『λ(ラムダ)に歯がない』森博嗣(講談社文庫)
3月
26日
いずれも至近距離から撃たれており、4人のポケットには<λ(ラムダ)には歯がない>と書かれたカードが入っており、また4人とも死後に歯が抜かれていました。
殺人が行われた夜に研究所内の別棟で実験を行っていたC大学の2年生<海月及介>と院生の<山吹早月>は、N大学院生の<西之園萌絵>の協力のもと、事件の解明に乗り出し、事件に関連して<西之園>は、自分の抜け落ちた大切な過去を取り戻します。
建築の「免震構造」をうまく取り込んだトリックで、最終段階で真相にたどり着きますが、登場人物たちの個性がよく出ており、建築設計を生業としている立場としても、楽しめました。