ボンビーでもしあわせのカタチはあります

弓道を極めようとする人が美しいのは、その姿が「人間存在そのものの探究」に重なるからです。

弓を引くという営みは、単なる技術の習得ではありません。そこには「心身一如」という東洋的な人間観が貫かれています。身体の均衡、呼吸の調律、心の静謐──それらが一つに溶け合ったとき、矢はただ的へと飛ぶのではなく、むしろ「真実」へと放たれるのです。 「正射必中」とは、結果を求めて執着するのではなく、正しい在り方に立ち返ることを意味します。外的な成功や失敗を超え、己の心を澄ませ、姿勢を正し、精神と肉体を一点に収斂させる。そのとき放たれる矢は、的を射抜く前に、まず自己の虚偽を射抜きます。弓道とは、自己と対峙し、自己を超克する行為に他なりません。