交流部会報告 2012年4月
第29回ワシントン州高校生日本語スピーチ&スキットコンテスト
交流部会長 鳥原 正 ニチレイUSA. LLC.
今年も兵庫県ワシントン州事務所主催でワシントン州高校生日本語スピーチ&スキットコンテストが催されました。審査員として参加させて頂きましたのでご報告させて頂きます。
毎年レベルの高い日本語スピーチ&スキットコンテストとして実施され昨年の参加者は過去最高を記録し今年度も期待して参加致しました。しかし残念ながら昨今のリセッションの影響により政府の外国語教育のバジェットカットで日本語の指導者の削減などの影響で今年度は約100名程度の参加となりました。
今年度はシアトル大学の講堂が会場となりました。審査員はワシントン大学の加藤先生をリーダーに各分野の方8名が参加しました。毎年参加されている方もいらっしゃいましたが審査の基準について早朝7時15分に集合して事前に打ち合わせを実施しました。午前中にスキット部門、午後にスピーチ部門が行われました。またレベルも高校1年生の1レベルから4年生の4レベルに分かれて進められました。
鳥原交流部会長並びに審査員一同
午前中のスキットは現代っ子らしいものや日本の昔話をパロディーにしたものなど見ていて楽しい劇でした。しかし審査は難しくどれも良かったのですがレベルにあった正しい日本語で表現されているかで判断をしました。
"桃太郎" ならぬ創作 "りんご太郎" を演じる高校生
午後のスピーチはさらに審査が難しく素晴らしいものばかりでした。自分の日本訪問体験、震災の日本の対応について、エネルギー問題など逆に自分が英語でスピーチしろと言われるとかなり難しいと思われるものばかりでした。生徒さんの日頃の修練の成果だと思いました。今回のスピーチコンテストの一等賞は日本行き往復チケットとホームスティでの日本語学習が提供されました。その為審査は白熱したものとなり最後は多数決で決めた次第でした。各レベル4名の生徒にこの賞が授与されました。
今回のコンテストの審査に参加して感じたことが参加者の多くがアジア系であったことでしたが、結果、今回のトップはすべて韓国系アメリカ人の生徒でした。当初日本語スピーチコンテスと言うと白人の方のイメージがありましたが現状はかなり違うものでした。アメリカ自体がマルチカルチャーの国ですが日本及び日本語の関心が日本人が考える標準的なアメリカ人には余り無いのでないかと少々心配になりました。しかしこのコンテストを継続的に実施する意味は大きいと思いました。
主催者によると年々このコンテストを実施するための資金繰りが厳しくなっているとのことでした。商工会も今後大口のスポンサーとして参加すべきではないかと感じました。