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それぞれの終わりには、
必ず新しい始まりがある
『三匹のおっさん』有川浩・著 文藝春秋
『塩の街』は、眉根に皺を寄せながら読んだけれど・・・
この『三匹のおっさん』は、昭和の匂い満載の痛快娯楽本!!
おっ・も・し・ろ・い!!
ただ・・・昭和を知らない平成の子どもにはちょっと分からないかなぁ?
どうなんでしょうか?
この著者、『塩の街』を読んだ時には、男性とばかり思っていたら、女性でした(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
「三匹のおっさん」とは…定年退職後、近所のゲーセンに再就職した剣道の達人キヨ。
柔道家で居酒屋「酔いどれ鯨」の元亭主シゲ。
機械をいじらせたら無敵の頭脳派、工場経営者ノリ。
孫と娘の高校生コンビも手伝って、詐欺に痴漢に動物虐待…身近な悪を成敗。
『三匹のおっさん ふたたび』も出ているらしいので、ぜひ読みたいです。
特設サイトもありました↓
http://bunshun.jp/pick-up/3ossan/
『怪物はささやく』
パトリック・ネス著、シヴォーン・ダウド(原案)
あすなろ書房
シヴォーン・ダウドは、原案を残したままなくなり、リレーして著者が作品を完成させる。
◇内容紹介◇
ある夜、怪物(イチイの木)が少年とその母親の住む家に現れた。
怪物はその少年に言う。
「わたしが三つの物語を語り終えたら、 四つめの物語をわたしに話すのだ」と。
そして怪物は付け加えた、その物語は少年が心に秘めた真実の物語であり、
その物語を語り聞かせるために少年が怪物を呼んだのだ、と。
少年が語るべき真実とはなにか?
少年がそれを語り終えるとき、この物語も同時に結末を迎える。
その大きな喪失感をもたらす結末は読む者すべてにそれぞれの 感動をもたらすことだろう。
13歳の少年は”それ”を受け入れ、飼い慣らし、乗り越えていくことができるのか…。
・・・物語はこの世の何より凶暴な生きものだ。
物語は追いかけ、噛みつき、狩りをする。
・・・物語とは油断のならない生きものだ。
物語を野に放してみろ。どこでどんなふうに暴れ回るか、わかったものではない。
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中学生の読書感想文の課題図書だったのですね。
ヤングアダルト本。
暗黒の表紙に惹かれて読み始めました。
初めは、本の扉が重かったけれど、次第に扉が開いて、読み進むことができました。
深い精神世界の物語です。
癌で亡くなったナンコのことを思いつつ読みました。
悩めるコナーは、悩めるわたし自身。
・・・人の心は都合のよい嘘を信じようとするものだ。
しかし同時に、自分をなぐさめるための嘘が必要になるような痛ましい真実もちゃんと理解している。
そして人の心は、嘘と真実を同時に信じた自分に罰を与えようとするのだ。
・・・イチイの木の怪物は、コナーが最後の最後に残された真実のなかの真実を話す
この瞬間(コナーを癒す)のためだけに歩いてきた。
★2012年度本屋大賞第3位★
『ピエタ』大島 真寿美・著 ポプラ社
司書の先生から「これは?」とオススメされた本。
読めました。
作者が今どきの年代ではないので、文章がしっくりきます。
一般書なので、中学生にはどうかな?とは感じました。
でも、わたしが中学生の頃は、文学全集などの大人的な本を読んでいたので、これくらいの描写は大丈夫かもしれません。
ヴィヴァルディ先生が奏でる音楽の輪~♪
文章がリズミカルで、長編なのにさらりと読めました。
一枚の楽譜の裏に書かれた詩がすべてを紡いでいく。
♪♪♪よろこびはここにある♪♪♪
内容紹介
ほんとうに、ほんとうに、
わたしたちは、幸せな捨て子だった。
18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。
『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児を養育するピエタ慈善院で
音楽的な才能に秀でた女性だけで構成される〈合奏・合唱の娘たち〉を
指導していた。
ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。
一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる――
聖と俗、生と死、男と女、真実と虚構、絶望と希望、名声と孤独……
あらゆる対比がたくみに溶け合った、これぞまさに“調和の霊感”!
今最も注目すべき書き手が、史実を基に豊かに紡ぎだした傑作長編。
『すみれ』
青山七恵:著 出版社:文藝春秋
図書室で、司書の先生が「これは?」と手渡してくれた本です。
今どきの本にいつも「?」を感じ、なかなか本の扉が開いてくれません。
題名の『すみれ』に惹かれて、表紙を開けました。
紫は、すみれの花が好きです。
あっという間・・・一気に読めました。
いちご(15歳)の藍子と父母の同級生の37歳のレミちゃんのものがたり。
そうそう、15歳って、こんな感じ・・・。
懐かしいいちごの記憶に浸りました。
ただ、これを今の15歳が読んだら、どうなのかな?
大人が振り返った時の15歳な気がします。
内容説明
「私がはじめて頭ではなく、心で書いた小説です」
そう作者が語る、今年度最高の感動作!
