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投稿日 2019-02-04 10:16
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
月曜の通勤時間だというのに朝から詩なんか書いて涙を流しているんだから今週、大丈夫か自分ああ、かっこ悪いから指で拭ってみるとそんなにきれいな涙ではなくだんだん哀しさに冷め今度は微笑んでいるんだから今週、大丈夫か自分たぶん大丈夫きっと大丈夫さ今まで根拠のない自信に助けられて生きてきた訳だしこのスタイルは...
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投稿日 2019-02-04 09:59
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
余命も知らず君が逝ってしまったことをどうしてなんだよと、今でも言いたい私がただ自分の気持ちばかり考えているからだろうけれど、どうしても君の優しさは友として納得できていないそして、君にとって私が友でないという馬鹿なことを考えたりするおい、なんとか言ってくれよ...
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投稿日 2019-02-04 08:44
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
自分が可愛いという体裁の言葉をあなたから投げ掛けられた気がしてそれをどうやって優しさだと思い込み聞けば良いのだろうか本音を全て向けられてあなたとの社会が壊れてしまう方がもしかしたらスッキリと生きられるかもしれないしかしそれほど自分が強くもないのだから切れるわけもなく変わることもなく羽織っているのは薄...
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投稿日 2019-02-01 21:52
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
その記憶はいいイメージだ公共の場であのニオイを嗅ぐことがあるもう五十年近く前のことだが誘う記憶から幼稚園児だった頃にあった不安定の中安心に触れるような空気感が蘇る淡く甘い懐かしいニオイの元は探らない名も知らないニオイと顔の思い出さない先生でいい先生のいいニオイ...
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投稿日 2019-01-31 20:53
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
風に吹かれ皺くちゃな弧を描きポチッと小さな声が誰に響くことなく消えてゆくのがなお寂しい僕は何処へ行く川面の枯葉だからどうかお願いこのままずっと揺れる面影を浮かべたまま流れ流れ流されて僕は何処へ行く川面の枯葉...
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投稿日 2019-01-30 00:35
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
十円玉を入れ間違い電話すみません、といって消える十円もう財布には十円玉が一枚もう間違えることはできないおう、齋藤かああ、ちょっと待っててそう言われこれは十円ではもたないなんだよ百円玉投入かああ、ごめん急用が入ってガチャお釣りの出ない哀しいさを何度味わったことだろう...
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投稿日 2019-01-27 15:26
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
人が倒れている時1大変だ人が倒れている誰か救急車を呼んでくれないか急いでくれ意識がなくなっている2人が両手をひろげ地球を抱いている誰か牧師さんを呼んでくれないか急いでくれ愛し合っている...
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投稿日 2019-01-27 15:25
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
希望が丸く抜け落ちあてなき今宵に流されてゆく日出ずる国の明日を夜に消される三日月がぽかりと待つテレビでは国旗を掲げてスポーツ選手が希望を赤く染め騒ぎ始める血を感じ頓挫した作業に日を昇らせ始める...
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投稿日 2019-01-27 12:49
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
もうすでに空き部屋となった親父の仕事部屋に入るなんだか懐かしい匂いがする手ぬぐいを頭に巻き中指にはパチンコ玉のようなペンダコ窓の断面図は機密な迷路煙草とインスタントコーヒーショートスリーパーだった親父は朝五時から夜の九時まで図面を睨む五十五年間ずっと線を引き続けその長さは天国まで届くほどだろう親父は戦時中にひとり疎開先へ行き食べ盛りは芋しか口にできず小柄な身体で喧嘩ばかりの日々だったらしい強くなければ生きられないそんな時代を送った親父が怒ると子どもだった私は怖くて仕方なかった遊んで欲しいとは一度も言えなかったそして私は十八歳で家を出たそれから十年が経ち実家へ帰ると公園で孫と遊ぶ親父の姿があった...
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投稿日 2019-01-25 10:08
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
車窓から風はちっとも見えません僕が揺れているだけですいつもの景色をいつもと違ってしっかり感じていたいのです鬼ごっこで逃げ切り今はほっとしているところです揺れる時間は僕を帰してただいま僕...