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投稿日 2019-02-14 06:22
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
おはよう チョコ、どうぞ 昨夜からの コンビニバイトの若い兄ちゃんと 早朝に挨拶を交わす 赤髪の兄ちゃんは二年くらい 二日に一回ほど働いている なかなか出来ないことだ 大学生かバンドをやっているのか いつも明るく元気をもらう レジ袋にチョコがふた粒 ありがとうと揺れて...
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投稿日 2019-02-13 06:44
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
ずいぶんと若さも なくなった気がする この寒さの中に 放り出されたままなら すぐにでも死に絶えそうだ しがみついて生きている まだ自分の存在に 他者からの存在に ひとりの存在ならば 寒いとも思わないだろう すぐにを望むだろう それでいいんですか そんな言葉などは 吐く息のように消えるだろう まだ温も...
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投稿日 2019-02-10 16:01
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
静かな静かな静かな街で ひとり哀しい心が歩いている 望んでいたのかもしれない 望んでいなかったのかもしれない もう忘れてしまった始まりに 降り始めている寂しさに哀しい 賑やかな賑やかな賑やかな街で 僕は汗をかき走っていた 振り返ることなど知らずに 大事にしていたのは無邪気とか無能 そのまま進めたのな...
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投稿日 2019-02-10 00:24
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
天から手がずるずると伸びて来て 布団の中にいる私の首と腰を撫でていった なんとも温かくやさしい手 もう歩くことなど出来ないと思っていたが あの日から痛みが溶け出して 身体が動きだした 確かあれは手術して一週間後のこと よく知っている手の感触だった...
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投稿日 2019-02-06 20:10
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
空から落ちてくる哀しみ 受け止める傘など役に立たず 空から落ちてくる哀しみ 君が居ないというのに 紛れ落ちてくる君の笑顔 落ちてくる哀しみと君の笑顔...
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投稿日 2019-02-04 10:16
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
月曜の通勤時間だというのに 朝から詩なんか書いて 涙を流しているんだから 今週、大丈夫か自分 ああ、かっこ悪いから 指で拭ってみると そんなにきれいな涙ではなく だんだん哀しさに冷め 今度は微笑んでいるんだから 今週、大丈夫か自分 たぶん大丈夫 きっと大丈夫さ 今まで根拠のない自信に 助けられて生き...
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投稿日 2019-02-04 09:59
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
余命も知らず 君が逝ってしまったことを どうしてなんだよ と、今でも言いたい 私がただ自分の気持ちばかり 考えているからだろう けれど、どうしても 君の優しさは友として 納得できていない そして、君にとって私が友でないという 馬鹿なことを考えたりする おい、なんとか言ってくれよ...
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投稿日 2019-02-04 08:44
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
自分が可愛いという体裁の言葉を あなたから投げ掛けられた気がして それをどうやって優しさだと思い込み 聞けば良いのだろうか 本音を全て向けられて あなたとの社会が壊れてしまう方が もしかしたらスッキリと生きられるかもしれない しかしそれほど自分が強くもないのだから 切れるわけもなく変わることもなく ...
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投稿日 2019-02-01 21:52
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
その記憶はいいイメージだ 公共の場であのニオイを嗅ぐことがある もう五十年近く前のことだが 誘う記憶から幼稚園児だった頃にあった不安定の中 安心に触れるような空気感が蘇る 淡く甘い懐かしいニオイの元は探らない 名も知らないニオイと顔の思い出さない先生でいい 先生のいいニオイ...
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投稿日 2019-01-31 20:53
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
風に吹かれ 皺くちゃな弧を描き ポチッと小さな声が 誰に響くことなく 消えてゆくのがなお寂しい 僕は何処へ行く川面の枯葉 だからどうかお願い このままずっと 揺れる面影を浮かべたまま 流れ流れ流されて 僕は何処へ行く川面の枯葉...