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投稿日 2016-09-29 11:38
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
枯れ葉が舞って秋のパァッカ、パァッカプルッ、プルップルップ、プルッ大げさな句読点の鼻ふくらませては得意げだ潤んだ瞳に誘われたてがみあたりを叩いてやった彼は喜んでいるのかプルップ、プルッたぶんそういうことだと思う憧れへ進み続ける走りは風景にしっくりと染まりながら秋を心地よく感じさせてくれるすこしくらい...
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投稿日 2016-09-28 12:03
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
えっ生命の誕生が地球からでなく彗星からだって宇宙の博士さん今日の講義もぶっ飛んでいるなあ俺たちの祖先は海からだと思っていたけどどうもそれは違うという理論が有力らしいよそれがさあ時速60,000キロで太陽系の果てから飛んでくる彗星に俺たちの起源があるらしいよもうなんてこと言っているんだよ博士!そんな感...
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投稿日 2016-09-27 23:09
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
風に吹かれよく詩に出てくるフレーズ同じ言葉を綴ってもひとそれぞれの風への趣きには違いがあり感受性にも違いがある風の中へ僕がやさしく手をさしのべエスコートをしているだろうか風に魅力があり退屈をさせてはいないだろうか風には哀愁があり独自の世界を創っているだろうかその風の中で君の喜びを満たすことができるだ...
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投稿日 2016-09-27 21:25
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
タンㅤタンタン タンㅤタンㅤタン水指に萩の緑が艶る柄杓の背で水面を掃き清らかな水を釜へ垂らせば一掃した日常を色づけてゆく雨の音シャッㅤシャッㅤシャッ シャッㅤシャッㅤシャッ 茶筅通しはゆっくりと ゆっくりと水に馴染む音侘び寂びの扉は開かれる炭から奏でる練香の昔々に遡る喜び床(とこ)の額紫陽花今の色梅雨を楽しむ雲心地抹茶を溶く器に浅葱色の薄手金継ぎされた青磁平茶碗受け継がれる茶の精神砕けても七転び八起き茶碗をまわし無地にもある表裏弧を描き静かに飾る顔合わせ正客様一服目を閉じ味わう時の旅梅雨良しとㅤ語り繋げよㅤかたつむり結構なお点前で夏釜の広き蓋閉じる扉は少し開けたまま湯気は雲となり雨となり梅雨を...
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投稿日 2016-09-27 21:09
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
今夜は揺れるなあ東京タワーのてっぺんいつもながら座り心地が悪い今夜も座布団を忘れる上弦の月は俯瞰する景色をほんのり淀ませる何が楽しくて光になってあっち行ってこっち行って迂回しているのさそんな狭いところで何が見えるというのかいストレートネックは君たちの進化なのかい下ばっかり見て自然から遠ざかる変異は退...
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投稿日 2016-09-27 21:06
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
立ち竦む私顎から指先から垂れる滴はやがて繋がるカラダが漏斗になりその垂直な流れは水溜りをなす表面張力を超えて無意味に拡がる流れ着く果ては水かさが一向に増えぬ海への虚しさ止まぬ雨の中私の絶望と真逆に向かう母が行く雨粒が曲げた腰を打つ其処には惨めさなど無い母の行き先は明確足を滑らし母は蹲りなるがままに雨...
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投稿日 2016-09-27 20:58
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
邪念ㅤ邪念 ㅤ邪念邪念を渡る橋はなく立ち止っては孤立無援(こりつむえん)ならば此処に坐り消せぬ己の鬼対峙の恐れに臨(のぞ)めばありのままの己に習う己を観ずにひとは観えず舞うひとを観て己は観えず己を観入ってひとを観るただ此処に坐り己の仏を掌(てのひら)に命脈を保ち心身脱落浄土に坐る蕾ひとつ救い手の花びら八方開き自由を齎(もたら)し悟りの一輪此処に坐り己を照らし世を照らす禅の道は浄土への道孤立無援 / 三省堂・実用日本語表現辞典より引用…仲間・味方だれもおらず、助ける者もいないさま。自分だけで戦う様子。心身脱落 / 三省堂・実用日本語表現辞典より引用…道元の用語。身と心の束縛から自由になり、真に無...
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投稿日 2016-09-27 17:32
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
とても明るいいつもの朝だというのにあれっ、家族がみんな起きているんっ、こりゃ寝坊か目覚ましのアラームが鳴る前に起きるようになり数年が経っていた時間をセットしない日もちらほろ油断の隙に躓いてしまったいやいや、それでも遅刻はしないいつも職場にはかなり早く着いている寝坊を一時間しても大丈夫なんせ、歳を重ね...
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投稿日 2016-09-26 23:30
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
人が見る背景を消し俗世界を脱け出す言葉を捨て暮らしを捨て葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず煤けた馴れ合いの衣を剥ぎ取り裸の表現者に微塵の躊躇はなし芸術の道具など要らない言葉以前の世界で叫びの匂いを感じ赤子になった全身からは唸りだけが発する空間の揺さぶる振動は魂を燃やし塵灰(じんかい)となった生き様そ...
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投稿日 2016-09-26 06:45
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
木製の床に油その存在感のある匂いは黒く、てかてかしていたおじさんはあたり前のようにタバコを吸いシートはぽこぽこと焦げえた穴がちらほら風天の寅さんみたいな酔っぱらいが叫んでこっちに来るなよこっちに来るなよ子どもの私は祈った扇風機のある車両だと首振りに合わせて円を描いてはくるくる回っていたがたん、ごとん...