● BCA土曜学校のコラムVol.69●
令
日本では、12月12日に今年の漢字「令」が公表されました。これは、日本漢字能力検定協会が、その年をイメージする漢字を公募し、最も応募数が多かった一字を選び12日の「漢字の日」に京都の清水寺で発表するものです。
NHKのニュースでは、「令」が選ばれた理由として、新しい元号の「令」和に明るい時代を願う国民の思いが集約されたという協会からのメッセージを報じていました。
「令」という漢字は、頭の上に頂く冠「亼」と、ひざまずく人「卩」からできている会意文字で、人がひざまずいて頭を垂れ神様の声を聞いている様子を表し、そこから「命ずる」「いいつける」などの意味を持つようになったと考えられています。
他にも様々な意味を持つ漢字ですが、大きくまとめると、神によって与えられた権威のまえに多くの人がひざまずいて聞き従うという意味と、「令」という言葉自体が持つ神聖で美しいというイメージから、「立派」「美しい」「良い」という意味も加わったということのようです。
これらをふまえて考えると「令」のつく熟語もなるほどと思えます。
「令」のつく二字熟語から
・政令(せいれい) 政治上の法令や命令。
・指令(しれい) 指揮や命令をすること。
・令月(れいげつ) よい月。美しい月
・令姿 (れいし) 女性や風景などの美しい姿。
「令」のつく四字熟語
・至上命令(しじょうめいれい) 絶対に服従しなければならない命令。
・朝令暮改(ちょうれいぼかい) 朝出した命令を夕方には改めること。
・社交辞令(しゃこうじれい) うまくつき合うための礼儀的なほめ言葉や挨拶。
・巧言令色(こうげんれいしょく) うわべだけ愛想よくとりつくろうこと。
一つの漢字から広げて見る言葉もなかかな面白いものです。
「令」のつく言葉はまだまだありますので是非調べてみて欲しいと思います。
BCA土曜学校では、準会場とて年に2回日本漢字能力検定協会の漢字検定を実施しています。児童生徒の皆さんはもちろん保護者の皆様にも受検して頂いています。
次回は2月16日です。興味のある方には是非チャレンジして下さい。
新年号の「令和元年」もまもなく終わります。
新しい年2020年がどのような年になるか、一年後にどんな漢字が選ばれるのか楽しみです。
みなさまにとって素晴らしい年となりますように・・・。
給食のはじめの5分「もぐもぐタイム」を活用して、食育指導を行っています。
みんなが実際に給食で食べている食材や献立を解説することにより、食への関心がより一層深まるようです。食育クイズにもたくさんの手が挙がるようになりました。
● BCA土曜学校のコラムVol.68●
マタギ
BCA2で行われたシアトル熱中オープンハウスで、奥会津の「マタギ」猪俣昭夫さんの講演がありました。
「マタギ」とは、東北地方・北海道から北関東・甲信越地方にかけての山岳地帯で熊やシカなどの獲物を獲ることを生業とする猟師のことです。
「マタギ」の語源は、
①アイヌ語の「マタンギ」「マタンギトノ」が訛ったという説。
②山をまたいで歩く「マタグ」からきたという説。
③「マタハギ」お釈迦様が木の下で瞑想し悟りをひらいた木「もあだ」からとれる強い繊 維を身に着けていたという説。
⑤山に住む鬼よりも強いという意味で「又鬼」からきたという説。
など様々あります。
猪俣氏は、奥会津で自然との共生を考えている「マタギ」です。
食べ物だけでなく、空気や川のせせらぎや鳥のさえずり、草の匂い等々
五感で感じるもの全てを栄養として「命」と向き合ってこられた本物のマタギからのメッセージにはずっしりとした重みがありました。
「熊はすごい能力を持っている。」と語る声からは、
熊の生態を熟知し、熊を敬愛していることが伝わってきました。
「熊と対峙する時は、自分の命を見、自分の命を感じる。」
「自分の強さや弱さ、限界を感じることができる。」
「自然は、熊とミツバチが保っている。そして、マタギが熊を打って熊を生かしている。」
「狼が絶滅し自然の生態系が変わった。マタギは狼のかわりをしているのだ。」
「獲物の命をとることで、全ての命が自然に生かされていることを知らされる。」
これらは、自分の生き方に誇りを持っておられる言葉でした。
「人間は皆、強さを持っているのに、あきらめて強さを出さずに生きている人が多い。」
自然に接する機会がない人ほど、心があらぶっているという現代人への指摘も頷けるものでした。
