LANケーブル自作のすすめ

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LANケーブルの自作をすすめると言っても、すべてのケーブルを自作する
意味ではない。
10年以上前から市場に出回っているLANケーブルはことごとく中国製となった。
そして価格も値下がりを続け、実売価格は自作よりも既成品の方が安くなっている。
こなご時世にあえて自作をすすめるのは何故か。

それにはまずLANケーブル(パッチ)がどのような工程で作成されているのか
知らねばならない。
LANケーブルのプラグ付けの自作経験がお有りなら説明は早い、中国の工場
でも製造過程はすべて人の手で行われている。皮むきやプラグのカシメなどの
一部が電動ではあるが、自動化は全くされておらず、完全な労働集約型産業
である。
LANケーブルはほぼ自動で製造されるのに比べ、プラグ付けは自動が出来て
いない。
筆者も以前、自動化の検討を真剣に行ったが、投資金額が回収出来る目処が
たたず、依頼者にお断りした経緯がある。
中国のLANケーブル製造は、ケーブル本体、プラグ製造、プラグ付けは、概ね
別会社で行われている。
商品化するのはプラグ付け工場で、ここが原材料を仕入れ、それらを加工している。
皮むきは電動だが、芯線の成端は100%手作業で、牛乳瓶の底で芯線を
しごく等、驚くような作業をしている工場もある。筆者は仕事上過去に50以上
の工場を見てきたが大同小異で、作業者の手作業でプラグ付けは行われている。

このため作業者の習熟度が性能を左右すると言える。無論、導通試験など
基本的な部分の試験は行うが、構造上ハンダ付けなどはせず、金属片を芯
線外皮の上から差し込んで挟み込む事によって導通を成立させているため、
僅かな部分で接触不良になりやすい。
厄介な事に、僅かな接触による導通でも試験は合格してしまい、使用数ヶ月後
に判断線となるケースもある。

作業者がベテラン揃いの場合、このトラブルは極めて少なく、性能も安定してい
たが、最近の労働環境の著しい変動(職場を短期間で変わる風評)は、この業界
にも及んでおり、熟練労働者がみるみる減少し、前述の不良因子が増えている。

そこでの対策であるが、いまさらすべてのLANケーブルを自作するには無理があ
りコストも見合わない。そこでのおすすめはプラグ付け部分のみ再加工する事で
ある。

これには、簡単なLANテスターとカシメ工具があれば可能で、費用も両方で
10000円前後と高額ではない。
プラグ部分の検査は、ケーブルを強くひっぱりながら上下左右に角度を変えて
検査をするベンディング試験を行えば、不良の大半は正体を現してくる。
そのプラグを再度カシメることである程度は修復が出来る。それでダメなら
プラグを交換すればよい。交換にはそれなりの知識が必要であるが、これらは
以下のURLに詳しく記載されている。

http://www.sanwa.co.jp/lan/index.html

これを習得すると、LANケーブルの爪折れなどもケーブル全部を交換せずに
プラグのみの交換が出来る、是非身につけていただきたい。
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