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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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天井は赤色、壁は黄色、床は青色の箱に中に立っている。その箱は一辺が五メートル程の立方体で造られていた。僕がなぜこんな所に閉じ込められているのかは分からない。これが現実なのか、夢なのかも全く見当が付かない。いったい、何がどうしたと言うのだ。そして、僕は誰なんだろう。家族はいるのだろうか。帰る家はあるのだろうか。その前に生きているのだろうか。いや、生きているが虫かごの中で生かされているようなものだ。この状況は孤独で社会が存在していない。法律も関係なければ秩序も必要ない。

僕は青色の床に横になった。喉が渇いているが水などはない。舌がザラザラして飲み込む唾液さえ出なくなってきた。ここの空は赤色だ。身体を溶かしてしまいそうな熱が伝わって来るような感じがする。視線を黄色の壁に向け、少し色彩の攻撃から逃れられる気はするが、もう生きていようとする抵抗さえ消えて行く。

生きている意味のない場所には、もう生きようとする夢など生えては来ない。しがみつく草も無ければ、しがみつく根拠も無い。ただ、僕は終わり方に人間としての最後の意地を貫こうとした。それを無理矢理に希望だと決めつけて。

力を振り絞り、青色の床にうつ伏せになる。もう仰向けに戻る力はない。出来ることは瞬きすることぐらいになってしまった。眼に浸透するその青色で床に身体が埋もれて行くのを感じている。

離れて行く、僕と身体が。飛んでいる。僕は間違いなく飛んでいる。

僕は初めて希望の中で消えることを確信した。

#詩

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