先日KLCCツインタワーのライトアップを綺麗に撮ろうと三脚持参で出かけた。丁度撮影したい頃には雨で撮れなかったので止むまで待って何とか撮れた。 暗いので長秒露光で撮ることになるのは分かっていたが車のライトの光跡を思ったように撮るためには幾ら絞ってISO感度を下げても、せいぜい20秒くらいまでしかシャッタースピードは稼げなかった。もっと長時間露光するためにはNDフィルターの必要なことを痛感した。 帰って画像をPCの大画面で見て思いの外画像が甘く、解像感がないのを知って愕然とした。 マニュアルでしっかりピントは合わせたはずなのに、広角レンズで被写界深度は深いレンズなのでピンボケなど考えられなかった。 そこで気が付いたが、これは最大まで絞り込んだ為に「小絞りボケ」と言われる回折による画像の鮮明度低下によるものだと分かった。 そこで、今まで絞り込むことによる回折の影響についてテストしたいと思っていたのでそれを行った。 テストの被写体としては、ディテールの分かりやすい液晶テレビの画面を使った。液晶テレビの画面は近づいてみると格子状になっているのが分かるが、絞り込むことによってその映り方がどう変わるかを見たかった。 テスト環境としては、液晶テレビの画面から2.5mほど離れた場所より50mm F1.4の単焦点レンズを使った。尚、このレンズの絞り範囲はF1.4からF16である。 撮影は、ISOを100に固定し、F値を変えても同じ明るさの撮影となるよう絞り優先モードを使った。 絞りを変えて撮った写真が4枚目の写真であるが、絞り開放寄りの写真に比べ、最大まで絞った時の画質がこれほどまでに甘くなるのは想像以上だった。 絞りは、絞ると被写界深度が増しピントは合いやすくなるが、画質の低下を起こす二律背反の関係にあるので、一般に言われている、特に意図しなければF値は8までと言われる所以がよく分かった。