少年が親を憎むように、依存関係があることによってトラブルが発生する。
その関係が近ければ近いほど、トラブルの発生率も高いようだ。
セム系一神教を図式化したSem Treeを見ていると、現代の戦争の本質が見えて来て実に興味深い。さて、昔読んだハル・リンゼイの『今は亡き大いなる地球』(1990)は米国で1800万部、世界で3500万部を出版した怪物書だ。終末戦争後に「キリストの再臨」を主張するキリスト教原理主義者によれば、原罪からの人類救済計画のシナリオは、次の順に進展するという。【1】ユダヤ王国再建
【2】「携挙(ラプチャー)」の開始
【3】ハルマゲドン開始
【4】キリスト再臨
【5】「千年王国」開始
【6】千年経過後天国に移住終末戦争が起こらない限り、人類は救われないのだからたちが悪い。
しかも、その後の平和も、わずか1000年しか続かないと言うのだ。ハル・リンゼイの解釈によると、「ハルマゲドン」はイスラエルの「メギドの丘(ハル・メギド)」が戦場となるのだ。
ここヘ旧ソ連・東欧連合軍(ゴクの軍隊)、アラブ・アフリカ連合軍、中国が率いるアジア連合軍、「反キリスト」が率いるヨーロッパ連合軍が侵攻しては、神の降り注ぐ核兵器もしくは天変地異で壊滅させられる。
地球上に生き残った1/3の人類と、それ以前に携挙された者が「千年王国」の民となる。良いね〜、人口1/3。
地球上で暮らす人間の適切な量だろう。
では、地球を救うために、核戦争も正義になりうるのか?
このシナリオを信じる者は相当数実在し、その登場人物になろうとする者もまた多数居るのだ。そこで、このSem Treeだ。
キリスト教もイスラム教も根は同じ。
もちろん同じ終末思想を持っている。
終末思想を現実のものにするという意味では、大変まずいことに、両者の利害が一致する。
核兵器の応酬なくして、この戦争は終わらない。ハル・リンゼイのシナリオに、アメリカという国が登場しないのも興味深い。
日本も登場しないが、中国に飲み込まれた後なのだろうか?
その謎は、僕にもまだ解けていない。読書の秋だ。
少々予備知識は必要だが、「The Late, Great Planet Earth 」探してみるのも面白いかも。The Late, Great Planet Earth is the title of a 1970 book co-authored by Hal Lindsey and C. C. Carlson, and first published by Zondervan. The book was later adapted into a movie narrated by Orson Welles.The best-selling book examined then-current events and compared them with Christian beliefs about prophecies made in the Bible, arguing that the end of the age was fast approaching.Whether the book's central thesis originated with Lindsey or with Carlson is not clear, since Carlson is a ghost writer who has co-authored many books, mostly with a religious theme.