身体の心配 家族の心配 お金の心配 仕事の心配 押しつぶされそうになった時 ひとり落ち着ける場所 私はiPadに詩を綴る そこには世界があって 手に届かないものは 見あたらないくらいに心地よい 上手に世間からは逃げることができ 身体を傷つけることなく 健康的に精神も癒やされてゆく 詩があるから 僕は今日も生きていける気がする 大袈裟だよ そう言われるかもしれないが それほど強い人間でもなく 最近はその思いが強くなるばかり 悩みは悩むほど落ちてしまう 悪い方へ悪い方へと でも僕には詩がある 変わらない自分でいるために 今日も詩を書く 明日も詩を書く 明後日も詩を書く 死ぬまで詩を書かずにいられない
みなさんはご存知でしょうか 12月25日はクリスマスですが アシスタント・サンタの調査日でもあります サンタクロースが訪れたあと 来年のクリスマスをもっと盛り上げるために どこにでもいる普段着のおじさん おばさんたちが メモ帳と鉛筆を持って朝方から情報収集 あなたの街へ調査に来ています さてさて 何を調査するのでしょう ちゃんたちゃん ちゃんたちゃん きたよ うれちぃ うれちぃ ちゃんたちゃんすきよ 3歳 女の子 とてもプレゼントに喜んでいます はい メモメモ やっほー へんしん とうっー ぼく めちゃつよいぞ 5歳 男の子 サンタクロース ナイスです 去年の業務報告を活かしましたね はい メモメモ ああ これ あの店で2980円で売っていたやつだ 友だちとこれであそぼっと 10歳 男の子 クリスマスプレゼントの値段がバレてしまったようです これは盛り上がりに欠けてしまう はい メモメモ うわー 欲しかったの これ ピンクのがもっと欲しかったけど でも嬉しい 11歳 女の子 惜しいです サンタクロースへ 色が違ったね はい メモメモ 今年はセーターかよ なんだよイニシャルのKとか入っているし 母ちゃん とりあえず あいがとうな 15歳 男の子 どうやらサンタクロースを母親と勘違いしています 手縫いというのは手応えありました はい メモメモ うわっー 素敵 このペンダント 一生大事にするは サンタさんにお礼の手紙書かなくちゃ 17歳 女の子 ハートのペンダントをありがとう 手紙を両親へ渡しています この子もサンタクロースを勘違いしてますね はい メモメモ 報告書 今年の傾向としては サンタクロースの業務が多忙のため 時間が取れずに手づくりから 既製品のプレゼントが多い傾向が見られ その点は盛り上がりに欠ける要因と考察する プレゼントされる年齢が上がるに従って サンタクロースを親と勘違いしている傾向は 例年通り大きな課題のひとつである しかしながら プレゼントを貰った子どもたちは 最高の笑顔で喜び 感謝の気持ちもつことは今年も変わらず 準備段階からお届けまで サンタクロースの努力は評価されるものである お分りになりましたか これがアシスタント・サンタの業務です クリスマスを盛り上げるために地味ながら 子どもたちのために頑張っていますよ ではでは アシスタント・サンタのお話はこのへんで メリー クリスマス! パパッン パッン パーンッ
見えていないモノの方が多いのに 見えたモノの方が真実ように 間違ってしまうのだろう 僕らの想像を広げるために たぶん目は存在しているのだろう 見ることより見ようとする その生きた目を持たなければならない 目で見えないモノのを見ることが 僕らのほんとうの目であって 空の青の向こう 夕日の紅の向こう この手の向こう 僕の向こうの君を
身体の中に花火があがる 足の土踏まずあたりから火をつけられ 神経に沿って首あたりまで キョーンㅤキョーンㅤキョーン そんな感じで一日に何十回もあがる 初めて精通した時のように 電気が走って行く特異体質になっている 神経っていうのは伝達が得意で 潰れた頚椎から 悪ふざけの信号をどんどん送る その花火は痛いわけではないが あがるたびにビクっと 動かしている身体を止めてしまう 消えて煙りになるまで景色を眺める いったい私の身体はどうなって…… もうこの刺激を五年ほど経験しているが 十代の花火を打ち上げ続けては 心はふざけて玉屋なんて叫んでいる まだなんとか許容内の打ち上げ花火だが いつの日かちまちまの線香花火くらいに なって欲しいと願っている 遊べない花火はしないほうが良いだろうから
鍋に 季節感を入れ 風景を入れ 心情を入れ ああだの こうだの ああだの こうだの ぐずぐず 鍋が煮詰まって ああだの こうだの 味見すると なにか足らない 詫びか 寂か それとも 情熱か ああだの こうだの 煮詰まって 煮詰まって 煮詰まっ……
また陽は昇るのだろう 朝に僕は目覚めるのだろう 世の中には様々なひとがいて 今年が最後の冬なのだろう そう思って朝を待ちながら 刹那の向こう側に何を見るのだろう 生命はみんなに平等なのだろうか 断つことは平等でも ランダムに必然は振り分けられ 生まれてすぐに…… そんな運命もあり 百歳をこえて眠るように…… そんな運命もあり とても平等とは思えない だけど そこには平等でなくてはいけない そんな思いが芽生えたりする もしかすると僕らはすべてのひとを 平等ではなくてはいけないための術を 何か持ち合わせているのだろう そうでないと生まれてきた意味が繋がらない そうだ 僕らは平安を成就させるために 愛を追求する生きものなのだろう きっと そうなんだろう