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投稿日 2012-03-17 20:03
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
2009年2月に発行された 『波紋』 に次いで、本書の『遮断』で<警視庁失踪課・高城賢吾>シリーズも七作目となりました。主人公の<高城賢吾>は、失踪課第三方面分室の刑事で45歳、室長として<阿比留真弓>がいますが、実質のトップとして采配を振るっています。かっては捜査第一課に所属していましたが、7年前に一人娘の<綾奈>が学校から帰宅中に失踪してしまいます。この事件で弁護士との妻とも別居の上、離婚に至ります。それ以来仕事に身が入らず、酒びたりの生活が続き、捜査第一課から所轄の転属を繰り返していたところ、<阿比留>室長に引き抜かれ失踪課に籍を置いています。今回の『遮断』は、同じ失踪課の刑事<六条舞>...
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Tandy、Dell時代とOEMプロジェクトで京セラさんとは随分深いお付き合いをさせていただきました。会社を越えて、人同士の付き合いを感じることのできるビジネス経験でした。その稲盛さんとは双方の時代に何度か商談でご一緒させていただいたことがありますが、Dellの初期時代、マイケルと夕食でご一緒させていただき、いろいろ仕事についてお話を伺ったりと駆け出しの頃、とても良い経験をさせていただきました。そんな稲盛さんが松風工業に勤務の頃を、五木寛之氏との対談「何のために生きるのか」回想されています。昨晩読み返していて、フッと目に留まりました。 詳細は割愛しますが、稲盛氏が開発したセラミックのTV部品を...
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投稿日 2012-03-13 20:43
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
『白い鴉』は、新堂冬樹の一番新しい著作です。自ら高校を中退した十代の頃より、闇金融の世界で働いていたことを公言されておられますが、その経歴を生かした「カネ」や「女」などの欲望渦巻く裏社会を描いてきています。今回の作品も孤児院で育てられた「白い鴉」と呼ばせる主人公が、夜の六本木を舞台に、詐欺を働く様子...
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投稿日 2012-03-11 19:26
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
文庫本(上・下)で、1200ページを超す大作です。著者の作品は今回が初めてでしたが、緻密な構成と人物設定の見事さに、圧倒されました。2009年に「柴田錬三郎賞」をこの作品で受賞していますが、十分に納得できる作品でした。ゲーム作家に憧れて職を失くした元東京都職員の鈴木正彦は、ゲーム本出版社が倒産した矢...
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投稿日 2012-03-08 20:19
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
2004(平成16)年、『ボーナス・トラック』で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞している著者ですが、この一冊を読み終えて「なるほどな」と思いました。さわやかな大人の恋愛小説でもあり、最終的にはファンタジーの世界で締めくくられます。詳しく書きますと、今後読まれる方に悪いので、ほのぼのとした気持ち...
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投稿日 2012-03-06 20:19
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
『サクリファイス』というタイトルだけでは、どのような小説なのか理解しにくいのですが、表紙の写真の通りプロのロードレースを舞台とした、青春小説でもあり、ミステリーでもある小説です。主人公の白石誓は、陸上選手でしたが自転車競技にあこがれ、ロードレースの世界に飛び込みます。所属したチームでは、プロ選手とし...
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投稿日 2012-03-06 20:00
日々是勉学
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らっち
2月の読書メーター読んだ本の数:7冊読んだページ数:1598ページナイス数:17ナイス小商いのすすめ 「経済成長」から「縮小均衡」の時代へたぶん、僕が今後やっていきたい仕事の進め方が書いてるんだと思うが、漠然としていて把握できていない。時間をおいて読んだらちょっとは分かるんだろうか? 気になる一文:おとなとはなにかということが問題になるでしょうが、とりあえず自前で生きているひとびとだと言っておきましょう/責任がないことに、責任を持つときに、はじめて「いま・ここ」に生きている意味が生まれてくるからです/端的に、小商いは、存続し続けることが、拡大することに優先するような商いのことです読了日:02月...
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投稿日 2012-03-04 19:19
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
講談社100周年記念の一環として『悪道』が出版され、2011(平成23)年に第45回吉川英治文学賞を受賞しています。五代将軍・綱吉の急死をうけて、権臣・柳沢吉保は秘密裏に影武者を立てて徳川家存続を図りますが、陰謀に気づいた伊賀忍者の末裔・流英次郎に刺客を向けるという荒筋でした。『悪道 西国謀反』では...
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投稿日 2012-03-01 15:33
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
早稲田大学競走部駅伝監督である渡辺康幸さんの著書です。『自ら育つ力』(日本能率マネージメントセンター)を、2008年に出版されていますが、昨年の第87回箱根駅伝において18年振りに総合優勝をを果たし、新たに1章を追加されての文庫本化です。度重なるアキレス腱のトラブルで29歳で現役を引退、以後母校早稲...
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投稿日 2012-02-28 20:19
神戸:ファルコンの散歩メモ
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ファルコン
著者の本は、『女神』 (光文社文)・ 『汝の名』 (中公文庫)・ 『澪つくし』 (文春文庫)と読んできて、4冊目になります。どの作品にも共通して感じることは、「女」の執念・怨念・すさまじさです。お化けは男も女もおりますが、幽霊は女性だけということを、いつも認識させられます。今回登場する主人公の<南欧子>は、34歳。学生時代はクラスの人気者でしたが、今は三流会社の出版社に勤め、妻子持ちの男性と付き合うみじめな生活をしています。そんなとき、破格の好条件でヘッドハンティングされ、雇い主が分からないままに雇用「契約」を結びます。この雇い主、昔学生だった頃に<南欧子>にいじめられた恨みを、20年後に復讐...