吐き出した言葉がすべて詩になるように、そんな理想を持って詩を書いている。しかし、まったくそれは上手くいかない。何度も書き直したり、誤字脱字があっちこっちと現れたり、詰まらない言葉が綴られているのだから、自分に幻滅ばかりするのである。しかし、最終的に行き着くところを設定してい事による詩への向上心は、メラメラと私を盛り上げてくれる。ひとそれぞれ、力まず詩を書くのもそれはそれで否定もしないし、またそれも生活の糧となり得る。はて、なぜに私は自分自身の存在を詩に染めたいのだろうか。それは、きっと考えていること、どのように生きて行くのか、その一直線上の先にある自分という作品を完成させたいという一心なのだ。そこへ進めばいい。複雑の中に自分を置くより、単純に自分を置いた方が解りやすいし、進みやすいし、迷いが生じない。さあ、今日も詩を食い纏い憂い、綴ろうじゃないか。
さようならに色付けて 虹が降り積もる街へ 僕は夢を配るのさ 楽しい物語はいかがですか ららら 眠い君へ ららら はじまるよ 昨日のグレーも 一昨日の真っ黒も きっと華やかな感じに ゆったりとして下さいね ららら カメさんが ららら 歩いているよ 雨上がり昼下がり 心地よい風がサラリと 君をさらってしまう 楽しい物語はいかがですか ららら 眠い君へ ららら はじまるよ
やらねば始まらず やらなければ悔いが残る やったらやったで叩かれる そんなの百も承知だ 最初から受け入られるほど 自分に人徳などないのだから 懸命、懸命、少し客観視して 懸命、懸命、あまり振り向かず 懸命、懸命、微笑みを忘れず やらねば始まらず やらなければ悔いが残る やったらやったで叩かれる たまに弱気になるけれど 俺以外のところで生きなくちゃ 自作の天命を全う出来ないさ 根性、根性、たまに休憩 根性、根性、ちょっとの疑問 根性、根性、微笑みを忘れずに
連なる静謐の なに問うことなく いろはにほへと あいうえお 流るる風の指揮 草が花が木が君の微笑みが あさきゆめみし らりるれろ ああ 青きに虹霓(こうげい)咲かせ 君と僕との440hz 同じ音色を知り ゑひもせすん わいうえを うん
MRIの筒 未来のJアラートと 過去の空襲警報が鳴り響く それでも俺は疲れているから 横になっては眠りの戦場に 言葉が錯綜し 乗っ取られてゆく詩集 改ざんされた作品からは 悲鳴が上がりみんなは逃げだす 待ってくれ そいつは俺ではない たいして積み上げてものなど ないと思っていたが 失ってみれば その穴の大きさに驚く 今は動いては駄目だ 俺の歪みが写ってしまう 正確な病巣を撃ち落とすために 心を殺すんだ 「お疲れ様でした ゆっくりと降りてください」 現実の声に背中は 世界を濡らすように冷たかった
詩にプロポーズしたあなた でも、小説の彼を探した方が 私は良いと思います どう考えても 自分の欠けた補正には やはり詩は向いていません いつの日か偽りは剥げて 居場所がなくなってしまいます 詩の彼に拘るより あなたにとって 小説の彼となら自由でいられ ひとびとも喜ぶし 騙しているという罪悪感も 持たなくて済みますから 今は詩に夢中でしょうから 私の声も聞こえないかもしれません どこかで ふと立ち止まるような ことがありましたら ぜひ、小説を書いてみてください
光の似合う紫陽花が あってもいいじゃないか 晴れの日があれば 雨の日もある私 雨の日もあれば 晴れの日もある紫陽花 悲しい日もあれば 嬉しい日もある 汚れた日もあれば 綺麗な日もある どちらも似合う私が いてもいいじゃないか
こんなに そんなに どんなに 救いだったのに 救われたのに 今は まったく書けないのに こんなに そんなに どんなに 救いだったあなたに 救われていたのに 今は まったく なのに…… のに こんなに そんなに どんなに それでもずっと 探すように それでもずっと 探すように それでもずっと……