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投稿日 2017-04-27 08:58
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
賑やかだった教室にも 柔らかに落ちゆく陽が射し ひとり僕は窓の外を眺めている いつもの校庭 若葉も紅く染められ 春だというのに暮れてゆく音楽が 聴こえてくる不思議に 僕は此処にいることに溶けて お疲れ様でした 運動部の声が家路へ誘う カバンを背負い教室を出て 階段を降りる足音は 冷たく静かに癒してく...
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投稿日 2017-04-26 08:52
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
詩を書く時 私の感情は方位磁針となり ひとつの昂りを指す 喜びの赴くまま 揺れ 怒りの赴くまま 尖り 悲しみの赴くまま 凹み 不安の赴くまま 撫で 不思議の赴くまま 旅し 勇気の赴くまま 堅く あるがまま 感情を紙面に泳がせ 方位磁針の先に自由を獲得する 感情の物語を 表現する喜びを知ってしまったら...
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投稿日 2017-04-26 04:21
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
束の間の安堵 今日、戦争が始まってしまう そう感じていたから 電車の中では 危機感のない顔が並び どうして周りの人がそんなに 落ち着いていられるのか 不思議だった そんな自分も 仕事へ向かっているのだから 大丈夫だ、戦争なんて起こらない 心のどこかで精神のバランスをとって 小さい頃に 戦争の話を身内...
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投稿日 2017-04-25 09:27
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
いいよ 君のその言葉はラヴではない 僕に対する優しさだった 何度も抱いてしまいたい そう思っていたけど 水を被ったように冷めてゆく 君の優しさは鋭い棘 僕のエゴは鋭い棘 重なり合ったのなら 傷だらけになるのだろう 一瞬で理解したふたり 僕でなくてよい君 君でなくてよい僕 でも そんなに単純ではない ...
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投稿日 2017-04-25 08:42
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
とりあえず布団には入っていた 右足の靴下を履いたまま 少し横になっているつもりが 夕飯を食べてすぐに寝ていたようだ すこし早い目覚めに 日々のするべき行程をいくつか飛ばす とりあえず歯を磨き顔を洗う もう片方の靴下を探しながら 大事なことをひとつ思い出し慌てる ごはんの炊飯タイマーをしていない そん...
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投稿日 2017-04-25 06:16
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
フィクションは想像内 現実の想像できないところに 天才が存在する 自分だけの集中世界 とても純粋に駒をさすことに 時間を示さない時計を持ち 終わってしまえばあっという間 歓喜の声が聞こえ 天才だと賞賛されても 天才に天才という概念などなく 人と人を比べるような 感覚など微塵もないのだろう 世間の度肝...
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投稿日 2017-04-22 17:51
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
僕らに望まれているストロークは 宇宙が拡がる速さより 高速な思いで愛を知ろうとすること グズグズなんてしてられない なあ、そうだろ青春 メジャーコードで惑星なんて砕いて そこどけそこどけ 誰にも止められないのだ もう響いて痺れているんだから なあ、そうだろ青春 ボーカルの吸い込みは ブラックホールを...
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投稿日 2017-04-22 17:12
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
記憶はすれ違って なんだか物足りないふたり 慣性の法則 ゆるゆると続く回想 もう 視線は交じりを知らない 悲しくもなく 寂しくもなく 想い出にもならない 夢の跡が代りに汚れて ふたりの納得 淀んだ空気の中で無臭 互いの方向に拾う孤独はなく 理由と確信 ドアノブの金属音 時間を捨てる想像の向こうへ G...
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投稿日 2017-04-22 15:05
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
本日は予定がないため図書館へ。 詩の棚に新しい本が置いてある。 『世界はもっと美しくなる』 詩:受刑者、編:寮千子 (出版社:ロクソン社)という本だ。 奈良少年刑務所詩集の第二弾。 まだ発行されて半年の詩集を手にとる。 前作より纏まった作品が多く、 詩人が書く詩より数段に詩であったりする。 (前作も...
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投稿日 2017-04-22 14:21
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
なっ、わけで ぼくはそうなんだ えっ、どうして ぼくはこんなに ぼくをそんなに こんなにしてしまうのは いつか観た あの映画のせいかもしれない そうして太郎は 行ってしまったのだから 言葉を捨てられ かなしみの伝言すらできない あっ、いた ぼくが向こうに えっ、どうして ぼくはこんなところに そして...