彗(ほうき)」という字を当てたのでしょうか。
空から雪片が舞い落ちる形、甲骨文字によるとその雪片は羽のような形のようにも見え、また小枝などに付着している形のものもあると言われています。
全てをまっ白に包んで清めてくれる「雪」、空から降ったものをほうきで掃く様に清めめてくれる「雪」と考えると、なんだか神秘的な感じがしますね。
「雪」を言い表す言葉はたくさんあります。雪の種類から少し紹介します。
・淡雪(あわゆき) うっすらと積もった雪
・回雪(かいせつ) 雪が風に舞っていること
・風花(かざはな) 風に乗ってきた雪
・冠雪(かむりゆき) 物の上にかぶさるように積もった雪
・銀雪(ぎんせつ) 銀色に輝いている雪
・残雪(ざんせつ) 消え残った雪 春になっても消えないでいる雪
・垂雪(しずりゆき) 木の枝などから雪が滑り落ちること
・終雪(しゅうせつ) その冬の最後に降った雪
・新雪(しんせつ) 新しく降り積もった雪
・瑞雪(ずいせつ) めでたい予兆の雪
・晴雪(せいせつ) 雪が降ったあとの晴天のこと
・名残雪(なごりゆき) その冬の最後に降る雪
・俄雪 (にわかゆき) 短時間で降りやむ驟雪のこと
・暮雪(ぼせつ) 夕暮れに降る雪
・雪雲(ゆきぐもり) 雪が降りそうな灰色の雲がある冬の天候
自然に寄り添って生活している中から生まれたきれいな言葉ばかりです。昔の人たちがどのように「雪」と接してきたのかが伝わってきますね。