自分を認めることって、とても難しい。
まわりから
「それって、君の強みよね」
と言われても、どこかピンとこなかった。
「こんなの当たり前でしょ」って思ってしまって、素直に受け取れなかった。
それよりも
「足りないこと」
の方が気になって、いつも自分にダメ出ししかしていなかったような。
強みを探しては
「んー…でも自信がない」
「これって、特別じゃない」
と否定してしまう。
他人のすごさばかりが目に入って、自分の良さには超絶鈍感だった。
本当は、もっと堂々と自分のことを認めたいのに、たぶんそれは怖かったんだと思う。
自分が何気なくやったことに対して、誰かがこう言ったことがあった。
「それ、私にはできないから本当にすごいことよね」
その言葉を聞いてハッとした。
エッ?と思った。
「当たり前にできること」を強みって思ってもいいんだ。
それはきっと、誰かにとっては価値のある才能なのかもしれないと、少しだけ胸が温かくなった。
そこではじめたのが、「強み」っぽいことをメモ帳に記していくことだった。
気になる言葉。
何となく心地好いワード。
聞くと心が反応する。
1日1つは、自分ができたこと、誰かに喜ばれたこと、小さな達成を記録する。
1つどころでおさまらない(笑)
胸に残る言葉でドンドン埋まっていたのよ。
さらに、その行動の裏にある「資質」を思うままに言葉にしてみた。
たとえば
「相手の話を丁寧に聞いた」
→共感力・傾聴力
「アイデアを整理して伝えた」
→構造化・伝達力
そうすることで、「できごと」が「能力」として自分の中に定着していくような感覚になった。
そうなんだ。
強みは名詞ではなく、動詞として発揮されていて、それは誰かのために使われてはじめて自分の力として実感できる、そんな気持ちになることができた。
「なんとなく得意かも」
「周りからよく褒められる」
と感じたことは、立派な才能の芽なんだ。
まずは、自分自身が信じてあげること。それが何よりも大切な第一歩になる。
そしてそれは、遠慮なく使うべき、自分とそれによって助かる誰かのための力なんだと思う。