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投稿日 2011-04-17 21:27
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
中国・香港・台湾をはじめ、華僑社会で「武侠小説家」として人気のある著者です。本書はタイトルの作品をを含む3篇の中編からなっており、他には『白馬は西風にいななく』と『鴛鴦刀(えんおうとう)』が納められています。どれも広大な中国大陸を舞台として、歴史的背景は要素的に薄いのですが、薄幸のヒロインのせつない...
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投稿日 2011-04-16 21:29
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
著者は、故郷の山口市内において2010年1月に亡くなられています。<香菜里屋>シリーズとしては本書を持って完結編となり、ビアバー「香菜里屋」を舞台に連作短篇の形式で5編と、未完となった『双獣記』が収録されています。それぞれが独立した安楽探偵よろしくビアバーのカウンターの中で<工藤>マスターを中心に謎...
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投稿日 2011-04-15 21:27
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
1998年12月に出版された 『百人一首の呪』 をスタートに、<QEDシリーズ>は本書で14冊目になります。数学の証明の末尾に記載されるのが「Q.E.D.」の文字は、「quod erat demonstrandum」の略称で、「以上が証明されるべきだった」、つまり「証明終了」の意味を持っています。あとがきからすると、本書は本来の主人公<桑原崇(タタル)>の学生時代を舞台として、各作品に登場する<棚旗奈々>や<小松崎良平>・<御名形史紋>達との関連が、「春・夏・秋・冬」という4章から構成され、4つの殺人事件を絡ませてよくわかる連作短篇に仕上げられています。古典の引用・歴史の解釈・神社仏閣のいわれ...
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投稿日 2011-04-10 19:14
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
なんとなく、『思いわずらうことなく愉しき生きよ』というタイトルが気に入り読み始めたのですが、珍しく途中でギブアップしてしまいました。江國香織さんの本を読むのは初めてで、どのような作品の系統なのかも知りませんでした。常時枕元には何冊かの本を置いてあるのですが、新しい本もなくなり、仕方なしにギブアップし...
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投稿日 2011-04-05 21:34
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
主人公<横山栞>は28歳、東京・谷中でアンティークの着物店を営み、4年が過ぎました。過去にフォートジャーナリストを目指した高校の同級生の<岡田雪道>と付き合っていましたが、ひょんなことから別れ、今は彼も結婚して女の子の父親です。ある日父親と良く似た声をした男性客<木ノ下春一郎>が表われ、お茶会用にと...
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投稿日 2011-04-03 11:22
豆腐日記【毎日豆腐食べてます】
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豆腐
15年前の日記から。1996年 4月24日(水)25:10 今、偶然にNHKの司馬遼太郎の遺産の再放送を見ることができた。彼が未来を担う小学生の教科書に残した言葉。それは人類の普遍的なことはただ一つ。人間は自然の一部であるということ。人間の生きる基本は他人の痛みを分かる優しさを持つということ。そのことだった。その朗読に不思議な感動をおぼえた。難しく考えることはないんだと。また山折哲雄は言っていた。日本人の宗教観。日本人の心の中には超越神というのもがいる。時代時代に外国から輸入した。儒教からは「修養」を仏教からは「無」と「空」をそして西欧社会から「個人主義」を学んだ。それそれが日本人の倫理観を創...
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投稿日 2011-04-02 21:32
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
傭兵の<ジョナサン・イエガー>は難病の息子の治療費のために、高額報酬でコンゴで行われる「汚い仕事」の任務に就くため、他の仲間3人と共に南アフリカで訓練を受け、危険なウイルスに侵されたピグミー族を殺し、<これまで見たこともない生物>を発見した場合は、すぐに抹殺せよとの業務に付きます。この作戦の暗号名に...
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投稿日 2011-04-01 17:40
日々是勉学
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らっち
3月の読書メーター読んだ本の数:6冊読んだページ数:1361ページウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命 (光文社新書)気づき:文字を追っていても、上杉さんの声が聞こえてきそうな文章だった 気になる一文:外交とは、もっとも紳士的な装いを保ちながら、もっとも不道徳な行いをする仕事である読了日:03月30日 著者:上杉隆ラジオの魂気になる一文:人は必ずしも自分が伝えたいものに注目してくれるとは限らないんだ/刷り込まれた価値観から自由になるのはとてもエネルギーが必要なんだと実感しました/チャンスは大事にした方がいい。最初から完璧に出来なくても、やっているうちに必ずできるようになる...
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投稿日 2011-03-31 12:34
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
中学2年生の三つ子の姉を持ち、祖父祖母両親と8人暮らしの<渦原琴子(通称こっこ)>は、小学校3年生です。家族から愛されている<こっこ>は、家族や学校に不満ばかりが募り、「うるさいぼけ」と口が悪く、偏屈な性格ですが、逆に「孤独」に魅力を感じています。<こっこ>の身の回りに起こる学校や家族との出来事を中...
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投稿日 2011-03-29 21:29
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
出羽三山のひとつ、湯殿山の映画ロケ現場から、石棺に入った「ミイラ」が発見された場面から物語は始まります。もともと湯殿山は即身仏で有名な場所として有名ですが、たまたま秋田県出身の女優<月宮蛍>が撮影に同行しており、公民館に安置されていた「ミイラ」が盗難にあい、<月宮>の大学の同窓であり雑誌記者の<冬掛亜里沙>や推理小説作家の<長山作治>らが、現地に出向いていきますが、副監督の<松本>が絞殺死体で発見、事件は思わぬ方向に進み出していきます。単なる殺人事件の謎解きだけに収まらず、即身仏とは? 湯殿山信仰とは? 天明の大飢饉とは? などの歴史的事実をこまめに配置した構成で楽しめました。事件は右に左にと...