僕は大学で原子力を学び、CO2削減の立場から「原子力依存率の上昇」を強く求めてきた。 その後、福島原発の姿を目の当たりにし、エネルギー戦略会議での資料から、ついに原発の経済的メリットが無いと判断し、脱原発を訴えるようになる。 それでも、勉強は止まらない。 例えばLNT仮設。 どうやら、僕の学んだ放射線生物学は、時代遅れのものらしい。 だからといって、即時に原発の経済性が成り立つような計算式も出てくるわけではないのだが、生物学的には地動説と天動説ほどの違いとなる。 概ね原発問題と言うのは、科学が論じられているのではなく、強烈に感覚的宗教的な臭いのする問題として捉えられる。 よって、出てくる数値が即座に信用できるものでもない。 それゆえに、正しい知識を得る事も困難を極める。 しかし、僕は自分の意見を根拠を持って述べる立場に居つづけたいと思う。 僕は、僕自身の新化も変化も止めるつもりはない。 さて、例えば体への物理的刺激。 程よく押せばマッサージになり、まとめて強烈な一発にすれば負傷する。 電気刺激も、低周波マッサージのようになる事もあれば、感電死する事もある。 昔の放射線生物学は、被曝による遺伝子の損傷後、遺伝子の修復は行われず、損傷は蓄積するという前提で仮説が立てられていた。 現代では、これは間違いであるとされている。 放射線障害が起きる閾値は確かに存在する。 放射能は体内に蓄積する事はあっても、放射線による傷は修復されれば問題ない。 福島の自然の中で、鳥や動物達に異変が起きているという確かな情報が見当たらないのは、その裏付けになりそうだ。 持論にとってどんなに不都合であろうが、事実は確認する。 これをしなければ、正しいエネルギー社会を論ずることはできない。