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投稿日 2017-04-01 11:32
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
市営野球場の 駐車場から聞こえる 直線の音 遠くを忘れた空 揺れることのない枝 燻んだ空気の色 誰も見ようとしない桜 冷たい裸体 左手を高く掲げる銅像 ベンチに座る男 固まっているカラダ 直線と歪んだ足音だけが やけに響いている 静かにあった存在の迷い 止まらずにはいられない 動くものは怪しいモノ ...
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投稿日 2017-03-31 10:04
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
私の一日はまだ終わっていないが 日をめくる時計 二十四時間では足らない日々の ゆとりが忙しさにくっ付いて めくられてしまう 現実を味わって過ごせる 心のセンスは乏しく 人生のデッサンは線がはみ出し ガクンと落ちて眠りに就く 目覚めれば未練の布団から いざ出陣なんて気合を入れて まだ寒い桜の下 私が冴...
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投稿日 2017-03-29 10:31
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
男兄弟って、そんなものなのか。 父が亡くなる前に病室で兄と会う。十五年ぶりの再会であったが、気まずい理由はなかったはずなのに疎遠であった。痩せていた兄が太っている姿を見て、時の経過を感じた。住んでいるところも車で四十分ほどしか離れていないはずなのに、こんな場所で会うのはなんだか親に申し訳ない気がして...
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投稿日 2017-03-28 10:32
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
暗い心持ちを照らす朝の輝き ふざけてくすぐられているような ちょっと照れくさいけど 嬉しい気持ち わかってくれますか 昨日と今日は一日を過ごしたぶん 私の中で何かが違っているのだろうと 探ってはみるものの 空模様の違いほど はっきりとはしていません とてもごちゃごちゃして 見えているもの 見ようとす...
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投稿日 2017-03-28 07:00
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
今宵も僕のように 上弦の月を指さしながら 何人もの詩人が 幻想の夜空にいるのだろう 生活の糧になる訳でもなく ただ価値観はよく解っていて 月の色を想像せずにはいられない 声を出して笑う楽しみではないが 充実を得る静かな楽しみはある 向き合ってもいないのに 視線を感じてしまう精神から 綺麗なモノが通り...
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投稿日 2017-03-27 10:36
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
揺れて怯える僕に 折り合いを歌わせてくれる 鳥がさえずり 浴して伝えるように鳴いている 想像は涙さえ枯らして 向こう側にいるだろう君から 歌う力をいただいて 僕が自由に寄り添っても 破けることのない 紙面はいつも優しく待っている...
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投稿日 2017-03-26 22:30
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
淋しき夢に涙した まだまだ弱い空の下 流れるもの冷たさに 噛みしめ鳴った悔しさよ 淋しき夢に涙した 肥やし蒔いた空の下 誰が知ろうかこの孤独 押しては返す鼓動の波よ 淋しき夢に涙した まだまだ終わらぬ空の下 誰が笑うかこの孤独 誉れ消し去り躍動の人よ...
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投稿日 2017-03-26 06:48
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
土曜日の仕事は午前までから 週休二日制になって何年経ったろう でもルール通りには行かない 出張したのなら午後は観光だ サラリーマンは気楽な稼業であって欲しい 雨の露天風呂 首までつかり天を仰ぐ 顔だけにぽつんとぽつんと落ちてくる 子どものように口を開け 雨を飲み込んでみたりすり 都会じゃなければ許せ...
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投稿日 2017-03-25 23:14
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
僕は三日に一回ほど 天才だねと言われる でもそれは天然という言葉と 聞き間違える自意識過剰 今日も言われた 君はやっぱり詩を書かせたら天才だね でも言われた言葉の天才を天然に置きかえると 君はやっぱり詩を書かせたら天然だね これって褒め言葉なのだろうか 天才とか天然とか僕にとっては関係ないけど、と表...
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投稿日 2017-03-25 09:23
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
波は穏やかな感情の起伏 心のどこかで津波を回想させ あの悪夢の表情がどこに潜んでいるのか 不思議な気持ちで揺れる反射 優しい光を追って まだ冷たい風に吹かれています 自然の力で私たちは 生かされたり 死に押しやられたり 人間に踏まれる小さな虫のように やはり無力でか弱い存在 私たちは感情に揺られる生...