謎と必然性のバランス
2月
6日
全体的に意味不明だった。
中盤あたりは、ストーリーの勢いや映像美に引き込まれて、
序盤の疑問や違和感が帳消しになりかけたけど、
またすぐに置いてけぼり感を味わうことになった(笑)
「は?」、「なんで?」、「いやいや……」、
「ダメだろっ!!」、「わけわかんない……」
何度もそんなツッコミを入れながら見ていました(笑)
最後まで見れば疑問や違和感がなくなるとは、
これっぽっちも思ってなかったけど、
まさかここまで、見れば見るほど、
疑問や違和感が積み重なっていくとは思わなかった(笑)
この作品、ぶっちゃけ必然性が薄いのよ。
理由付けが薄い。
薄いというか、もはやない。
なんで、陽菜が「天気の子」になったの?
もう一度、母親と一緒に青空の下を歩きたかった。
そう願えば、誰でも天気の子になれるんですか(笑)
あの廃ビルの屋上にある神社はいったい何なのか。
その説明も一切ないし。
なんで帆高が拳銃を拾い、
それを持ち歩くことになったのか、
その経緯の説明もないし。
別に、言葉でいちいち説明してほしいわけじゃなくて、
それとなく描写してくれればそれでいいけど、
それをところどころに散りばめてくれれば
それでいいけど、
それが全くないんだもの。
ほんの一瞬、「え?なんでこんなもの入っているんだ?」みたいな描写をして、
それで終わり。
「おもちゃだと思ってた」というセリフはあるけど、
だからって、ずっと拳銃を持ち歩くか?
本物だと知った後も、
何食わぬ顔で平然と持ち歩くのも理解できない。
持っていることに罪悪感を覚えるでもなければ、
護身用として持ち歩いていることを伺わせる描写があるわけでもない。
ただ、ピンチの時にいきなり取り出して、
震える手でかまえて、そんで発砲して、警官に追われる。
ただ、それだけ。
他にも疑問点はいっぱいある。
なんで、陽菜が「人柱」なんてものになってしまったのか。
この作品で言うところの「人柱」とは、「巫女」とは、いったい何なのか。
彼女が贄となることで、ならないことで、
何が起きるのか。
いったい何がどうなって、天気に変化が現れるのか。
その辺が全く描写されていない。
頼むから、お得意の「小説読めばわかるよ!」は辞めてほしい。
読者や視聴者を物語に引き込む誘因として、
「謎」はものすごく重要だけど、
次々と新たな謎を作り出して、
その答えもヒントも明示することなく、
「雰囲気でわかるでしょ?わからなかったら小説でも読んで」と
言わんばかりのストーリー展開は、違うと思う……。
……。
なんか、朝はめっちゃ天気よかったのに、
急に天気が荒れてきた……。
そんな時に何だけど、
「天気」、「雨」、「巫女」、「人柱」というワードで
思い出すのがこの曲なのだ。
君の名は。
10月
22日
見終わった直後に、また最初から見たくなる。
最初のうちは、「これ、めちゃめちゃタカマガハラや!!(笑)」って思って見てた。
タカマ那智と中ツ那智の入れ替わり話書こうかって思うくらいに。
でもこれ、「胡蝶の夢」要素だけじゃないんだね。
いろんな懐かしさと斬新さが詰まってる。
途中からはもう、ハラハラドキドキ。
いろんな意味で圧倒されてた。
美しすぎて、見過ごしてしまった可能性。
まさか、そんなっていう衝撃。
そして、その言葉がここで生きてくるかっていう驚きと感動。
ああ、マジでもう一回見たい。
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
6月
28日
ようやく、劇場版&アニメ版を見ました。
劇場版は、アニメ版の総集編+αって感じですね。
アニメ版を見て思ったこと。サブキャラ達がものすごく切ないよぅ。。。
メインのふたりよりも、サブキャラたちに感情移入して見てました。
こういう、登場人物すべてにそれぞれの魅力が詰まってる作品、大好きです。
逆に、脇がお粗末で、メインに感情移入できなきゃアウト!!って感じのお涙ちょうだいものは苦手です。
ええと、話を元に戻して……。
見る前は、ヒロインの亡霊が、主人公にしか見えないっていう設定、知らなかったんですよ。
だから余計に、その設定ゆえに起こるいろんな葛藤に引き込まれました。
人間模様というか、心理描写っていうか。
なんか、すごくおもしろくて。
うわぁって胸に迫るものがありました。
なんとなく、「北のカナリアたち」や「十年後の卒業文集」に似てるなぁって思った。
ある事故がきっかけで、心に傷を負い、疎遠になってしまった子どもたちって設定とか、
その数年後に、それぞれが当時の思いを吐露していく過程とか。
すごく、おもしろかったです。
トリック劇場版ラストステージ
1月
27日
全体として、ものすごくおもしろかった!!
