心象に近づく詩を
6月
11日
そよそよと吹く風にうたた寝
小鳥がさえずり
僕はどこかの記憶にいて
言葉のない詩
理想の舟
雲の上で揺れている
夢は詩を模りながら
曖昧な正確さを持って
歌うのだから
敵うわけがない
ああ、この感じを
言葉に出来たのなら
僕はきっと詩人になれる
完全に目が醒めると
言葉に縛られ
言葉に操られ
言葉に染まり
拘束から逃げるように
夢に近づこうとする力でしか
今は進めない
言葉が言葉を越えないように
僕が僕を越えないように
寄せた言葉で象ってゆく
今はそれしかない