「マタギ」という職業を通して自然に触れてきた本物から伝えられる言葉には説得力があり、心に響きます。
人間のために自然を利用する時代はもう終わりにしなければなりません。地球には多くの生物存在しています。それらすべての存在に意味があり人間も自然の一部として生かされていること。命の重みと、動植物とともによりよく共存することの大切さを考えさせられた時間でした。
本日、保護者会主催のベイクセールが行われました。
各家庭から協力していただき、プロ顔負けの力作お菓子が集まりました。
毎年大盛況のベイクセールはみなさんが心待ちにする年間行事の一つになっています。
ご協力いただいた皆様ならびに、保護者会の皆様、ありがとうございました。
● BCA土曜学校のコラムVol.67●
敬語
小学部5年生と6年生、中高部国語2で「敬語」の学習をしました。
「敬語」とは話し手の敬意を表す言葉です。「敬意」とは敬う気持ち。「敬う」とは自分より目上の人を、大切にしようとする気持ちを表します。
「敬」は、「苟」と「攴」組み合わせた会意文字です。羊と角と人と口を合わせた字で、人が羊の角に触れて、はっと驚いて気持ちを引き締める様子を示したことから、人や物事に対してそのような気持ちで接することを表すようになり、礼を持って人と接するという意味で使われるようになったと言われています。
授業では、相手を高めて敬意を表す尊敬語、自分を下げることで相手を高める謙譲語、「です」「ます」「ございます」をつける丁寧語について、具体的な例を示しながら学習しました。
アメリカで育った生徒さん達に、日本の敬語をどのように思ったのか、5年生、6年生の先生方にも聞いてもらいました。
<5年生>
・敬語は、相手を上げるという日本の文化・伝統を守るために必要だ。
・偉い人と年上の人にリスペクトを表すためにできたのだと思う。
・敬語を使わないと、勉強をしていない・教養がない子どもだと思われてしまう。
・丁寧にしゃべると気持ちがいい。
<6年生>
・先生とか年が上の人を尊敬している感じが伝わる。
・もしなかったら人間関係がうまくいかない。
・勉強しなければ感じなかったが、ない社会もフレンドリーで平等でいいと思う。
<国語2>
・日本には、年上の人を大事にするという考えが今でもあり、その考えをみんなで守って いる。社会の中で上手に生きていくため、トラブルをさけるために必要。
・敬語をつかうと優しい気持ちになり、相手も優しい気持ちを返してくれる。会話する人 もまわりで聞いている人も、気持ちよくなる。
・礼儀正しくすると、相手に認めてもらえる。つまり、自分のためになる。
・初めて会う人や目上の人に「敵意はありません」と話しながら表せるので、とても便利 で日本の社会に必須なんだと思う。
これから外では、お父さんお母さんではなく「父」「母」を使うようにしたい。ボランンティアの終わりには「お先に失礼します。」と言うようにしたい等、学習を実生活に生かそうとする声も聞こえてきました。
良好な人間関係を築くためには相手の人格を尊重することが大切であること、美しい言葉は話し手の品位を保つこと、そしてそれは自分自身が得をすると感じたこと、また英語の良さに気づけたこと、素晴らしいと感じました。
言葉は時代とともに変化しています。敬語も、年下の方が上司だったりする社会で人間関係の在り方の変化に応じて変わってきています。でも、相手を大切に思う気持ちさえあればどこの国でもどのような場にいても、距離感を持って上手に話ができると改めて思えた時間でした。
BCA土曜学校の食育の一環、給食の時間です。みんなで食事をすることで、楽しい雰囲気を実際に体験したり、給食当番をすることで、給食の準備や片付けなど食事をすることの大切さを学びます。
1年生、単元「くじらぐも」の授業です。みんなでくじらぐもにのって一緒に空を泳いでみよう!楽しんで想像を膨らませます。
本日より、全学年で保護者懇談会も始まりました。中高部の懇談会は希望者のみサインアップ制で行われています。
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● BCA土曜学校のコラムVol.66●
ハロウィン
ハロウィンは、アメリカの子ども達が楽しみにしているイベントの一つです。
