幌尻岳遠征記5

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新冠ポロシリ山荘 新冠ポロシリ山荘
2013.08.24

「ふかふか亭」を4時半頃出発、北電ゲートを目指す、新冠から林道に入る直前で携帯電話(Docomo)は圏外となる。

「ふかふか亭」から北電ゲートまでは約2時間みたほうがいい、林道は未舗装、かなりのダートであり、乗用車は腹スリの危険を伴うので要注意。

林道に入るまで十分な標識は無い、新しく舗装された道などが多数あり、入念に下調べを行うこと、無論カーナビ等の目的地設定は当てにならない。

林道はライト点灯、地図などで直線距離だけで行程時間を考慮してはならない、ダム湖周辺の深い入江までを周回するので思わぬ距離があり、危険を伴うので40Km/h以上では走行出来ない箇所が多く、かつ長い。

路肩にはガードレールは無く、転落すれば死に直結する事故となる。

北電ゲートの直前に「イドナップ山荘」があるが、水もなく、カビ臭がしてとてもおすすめ出来ない、機材を別送する手立てがあればテント等での宿泊は可能、駐車スペースもある。

北電ゲートは2つのゲートがあり、右側のゲートに「入林届」のBOXがある。「登山届」では無い点に注意、ここは北電の管轄地で「好意」によって便宜を図ってもらっている点を忘れてはならない、ルートはこの右側のゲートから始まっている。

※北電ゲートは狭い隙間(横)から通過するが、ザックを背負っては通過出来ない、左側のゲートの左端に高圧鉄塔があり、その下を抜け右側のゲートの中に入る方法がある、ただし鉄板の「橋」、それもたわんで危険な部分を渡るが、ザックを下ろす必要はない。

林道歩き:

北電ゲートから17.5Kmで新冠ポロシリ山荘まで歩かねばならない。

林道は最後の2.5Kmを除けば比較的歩きやすい。ただしアップダウンは予想以上に多く、健脚であることはもちろんだが、十分なスタミナと前日の休養が極めて重要。

林道歩行の所要時間は往路が休憩込約6時間、復路は5時間(休憩は少ない)

林道には500m置きにガイドポールがあるが、倒れていたり、不鮮明なものもある。これとは別に山荘までの15,10,2Kmの案内標識もある。

北電ゲート起算の距離は奥新冠ダムまで存在し終点は15Km。

※往路はゆっくり十分な時間をかけて歩くべし、翌日の幌尻は急登の連続体力温存をしておかないと大変。

靴は登山靴ではかなり辛い、しっかりしたスニーカー等で歩行し、登山靴は別途携行したほうが良い、幌尻岳の後半はガレ場が多く、軟な登山靴は禁物。

林道には複数の沢があり水は豊富だが、飲水として保証はされていない、キタキツネの生息地であることを考慮すること。

北電ゲートから3Kmで「いこい橋」に、ここにも頑丈なゲートがあり、人がやっと抜けられる程度の回転式窓がある、無論ザックは外さねば通過出来無い。

※橋の下は深い谷、手すりは無い、通過時にストック等を落とさぬよう注意すること。

林道は落石危険地帯で、特に雨後は要注意、一般交通に供用されておらず2つのゲートで遮断されている点に注目。

ヒグマ:

ヒグマとの遭遇には十二分に注意を払うこと、ヒグマとの遭遇報告が時々ある。

北電ゲート付近でもしばしば報告があり、決して油断してはならない笛・爆竹などが有効とされる、遭遇時は決して逃げず立ち止まって相手が立ち去るまで動かないこと。

本州のツキノワグマとは比較にはならない危険度があることを認識すべき、特に重要なのは時間帯で、日没前夜明前には行動してはならない、ヘッドラップの点灯が必要な時間帯

は要注意、特に高緯度地域では日の出・日の入り時刻が本州とは比べものにならないほど季節により大きく変化する、早立ちは山行きの基本ではあるが危険動物環境を第一優先に考慮すること。

新冠ポロシリ山荘:

新冠ポロシリ山荘はいわゆる避難小屋ではない、ダム建設での動植物への影響を調査するための宿泊者用の施設で登山者用ではない、水は沢から引き込んだ冷水が蛇口から出ている(閉栓禁止)。

内部は1Fと2Fに別れ、更に更衣室のような別の部屋もある。収容人員は推定50人、床は板張り、但し1Fの床の30%は傾いている。土間にストーブもある、キッチンも広く、ここに沢水が引き込んである。

トイレは別に建屋があるが、極めて汚く不衛生、浄化処理機能は無い。

山荘東には川に降りることの出来る小道があり、洗濯その他が可能浅瀬となっているが増水時は要注意。

無論電源等は無く、携帯電話(Docomo)は圏外、ラジオも入りにくい。

山荘前には広場があり、テント泊も可能となっている。

山荘には銀マットや毛布もあるが、銀マットはともかく毛布は使用に耐えない(カビなどの汚損)。

ネズミが住み着いていている模様、糞があるし銀マットもかじられている。

山荘の構造として、入り口一番奥(北側)に2Fへの階段がある、一番良い場所は2Fの南側窓際だが、直下がキッチンであるため騒がしい場合もある。

洗濯モノ干しは入り口左側の屋根の下にスペースがある、また室内でも干し紐が多数あるが、決して乾きが良いとは言えない。

温度は8月でも朝方は冷え込む、夏用のシュラフは必携。
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