先週末に帰国した訳だが、今回の中国出張期間は、習近平のオバマ会談と、神舟
10号の発射のニュースで持ちきりだった。
まず、習近平のオバマ会談。
どのチャンネルもしっかり時間を使って報道しているものの、
「新しい大国関係」というキーワードだけで内容は乏しい。
本来中国はこの会談で経済の話にもっとも時間を使いたかったはずで、
逆に防衛問題はどうでもよかったはずというのが透けてみえる。
「新しい大国関係」とは言い方を変えれば周辺の小国とは別の関係を築きましょうということで、
日本をはじめアジア諸国と中国は別個の存在であるということを認めさせたかった訳だ。
もし首脳会談でそれに近いキーワードが出ていれば中国は有頂天になっていた筈
だろう。
しかし、アメリカは中国に対して、
北朝鮮問題にどの程度本気なのかを確認したいのと、
太平洋の防衛にどれほど興味を持っているかを、
様々の角度で分析するために同じような質問を角度を変えて何度も発した筈だ。
結果、中国のテレビも報道することがなくなり長時間会談したことと「新しい大
国関係」という言葉を繰り替えすこととなった。中国のマスコミというものは、
国民を統制するための政府のツールなのだからこうなることは仕方ない。
もう一方の神舟10号のニュース。
これはもう時期的にも端午の節句に引っ掛けて急遽振り替え休日3連休とさせる
くらいの熱の入れようだ。
もちろん端午の節句というのは言い訳に過ぎず、
これを国民に見せ付けるために発射日前後を3連休にし、
前週の土曜日曜を振替出勤にした。
そうとしか思えないような異様な振替休日だった。
そして、テレビは関連ニュースを色々探してきて繰り返し流している。
特に女性宇宙飛行士の話題をかなり盛り込んできている。
これまでような男性宇宙飛行士の宣言なり報告なりは、
全て軍部の力を鼓舞するような発言であり行動に見えてしまうが、
女性航空士となるとこれをかなり薄めることができる。
インタビューひとつとっても、30代なったばかりの女性が、
「子供のときにロケット発射や宇宙の映像を見てからずっとあこがれていました。」
などという。この一言で軍事目的の色は全て隠れるのだ。
私としては、「神の舟」が「酒の泉」から発射というだけでなんというか噴き出
してしまった。
中国人の自意識とビジネススタイルを宇宙開発にも持ち出すという笑うに笑えない恐ろしいネーミングだ。
当然彼らはこれが成功していけば、
資源を食い荒らしゴミは出し放題にするスタイルを改めることなく、
宇宙でもそれを進めていくことだろう。
いつの日にか、中華の華は世界ではなく宇宙のことであると言うかも知れない。
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