超絶技巧!
4月
22日
J・S・バッハの無伴奏パルティータ第一番全曲とF・M・トロバのソナチネを聞いた。
これは奇跡かというほど完璧であり、間違いはゼロだ、音も完璧に揃っており目が点になった。ここまで完璧だと何もコメントする余地がない。 先生は、マヌエル・バルエコということだ。このバルエコも最初日本に来たころ聞きに行ったことがある、やはりマシンのように正確でミスというものがなかった。しかし、近年行ったコンサートでは結構ミスがあり音にも切れがなくつまらなくなっていた。もともと音に魅力のある演奏家ではなかったように思う。考えられないような正確な演奏というのがウリだったので、ミスが目立つようになると、若干足が引く。 先生のことは置いておいて、彼女の弾きかたはバルエコに似ておりマシンのように弾く、音の粒は完璧に揃っている。
ソナチネの出だしの16文音符で一瞬揃わなかったかというくらいだ、恐ろしい女性がいたものである。 東欧系の目の覚めるような美貌の少女だ。
しかし、年齢が20歳ということもあるのだろうが、内容を感じさせるものはなかった。楽器はロバート・ラックを使っているのではないかと思われる(定かではない)いまどきの音量中心の楽器だ、音量は感じさせるがボワ〜ンという感じであまり魅力的な音ではなかった。 この種の楽器の特徴で音量はあるが音質に魅力が乏しいというものだ。非力な女性がホールで演奏するとなればこの選択も致し方ないと思うが・・・・聞こえなければ仕方がない。
村治香織の演奏はここまでの鋭さはないかもしれないが、音にも魅力がありもう少し内容もあると思う。
超絶技巧を楽しむという意味では一聴をお勧めする。それ以外のモロモロのことはこれからの彼女の成長と共に表現されていくだろう。
近年まれにみる才能であることは間違いない。