「一九九六年の秋から一九九七年の冬にかけて、レミちゃんはわたしたちと一緒に暮らした。」
――十五歳のわたしの家にとつぜんやってきて、一緒に棲むことになった三十七歳のレミちゃん。
むかし作家を目指していたレミちゃんには「ふつうの人と違う」ところがあった……。
季節の移り変わりとともに描かれる人の人のきずな、人間のみにくさと美しさ。
そして涙がおさえられない最後が待ち受ける。
いま筆力を最も高く評価されている、日本文学の正統な担い手による最高傑作。
内容(「BOOK」データベースより)
「あたし、当たり前の幸せなんか、いやだ…」。大人になりきれない37歳のレミちゃんともう子どもではいられない15歳の藍子。心ゆさぶる友情の物語。
表紙のブルーは、鎌倉の海だったって、最後に納得!!
『ミンティたちの森のかくれ家』ブリンク,キャロル・ライリー/著
谷口由美子/訳・中村悦子/絵 文溪堂
中村悦子さんの挿絵がこの本を惹き立てています。
新刊図書が入って以来、新刊本の棚から全く動こうとしない本がありました。
『ミンティたちの森のかくれ家』
わたしは、題名が気になって気になって・・・
今どきの本の題名と違います。
新刊本は、生徒のリクエストで入れているはずなのに、古き懐かしい雰囲気を醸したこの本はなぜここに並んでいるのか・・・?。
検索して分かりました。
感想画コンクールの課題図書でした。なるほど。
内容(「BOOK」データベースより)
1930年、世は正に大恐慌時代で町中に失業者が溢れているアメリカ。
ミンティとエッグズは、何をやっても上手くいかないパパといっしょに町を出て、伯母のところに向かう。
ところが、その途中、車がエンストして立ち往生し・・・そこで見つけた夏の別荘。
ミンティたちは、森の中にひっそりと建つその家で、ひと冬こっそりと住まわせてもらおうとするのだった…。
ニューベリー賞作家ブリンクがつづる、ウィスコンシンの豊かな自然を舞台の、ユーモアと詩情あふれる物語、初翻訳。
わたしが中学生だった頃に読んだ本に似ています。
なるほど、初翻訳だけれど、書かれた時代は古いのです。
『大草原の小さな家』と同じくらいの時代の物語。
この作品を中学生の頃に読むと、とりこになってしまったことでしょう!!
大人になった今読んでも楽しいです。
でも・・・今どきの中学生には通じないような気がします。
『お江戸の百太郎』
那須正幹・著 長野ビデ子・画
岩崎書店
子どもたちが小学生の頃、童話館ぶっくくらぶで、毎月本を取っていました。
その時に届いた本です。わたしは、未読でした。
読書の秋になって、何か本が読みたくて・・・手に取りました。
あなどるなかれ児童書です。
児童書の中でも素晴らしい作品がたくさんあります。
これは、何も考えずに楽しめる本です。
お江戸のものがたり。
内容(「BOOK」データベースより)
花のお江戸は本所・亀沢町のとある長屋に、大仏の千次という岡っ引きがすんでいました。
この千次親分、捕りものの腕はさっぱりで、これまで、手がららしい手がらをたてたことがありません。
そのぶん、むすこの百太郎がまァよくできた子で、おやじ顔まけ。
寺子屋の師匠秋月先生をはじめ、友だちのお千賀ちゃんや寅吉と協力して、悪人を向こうにまわしての大捕りものを演じます。
今の子どもたちは、時代劇も見ないでしょうから、このお江戸のものがたりも理解し難いのかなぁ!!と感じて読んでいます。
最近の小学生は『かいけつゾロリ』ばかり読んでいるといわれ続けて久しいです。
ロングセラー&ベストセラーです。
『ゾロリ』よりも面白い本がいっぱいあるのに、未だに『ゾロリ』人気は衰えません。
恐るべし『ゾロリ』。
『水のかたち 上』 宮本輝・著 集英社
内容(「BOOK」データベースより)
東京の下町で暮らす平凡な主婦、能勢志乃子。
50歳の誕生日に、近所の古い喫茶店で、年代ものの文机と茶碗と手文庫を貰い受ける。
後日、その茶碗の驚くべき価値が判明して、志乃子は骨董の世界に足を踏み入れていく。
予期せぬ出会いと友情が引き寄せる、新たな人生の喜び―生の希望に満ちた、傑作長編小説。
主婦志乃子は、中一の時に三好のおじさまから聞いた言葉を座右の銘にする。
『心は巧みなる画師の如し』心に描いたとおりになっていくってことなのよ。
心には、そんな凄い力がある・・・。
だから不幸なことを思い描いちゃいけない。
悲しいことを思い描いちゃいけない。
不吉なことを思い描いちゃいけない。
楽しいこと、幸福なことを、つねに心に思い描いてると、いつかそれが現実になる。
お伽噺みたいだけど、これは不思議な真実だ・・・。
忘れていた座右の銘を最近になって思い出した志乃子。
これって、宝石のオパールみたいだと感じました。
オパールを身に付けている時は、良いことだけを考えなければいけないって聞いたことがあります。