BCAでは、思い思いの衣装で登校した子ども達の笑顔があふれる一日でした。クラスごとの記念撮影に保護者の皆様がたくさん来校され、お子様の仮装した姿をカメラにおさめておられる様子がとても印象的でした。先生方もオフィス職員も、今年のテーマ「クレヨン」仮装で参加しました。
家に帰り、近所の家々を「Trick or treat. 」と言ってチョコレートやあめをもらって回るのはもちろん、ジャック・オー・ランタンを作るために、カボチャの中身をくりぬいたり今年の仮装を考えたりするのもとても楽しいのだと、土曜学校の生徒さんが教えてくれました。
もともとは古代ケルト人がはじめたお祭で、秋の収穫を祝い悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事だったということです。今は祝祭本来の意味はほとんどなくなっていますが、家族で、地域で、そして学校でみんなが楽しむ子ども達のための年中行事というのがアメリカのハロウィンです。
日本では、最近若者達が仮装を楽しむために夜の街で遊ぶイベントとなっているようで、渋谷センター街で開催されたハロウィンイベントに、渋谷区が1億円かけて警備にあたったというニュースが流れていました。迷惑行為が問題となり、数百人規模の警察官を配置して警戒にあたる夜が、日本の、渋谷のハロウィンだとすると悲しい気持ちになります。
言葉は国の歴史や文化に根ざしているとは、このようなことをさすのでしょうか。
私も、子ども達の様子をこの目で見て、楽しんでいる雰囲気を肌で感じて本物のハロウィンの意味がわかりました。
言葉の根底にあるものを知ることが、本当の言葉の意味を理解することにつながることを改めて感じています。
「ハロウィン」という言葉を、この時期の季語として自然に使える子どもさん達との出会いをありがたく思っています。
柔道女子オリンピックメダリストの中村美里選手が土曜学校を訪問してくださいました。ご自身が学生だった頃に、夢が目標に変わった瞬間のエピソードはとても心に響くものでした。
大外刈、小外刈などの得意技や大技の背負投などのダイナムッキなデモンストレーションでは生徒から大きな歓声が湧き上がりました。
質問コーナーでは生徒から様々な質問が飛び交い、中村選手と親睦を深めました。
● BCA土曜学校のコラムVol.65●
写真で俳句
秋も深まり、風も冷たくなってきました。色とりどりの葉が風とともに舞う様子や木の下に落ち葉が重なる様子はとても美しい秋の風景です。
BCA2の駐車場の真っ赤な紅葉や落ち葉もとても鮮やかです。今年も紅葉は見事な赤をまとい、落ち葉は落ちるのがもったいないほどの美しい色を見せています。写真を撮りながら眺めていると、校長先生が、「ベルビューは秋が一番きれいなのよ。山の紅葉より、町の紅葉がきれい。」と声をかけて下さいました。
「写真からどんな言葉が出てくるかしら。」というお話を聞いて、基礎国語で写真俳句の授業をしてみました。
はじめに森村誠一さんの写真文章俳句から数点の写真と俳句を紹介しました。難しい言葉もありましたが、何がどのように映っているか、森村さんは何を感じているかを確認しながらスライドをめくりゴールをイメージしてもらいました。
次にお題の写真を提示し、写真から言葉見つけです。
「赤、緑、ピンク、白、緑、紅葉、葉っぱ、木、空、コンクリート、灰色、草」
五感を働かせて、聞こえる音や匂い触れているものも想像してみましょうと話すと、
「サクサク、ポロポロ、ひらひら、ヒュー、ピーピー-、風の音、冷たい、あったかい色、色がみみたい、赤の絵の具、オレンジの絵の具、色がいっぱい、赤が燃える、緑の草、白い空、空が画用紙、絵みたい、じゅうたんみたい、ああ秋、きれいな秋、葉っぱが落ちる、寒そう、寒い絵、明るい、嬉しくなる」などの言葉が出てきました。
写真を見て浮かんだ言葉と感じたことを組み合わせて5・7・5の型に入れてもらいました。
○オレンジと 赤の絵の具 キャンパスに
○寒い日に 赤が燃えそう 空に映え
○秋の葉は あったかい色に なっていく
○赤いもみじ ポロポロ落ちる 色紙みたいに
○冷たい朝 風が落ち葉を 持ち上げる
○赤い木に ピーピー鳴る葉 もみじかな
知っている日本語をしぼりだして一生懸命考えたそれぞれの一句です。
これを機会に、自然にふれて言葉を広げる楽しさを知ってもらえれば嬉しいです。
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