がん治療と骨粗鬆症
5月
12日



浅ノ川病院に通院していなくても、どうぞお気軽にということでしたよ。
がん治療ではホルモン治療(乳がん、前立腺がん)・婦人科系の手術など、ホルモンを抑制する治療によって骨粗鬆症が加速することがあります。
はなうめに来られる方の間でも話題に上ることがしばしばで、みなさんの関心が高いテーマです。
<診断>
骨量がMaxの20歳あたりの平均値の何%か?という測定をします。
70%を下回ると治療を考える。
DXA法→一番正確(2種類のX線で複数の部位の骨量を測定)
MD法→手の骨のレントゲン
超音波法→健康フェアなどで気軽にスクリーニングとして実施されている
<運動>
骨量、筋肉量、反射神経の強化で骨折予防につながる
(今日もひとつみんなで体操してみました!
船戸さんの生歌つき!)
<栄養>
カルシウム
→乳製品が効率が良い。牛乳が苦手ならチーズなど。おなかが痛くなりにくいA2牛乳もある。
ビタミンD
→カルシウムの吸収を高める。食品にも含まれるが日光にあたることで皮膚でも作られる。
手のひら,木陰を30分散歩もOK。
タンパク質
→骨の鉄筋に当たる部分を作る(カルシウムはセメントにあたる)
ビタミンK
→タンパク質の活性化。納豆最強。+野菜もしっかり。
<お薬>
・カルシウム剤…何をするにも基本
・活性型ビタミンD3…何をするにも基本
・ビスホスホネート・抗ランクル抗体薬
→がん治療中の方が良く使っているお薬。
期間限定のお薬の効果を維持する感じで使う。
骨を壊す細胞の働きを抑える。
・女性ホルモン
・SERM
・副甲状腺ホルモン
→骨を作る作用を助けるお薬。
1年半~2年間限定で使える注射。
まずはこれからスタートするという考え方。
・抗スクレロスチン抗体薬
→1年間だけ使える注射。
骨を作り吸収を抑えることで骨を強くする。
次にこれをして、ビスホスホネート製剤に移行する。
<転倒・骨折リスク>
・屋外より屋内。
・昼より夜中~朝
→「ぬかづけ」に注意して「明かり」も加える
ぬれたところ、階段・段差、かたづけられていないところ
<歯>
・骨粗鬆症の患者さんは歯を歯周病になりやすい。
→歯科検診や、よりお口のケアを丁寧に。
・骨粗鬆症の治療薬であごの骨に影響(顎骨壊死)する可能性がある。
→顎に痛みがある、歯ぐきから膿が出る、下唇~顎がしびれる
そんな時は主治医や看護師、薬剤師に伝える。
がん治療と骨粗鬆症、奥深いです。
船戸さんのような骨粗鬆症に詳しい専門職がいてくださることがこころづよいと感じました。
またこのテーマも大切にしていきたいと思います。