今年の8月、ニューヨークで体外受精クリニックを開いている
ドクター グライヒャー(Dr. Gleicher)と再会してきました。
今年の7月には、日本に来てもらい、
アメリカの医療情報等についても教えてもらっています。
当院ホームページで
たったひとつリンクしてある世界的に有名なクリニックです。
不妊症の方には、
卵巣機能を若返らせる(卵子の質を高める)可能性がある、
DHEAという性ホルモンをご存じのことと思います。
ドクター グライヒャーは、2005年、世界で最初に
その効果を発表した人です。
1987年来の友人であり、研究のボスでもあります。
数年ぶりの ニューヨークでしたが、
新しい世界貿易センタ―ビルがほぼ完成しており、
復興したニューヨークを肌で感じてきました。
心の中はみえません。
現実の社会と結びついていますが、
別世界です。
現実の社会に不満と不安があり、
居心地が悪くても、
心の世界まで支配されないでください。
空腹の時のご飯のおいしいこと。
疲れた時に見る空の美しいこと。
人のいない自然の中に身を置いたとき、
心から居心地がいいはずです。
人は、自然の中のほんの一部でしかありません。
小さなアリと同じなのです。
見えない世界を 豊かに 大切に 。。。
心が壊れているとき、
何かに救いを求めたいとき、
亡くした天使たちや、
いろいろな神様に、
何とか助けてほしいと、
祈ります。
祈る心は本当に大切なものです。
ただ、いっしょに、
感謝する心
も必要なようです。
辛くても、苦しくても、
これからという時間をいただいているのですから、
もう一度、
立ち上がることができるのですから。
もう一度、
前に向かって歩けることができることにも、
神様に感謝です。
感謝して祈ります。。。
過剰なストレスを背負い、
押しつぶされそうなことは、よくあります。
そんなとき、
ストレスに強い人と、ストレスに弱い人がみえるのです。
ストレスに強い人は、
ストレスの原因を自分だけで長く、ため込まない人です。
(いろいろな情報を捜し、
人にそれとなく話している、ぶつけているのです。)
ストレスの原因が解決できなくても、ほかの道も探せる人です。
(生きる上で絶対的なものはありませんので、
考え方を少し変えることができるのです。)
ストレスに弱い人は、
自分が後手になったとき、自分の弱さを隠してしまう人です。
心配事があると、他のことが手につかず、
一歩も前に進めなくなってしまう人です。
性格特性はなかなか変えられませんので、
受け入れるしかありません。
自分のペースで、できる範囲で、
ストレスを和らげていきましょう。
過剰なストレス状態は
不育症、着床障害の原因のなかでも、
検査と治療がなかなか難しい領域なのです。
流産を繰り返し経験されれば、
落胆と悲しみと、そして、
これからの自分に不安が渦巻いてくると思います。
これから検査したほうが良いのか?
それを決めるための1つの医学情報をお知らせします。
自然妊娠可能で、
次は何とかなると考えられる方、
そして、高齢ではない方は、
無検査(無治療)であっても、
約60%の確率で無事出産されています。
参考として、当院ホームページの
「不育症の医学情報2010」の(3)を見てください。
自分を見失っているとき、
何もする気が起こらず、
ただ、惰性的に日々を過ごしているとき、
思い出すと悲しくなり、
憂うつな気分になっているとき、
私は 「これからの自分」 を
いろいろと想像してみます。
辛くても、
時間がたてば、
少し気持ちが落ち着いてくるものです。
少しでも、少しだけ、気分が軽くなってきたとき、
そのとき、
「これからの自分」 を
考えてみてください。
いろいろな
これからの自分の姿を想像してみると、
そうすると、
「これからの目標となる自分」
の姿も見えてくるはずです。
それが
「これからの生きる目標」 です。
卵(受精卵)がいつまで発育できたかの違いです。
体外受精・胚移植の場合、移植(着床開始)してから
約1週間かけて子宮内膜内に入り込んできます(着床完了)。
それまでに発育停止すれば、「胚移植不成功」です。
着床はほぼ完了して、経膣超音波検査で
胎嚢がみえる(妊娠4週5日ごろ)までに発育停止すれば、
「化学流産」です。
胎嚢が見えてから妊娠22週までに発育停止すれば、
「流産」です。妊娠12週までの流産を早期流産と言います。
実際には、妊娠10週までの流産がほとんどです。
発育停止の時期により、原因別頻度の違いがあります。
「化学流産」は「流産」の回数には含めないというのは、
主に、今までの臨床医学統計が
「流産」で行われているためです。
「化学流産」も「ごく初期の流産」ですが、
流産手術の必要がなく、
心身への負担が少ないと考えられているので、
一般的な「流産」と区別されています。
最近、「生化学的妊娠」とも言われています。
ある不育症患者さんが不妊仲間から、
「流産がうらやましい」
と言われたそうです。
ご本人は、
流産するくらいなら妊娠しないほうがマシ
(精神的にも肉体的にも)と思うほど
追い込まれているのですが。
それほど、流産という悲しみと苦しみは理解されないのです。
実際は赤ちゃんを亡くしているのに、
周りの人からは
「流産くらい」
「お産が流れただけ」
と受け止められてしまうのです。
今は心が壊れているかもしれませんが、
きっと、
亡くした赤ちゃんが背中を押してくれますよ。
亡くした赤ちゃんのためにも、
今を受け入れて、
負けないで。。。
ブログ No.207の 「代受苦」 もお読みください。
「不育症」と「着床障害」の原因は、
大別して、
ほぼ偶然的(運命的)な卵の異常(染色体異常)か、
ほぼ必然的な子宮内環境の異常(体と心)の
ふたつです。
多くの場合、
ひとつの原因で、
今までの流産と移植不成功のすべてを
説明できません。
最初は偶然的な原因であっても、
子宮内への化学的物理的ストレスと、
心への心理的ストレスによって、
新たに必然的な原因が発生していることが多いのです。
最近ますます、
「不育症」と「不妊症」の両方に悩まされている
患者さんが多くなってきています。
楠桂さんの 「不育症戦記」 の本のなかで、
私がコラムとして解説した2010年ごろは、
「不育症」の4人に1人が「不妊症」
の治療を受けていましたが、
2012年ごろからは、
「不育症」の3人に1人が「不妊症」
の治療としての体外受精・胚移植を受けています。
今まで自然に妊娠できていたご夫婦が
「不育症」という強いストレスによって、
妊娠することも困難になってきているのです。
この場合、
1日も早く妊娠・出産したいという気持ちにより、
体外受精・胚移植を考えられる方が多いのですが、
自然妊娠が最良ですから、
できれば、たとえ3~6か月間であっても、
流産した赤ちゃんの供養をしながら、
お互いをいたわりあい、
まずは一呼吸 置かれると良いと思います。
ご夫婦の人生のなかで
無駄な時間はありませんから。
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