フリースペース
それぞれの終わりには、
必ず新しい始まりがある
『水のかたち 上』 宮本輝・著 集英社
内容(「BOOK」データベースより)
東京の下町で暮らす平凡な主婦、能勢志乃子。
50歳の誕生日に、近所の古い喫茶店で、年代ものの文机と茶碗と手文庫を貰い受ける。
後日、その茶碗の驚くべき価値が判明して、志乃子は骨董の世界に足を踏み入れていく。
予期せぬ出会いと友情が引き寄せる、新たな人生の喜び―生の希望に満ちた、傑作長編小説。
主婦志乃子は、中一の時に三好のおじさまから聞いた言葉を座右の銘にする。
『心は巧みなる画師の如し』心に描いたとおりになっていくってことなのよ。
心には、そんな凄い力がある・・・。
だから不幸なことを思い描いちゃいけない。
悲しいことを思い描いちゃいけない。
不吉なことを思い描いちゃいけない。
楽しいこと、幸福なことを、つねに心に思い描いてると、いつかそれが現実になる。
お伽噺みたいだけど、これは不思議な真実だ・・・。
忘れていた座右の銘を最近になって思い出した志乃子。
これって、宝石のオパールみたいだと感じました。
オパールを身に付けている時は、良いことだけを考えなければいけないって聞いたことがあります。
もうひとつ、心に響いたのは「鉄の塊を真っ赤に熱して、それを大きな金槌で叩いて叩いて鍛えて、鋼が出来あがっていくっていう喩えを引いて、人間もまったく同じなんだって・・・
鉄を叩いて鍛えると、いろんな不純物が表に出て来るんですって。それがある間は、鉄は鋼にはならない。そんな鉄で刀を造っても、ナマクラだ。鋼となった鉄でないと名刀にはならないって。
経済苦、病苦、人間関係における苦労、それが出てきたとき、人も鋼になるチャンスが訪れたんだ」というところ。
只の鉄と鍛えた鋼には、これほどの違いがあるのですね。
ちょっと平凡な主婦に、棚から牡丹餅は、あまりにあり得ない気もしますが・・・そこは、フィクションということで。
下巻が届いたので、続きを読んでいるところです。
宮本輝さんの本は、必ず初版本を買う。
もう長い間続いています。
初めて出合った作品はテレビドラマの『青が散る』
その原作本を探してからの長いお付き合いです。
途中、何が言いたいのかよく分からない作品が続きましたが、最近の作品は穏やかなものが続きます。
水のかたち・・・形がないけれど、目には見える形。
言い得て妙な題名だと感じています。
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ
投稿日 2012-10-11 19:06
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2012-10-13 07:42
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2012-10-11 23:32
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2012-10-13 07:45
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2012-10-13 10:33
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2012-10-13 13:14
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2012-10-14 07:14
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2012-10-17 03:05
ワオ!と言っているユーザー