「仕事をするとき、いつでも日本のために、そして誰かのためになれるように心掛けている」と言ったら、デザイナーさんから笑われてしまいました。 本当、理想論ですよね。分かっています…でも、いつもいつも私の心の中にはその思いがあるのです。原稿を書くときや何かを編集するときも「これを読む人がひと時でも日常の疲れを忘れて楽しんでほしい」と思いますし、日本企業のお手伝いをするときは、全米で大ヒットして日本を潤してほしいと思います。 このような気持ちが強くなったのは、何より以前取材させていただいた台湾のおじいちゃん、おばあちゃんの影響でしょう。日本の植民地時代に教育を受けた「日本語族」と呼ばれるおじいち...
先々月号の「子育てと仕事の両立」の回で、「アメリカ人男性と結婚した日本人女性がまず驚くのは夫がまっすぐ帰ってくること」と書いた。そして「残業なし社会」が子育てを大いに支えている、と。すると、編集部のTさんから「どうやったら „残業なし〝 が可能になるのでしょう」という質問が来た。 確かに。やってもやっても終わらない仕事の山、残業しても足りない時間。そんな仕事現場で、皆が毎日定時に涼しげに帰れるというのは、どんなからくりがあるのか。 その答えは簡単。有無を言わせぬ最大の強制力―そう、法律だ。アメリカでは「サービス残業」は1時間でも違法である (※1)。2015年度には1万496件 (※2)が...