車を起す (Vette)
11月
2日
11年か12年前、友人のKがアメリカから持ち帰ってきた彼女。
本国では、オーナーのガレージの前に放置され、室内は枯葉が詰まっていた。
ボディは艶を失い、金属部分は錆付いていた。
その状態の彼女を見て、妖艶な何かを感じてしまった。
Kは大金と労力を費やし、彼女を一定以上の仕上がりへと導いた。
仕上がった彼女を、始めてみた時の事を今も忘れない。
その後、彼女は僕の手に渡り、10年の歳月が流れた。
金が足りなければ、がむしゃらに働いた。
どんなに苦しいときも手放しはしなかった。
老朽化対策と熱対策。
美しさと速さ。
色々な課題が山積していた。
この10年で、ステアリングを握ったのは、15回ほどだろうか?
ガソリンを入れた記憶も少ない。
一時は、マルチポート・インジェクションも装備した。
ワンオフのパーツを、いくつも作成した。
このクラシカルなボディを、最新のテクノロジで走らすためだ。
そして、いよいよ完成が近づいている。
そう願いたい。
写真は、1997年当時、427(7リッター)エンジン。