もうひとつ、心に響いたのは「鉄の塊を真っ赤に熱して、それを大きな金槌で叩いて叩いて鍛えて、鋼が出来あがっていくっていう喩えを引いて、人間もまったく同じなんだって・・・
鉄を叩いて鍛えると、いろんな不純物が表に出て来るんですって。それがある間は、鉄は鋼にはならない。そんな鉄で刀を造っても、ナマクラだ。鋼となった鉄でないと名刀にはならないって。
経済苦、病苦、人間関係における苦労、それが出てきたとき、人も鋼になるチャンスが訪れたんだ」というところ。
只の鉄と鍛えた鋼には、これほどの違いがあるのですね。
ちょっと平凡な主婦に、棚から牡丹餅は、あまりにあり得ない気もしますが・・・そこは、フィクションということで。
下巻が届いたので、続きを読んでいるところです。
宮本輝さんの本は、必ず初版本を買う。
もう長い間続いています。
初めて出合った作品はテレビドラマの『青が散る』
その原作本を探してからの長いお付き合いです。
途中、何が言いたいのかよく分からない作品が続きましたが、最近の作品は穏やかなものが続きます。
水のかたち・・・形がないけれど、目には見える形。
言い得て妙な題名だと感じています。
『あんじゅう』~三島屋変調百物語事続
宮部みゆき・著 出版社: 新人物往来社
~内容紹介~
一度にひとりずつ、一話語りの百物語の聞き集めを始めた三島屋伊兵衛の姪・おちか。
彼女のもとに不思議話を携えて様々な人がやってくる。
ある日、おちかは本所亀沢町の手習所<深考塾>の若先生・青野利一郎から 「紫陽花屋敷」と呼ばれる空き屋敷にまつわる不思議な話を聞く。
それは、<深考塾>の大先生である加登新左衛門・初音夫婦と、 草鞋に似た真っ黒な固まりである暗獣<くろすけ>との 交わりであった。
人を恋ながら、人のそばでは生きられない<くろすけ>とは……。
表題作をはじめ4話収録。
2008年8月『おそろし』~ 三島屋変調百物語事始を発売されてすぐに読みました。
(レビューはコメント欄へ)
その続きです。
『おそろし』が期待外れだったので、続きが出ても読む気になれませんでした。
が、先日、中学校の図書室に新書ノベルスとして新刊本が入りました。
折角なので、借りて読みました。
これ、中学生が読めるかな?・・・挿絵もなく、文字ばかりぎっしり。
『おそろし』の時は、主人公のおちかが鼻について嫌いだったのですが、お互いに歳を重ねたからか、今回はすんなり読めました。
百物語(これで9話が完了)なので、まだまだ続きがありそうです。
本を読みたい!!
最近の心境。
では、何の本を・・・?
これを読みたいと思う本はありません。
長男が置いていった本棚に文庫本がありました。
『水の時計』初野 晴・著 角川書店
【内容】
医学的に脳死と診断されながら、月明かりの夜に限り、特殊な装置を使って言葉を話すことのできる少女・葉月。
生きることも死ぬこともできない、残酷すぎる運命に囚われた彼女が望んだのは、自分の臓器を、移植を必要としている人々に分け与えることだった―。
透明感あふれる筆致で生と死の狭間を描いた、ファンタジックな寓話ミステリ。
第二十二回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
書き出しは、不朽の名作 オスカーワイルド作 『幸福の王子』ではじまります。
この名作を小学生の頃に物語で読みました。
(不朽の名作といっても、今どきの子どもが読んでいるかといえば疑問に思います)
『幸福の王子』をモチーフに展開していく作品です。
暗い。
途中で本を閉じそうになりましたが、そこを超えると一気に読めました。
★4つ。
最後が僅かに救われた気分になり、長男に「なかなかの作品だったよ」とメールしました。
彼からの返信は・・・「あの小説はくそだった。ワーストに入る」
なるほど、故に持っていかずに家に残していったのだと納得しました。
彼とわたしの好みの違いがよく現れた作品でした。
彼の世代では、すでに『幸福の王子』は死本なのか?
『考えない練習』小池龍之介・著 小学館
内容紹介
「イライラ」「不安」は、練習で直せる。
考えすぎて、悩みがつきない私たちに必要なものは、
もっと「五感」を大切にする生活。
それは難しいことではなく、ちょっとしたコツの習得で可能になる。
本書では、その方法(練習)を
気鋭の僧侶が余すことなく語りかける。。
さらに脳研究者・池谷裕二氏との「心と脳の不思議な関係」と題した対談も収録。
小池氏の著作のなかでもっとも実践的といえる本書で、
不安のない日常を手にしよう。
最近、よく見かける本だったので、手にしてみました。
昨日から、読み始めましたが、わたしの「ぐるぐる考える」力が、本を拒絶しています。
ぼちぼち読みます。
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