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投稿日 2018-03-30 01:39
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
六十八の職人が 生涯最後の仕事として 持病に耐えながら オリンピックの聖火台 鋳型を完成させる しかし、翌日に鋳鉄を 流し込むと鋳型は大破 その職人は床に伏せ 帰らぬひとに 無念を晴らせと息子ら 納期直前に完成させた 受け継がれた魂の聖火台に けして消えない炎が立った...
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投稿日 2018-03-29 13:13
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
胸のポケット キャップが外れ 赤マジックのインクが漏れ 滲んでは刺されたようだ 軋む現場に重たい身体 ほこり舞う先の知らぬ解体 時代に取り残された 流行の成れの果て 我も崩れそうな身体で バーベルを掲げ 壊れゆく惻隠の赤が広がる...
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投稿日 2018-03-27 20:55
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
僕らは始まり方も 教わっていない自由がある 僕らは終わり方も 教わっていない自由がある 残酷な自由が不自由を叩く 優しさが不自由を抱く 僕らは呼吸の仕方も 教わっていない自由がある 僕らは歩き方も 教わっていない自由がある 残酷な自由が不自由を叩く 哀れみが不自由を抱く 僕らは始まり方も 教わってい...
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投稿日 2018-03-27 15:56
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
爪を噛む夕暮れ時に 僕は水たまりを歩く 水たまりは空を歩き 空は水たまりを歩き 水たまりは僕を歩く 幻は赤に染まり笑う 終わりたい瞳の過去 あるものは越えずに ないものばかり光る 始まらない瞳の未来 粉々にされた夕暮れ 月から垂れた操りの 縁取りだけある心で 僕は水たまりを歩く 水たまりは僕を歩く...
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投稿日 2018-03-25 14:01
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
なんでもかんでも 詩にすればいいってもんじゃない お前の詩は感動がない しょぼい詩ばかり書いて ここ数年で言われたことだ これはどう考えても 私のことを思っての言葉ではない ひとりで詩を書き ひとりで満足してきたが 表現を外に向けて発信したら なんだかんだ言われる なんでもかんでも詩にするから いい...
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投稿日 2018-03-25 12:15
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
公園でリハビリあんど詩作!
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投稿日 2018-03-25 11:29
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
電気なんてなかった時代 静電気の発光を 何だろうと思っていたのだろう 雷の赤ちゃん? 痺れは誰かの祟り? かまいたち? 得体の知れない 現象だったに違いない はて、僕がUFOを見たのを 未来の人間は証明してくるのだろうか...
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投稿日 2018-03-23 20:38
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
何時だって君は迷走 僕の熱帯魚をつかめないでいる 時の鳴門に埋もれてしまい 揺れるオーロラとなり 奇麗に尾を振りながら君は擬餌針 底の主も操れない固執 君は不自由な鱗の悲しみにより 未だに美しさ知らずの美しさを持つ 君は知らずの擬餌針 僕の熱帯魚をつかめないでいる...
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投稿日 2018-03-23 14:22
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
僕の気性は晴れたり曇ったり 世界の気象も晴れたり曇ったり 最近は天気予報が高い確率であたる 寒くなるとか暑くなるとか 傘が必要とか花粉が多いとか できたら僕の一日の気性も 予想してくれたら あらかじめ心得て過ごすのに 世界の気象は読めるようになるが 僕の世界は全く読めない...
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投稿日 2018-03-22 18:53
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
桜も濡らす雨 染み込む冷たさに身体を丸め 何処へ行くわけもなく 傘に落ちる疎らを聴き 弾く気持ちに同情しながら 街をふらついて 霞んだ一枚の絵になってしまう街 誰もいないほどに響く音 離れるほどに近づいてしまう自分へ...