最後の吊り橋を渡って、
しばらく歩くと登山道の出入り口があった。
外に飛び出すと、
森が切れて視界がパッと開けた。
いよいよ現実の世界へ舞い戻ってきたというわけだ。
「奈良田温泉」に浸かるには、
40分道路を歩かなければならない。
帰る電車の時間を考えると、
あまりのんびりも出来ない・・・。
少しの休憩の後、
「奈良田温泉」に向かって歩き出す。
舗装された道路を歩いていると、
もうまったく山の雰囲気はない・・・。
もちろん都会に比べれば、
まだまだ緑豊かな場所であることにはかわりがない。
しかし、ついさっきまでの山の世界が、
すでに遠くなったような気がした!!
今、歩いている空気感が、
山道を歩いている時と、
あまりに差が大きいということだろう・・・。
温泉に近づくにつれてますます距離感が出てきた。
と同時にまた登ろうという気持ちがわいてくる。
きりがない堂々巡りだ・・・。
「大門沢下降点」を後にして、
いよいよ下りの急坂に入った。
はるか下を見ると、
下るべき沢が見える。
いよいよ南アルプス屈指の縦走路。
「白峰三山」ともお別れだ・・・。
右ひざは踏み込むごとに痛みが走った。
しかし、下らないことには、
「奈良田温泉」の湯船に身を沈めることは出来ない。
やはり山の帰りは温泉だ。
これを省略しては山を登る意味の半分はナシになってしまう。
それだけはなんとしても避けたい・・・!!
今日の帰り・・・。
ものすごい雨に遭遇した。
バケツをひっくり返したというより、
風呂桶をひっくり返したという規模だ。
こんなにいっぺんに降ってしまって大丈夫なのか・・・。
道路が川のごとく濁流になっている。
秋雨前線の影響だと思うが、
台風でもないのにこの降り方は異常だ。
これで台風が来て直撃したらどうなるのだろうか・・・。
地盤は緩みきっている。
川の水位はすでに限界ぎりぎりだ・・・。
テレビで水害の報道をしているが、
被害は今の何倍にも膨らむだろう。
今日お会いした人が、
シンガポールの雨の降り方とそっくりだと言っていた。
日本もいよいよ熱帯性の気候になりきったということだ。
温暖化という自然の変化が、
具体的に人間に襲いかかっているのではないだろうか・・・。
怖いぐらいの勢いで降る雨の中歩いていて、
温暖化がより具体的な形になって、
日本全国にその猛威をふるってきたような気がした・・・。
本題に入る前に「白峰三山」をどう読むか・・・。
読み方が分からんという方のために、
正式な呼び方を書いておきます。
「しらねさんざん」と読みます。
北岳、間ノ岳、農鳥岳の三山をさしての呼び名です。
ついに下りの起点「大門沢下降点」を目指す。
「農鳥岳」のからの「北岳」の優美な姿に別れを告げて、
「白峰三山」から地上への下降点となる、
「大門沢下降点」へ出発。
「大門沢」の下りは6時間・・・。
膝の痛みはすでにあきらめて、
とにかく「奈良田温泉」を目指して降りなければならない。
帰りの時間を考えるとのんびりはしてられない・・・。
O隊長の「3:30までに「奈良田温泉」に着きましょう!!」
温泉でもゆっくりはしてられない時間だ・・・。
恐怖の雷雨から一夜明けると山の空は快晴だった・・・。
朝焼けが眩しい・・・。
昨日の大荒れの空がうそのようだ。
変わりやすい山の空そのものだ・・・。
朝焼けの中を「農鳥岳」へ出発した。
昼食を済ませて少し休憩。
しかし、天気がどんどん悪くなってくる。
太陽が出ていると昼寝タイムもありだが、
どうもそんな天気の状態ではない・・・。
昼食で出した荷物をザックに片付けると、
記念撮影・・・。
「農鳥小屋」に向かって歩き出した。
「間ノ岳」から「農鳥小屋」まで、
一時間の歩程だ。
ゆっくり歩いても小屋で、
十分昼寝の出来る余裕のあるコースタイムだ。
しかし、天気はどんどん悪いほうへと傾いていく・・・。
雨も降ったり止んだりだが、
雨脚は確実に強くなってくる。
そのうちに雨がヒョウに変わっていることに気がついた。
しかし、雨よりむしろヒョウのほうが始末は良い。
雨だとかなりぬれるが、
ヒョウだとそれほどダイレクトにはぬれないですむ。
しかし、悪いことに遠くで雷の音が聞こえだした。
山の雨は特になんでもないが、
雷、これは恐怖だ!!
雷に対しては草木のない稜線ではまったく無防備になる。
いつ誰におちてもおかしくない状態になる・・・。
それでもまだ遠くに聞こえてるだけだ・・・。
楽観的な気分とはまったく裏腹に、
雷はどんどんこちらに近づいてくる。
近づきだすと早い!!
稲光とともに雷鳴がとどろき始める。
北岳山荘を出発して、
40〜50分で「中白峰」に到着。
山頂の手前で人影を見つけ、
もうすぐそこだなと勇んで歩くが、
実際はなかなか到着しない。
山の七不思議というか、
もう目の前に目標が見えてるにもかかわらず、
目視の距離よりはるかに時間がかかる・・・。
そんなことだろうと、
長年の経験で分かってはいるが、
まあ登りからは早く開放されたいという気持ちがあるから、
気持ちは焦る・・・。
北岳山頂での至福のひと時を過ごし、
いよいよ「濃鳥小屋」を目指して下ることになった。
目前の巨大な山塊「間ノ岳」を目指して下り始める。
岩のガレた若干緊張させられる登山道を、
慎重に下る・・・。
下手に足を引っ掛けて転べば大怪我になる。
落ちればこの世とさよならとなる・・・。
前回から少し間が開いてしまった。
なんだかパソコンの不調、
いろいろ仕事に追われて中断してしまった。
その間にいっきに秋めいたり、
先を急がないと、
夏はとっくに記憶の外となりかねない雰囲気・・・。
前回ご来光を紹介したと思います。
そこから「肩の小屋」を出発して、
天下の高度第二位の「北岳」を目指します。
頂上を目指して一気に高度を上げます。
一息ついて下を振り返ると、
もう「肩の小屋」の青い屋根が小さくなっている。
朝起きたとき頭の芯が痛んだ。
軽い高山病の症状だ。
登るほどに痛みはきりきり痛んでくる。
こういうときは無理をせず持参の薬を飲む・・・。
3000メートルを超えてくるとどうしても若干頭痛がする。
まあ、これ以上ひどくならなければ大丈夫だ。
vistaの再セットアプ完了・・・。
昨夜から寝不足気味・・・。
とりあえず半年で三回の初期化を乗り越えて、
何とか使える状態にまで戻しました。
どうも機械との相性があまり良くなさそうです。
こればかりは買ってみないとわからないので、
どうしようもないですね・・・。
マイリマシタ(泣!・・・(;一_一)
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