知識の価格1500円
6月
3日
うちの会社は新卒よりも、社会人経験のあり、なおかつITエンジニアを目指す若者の採用を強化している。
IT業界の経験はなくとも、自らITスクールに通っているような努力家を評価している。
適性試験も受けてもらうので、論理的思考や対人スキルも採用評価基準としている。
つまり合格者は、かなり芽のある人材ばかりだ。
リーダー役は、実際に技術力が高く、スケジュール管理能力及び自身の持ち分を必ず期日までに仕上げる責任感の強いエンジニアが選ばれた。
ここで問題が勃発した場合、それは管理者であるマネージャーや僕の責任となる。
リーダーはエンジニアとして優秀ではあるが、部下を持ち教育する方法を理解していない。
新規採用された社員は、リーダー1年生の教え方を批判する。
人間性とか、性格とかそういう事ではなく、上司も部下も初めての事でテンパっている。
実に面白いのだけど、面白がってはいられない。
誰の人生にとっても、こんなところでつまずいている暇はあるはずがない。
こういう状況を作ってしまったのは、やり方を指導していなかった僕ら経営層の責任なのだ。
新人は、覚えて完成させていくことに達成感を持ち、リーダー1年生は新人が成長し戦力に変わっていく達成感を持つ。
そういう環境に移行すると組織が好転する。
僕らが当たり前だと思っていることを知らないわけだから、それを体系的に伝えるのに良い本を探して、じっくりと話したうえでその本を渡した。
その知識、概ね1500円。
本人たちが人生の一大局面だと感じている状況は、わずか1500円の実践的知識を持っているかどうかで解決される。
僕が歩んできた人生の岐路でも、1500円と1時間ほどを惜しまなければ解決できたであろうことも少なくはないはずだ。