ラストでようやく、「ああ、そうか!だから月光が主題歌なんだ!!」って思った。
ラストの上田の表情がもう、何とも言えず、うるうるうるうる(ノд<。)゜。
呪術師としての最期の役目……。
めちゃめちゃ、タカマを彷彿とさせるでないかいっ!!
すごく、すごくよかった!!
思い出のマーニー
8月
10日
ジブリ作品独特のドキドキ感、わくわく感は一切期待してませんでした。
だって、それを脱却しようとして作った作品だと思うし、
それを期待したら後悔する、というレビューを目にしていたから。
だから、そういう“ジブリらしさ”ではなくて。
少女の心の内面を、その変化を、繊細に描いた作品だと紹介されていたから。
そこを期待して見に行ったのに。
見事裏切られました。よかったのは、映像がすごく綺麗だったことだけ。
夜の入り江、めちゃめちゃ綺麗でした。
なんていうか。アンナの心の葛藤がなさすぎる。
サイロのシーンが薄すぎる。
そこ、重要でしょ!?もっと盛り上げようよっ!!って言いたくなる。
あと、「和彦」の扱いが雑。「和彦」に対するアンナの思いも雑。
なんで、マーニーが自分を和彦と勘違いすることにもっと戸惑いと苛立ちを覚えないのかがわからない。
マーニーの、「だってあのとき、あなたはいなかったもの」のセリフが生かしきれてない。
アンナがなぜマーニーを許せるのかがわからない。
マーニーと和彦が結ばれる過程も意味不明。
もっと、もっと、描いてほしかった。
もっと、もっと、“みせて”ほしかった。
描き方次第で、みせかた次第で、絶対にもっとおもしろくなる。
そんな作品。
わすれなぐも
5月
19日
あらすじ的にも、これは絶対、私好みの代物。
だって、上代と現代が入り混じる世界観に、母を捜し求める幼子、
妖怪に憑りつかれっちゃったっぽい青年と来たら、あんた・・・!!
ただひとつの問題点。
それは、化け蜘蛛が出てくるということ。(←蜘蛛嫌い)
いいのか?本当にいいのか?化け蜘蛛が出てくるんだぞ?
たとえどんなに娘蜘蛛がかわゆくても、母蜘蛛はきっとキモいぞ?
いいのか?それでも本当に見るのか?
と、自問して。一度か二度は、手に取ったDVDを棚に戻して。
んで、 やっぱり見るっ!!だってかわいいもんっ!!
話的にもぜったい好みだもんっ!!
で、レンタル決定(笑)
借りてよかった蜘蛛ん式。
もうね、超おもしろかったっ!!
よくもまあ、これだけのものを26分でまとめたこと。
衝撃のラストに ええええええええぇぇぇぇぇっ!? ってなって。
よもや、おまえもグルかぁぁぁ・・・!???ってなって。
ヒロインのキャラクターボイスが下田麻美さんだったことをエンドロールで知り、
間髪入れずに、そのまま二度見(笑)
後味は非常に悪いですが。
製作スタッフの「ホラーを描きたかった」って言葉に納得。
だったら、それもアリだよね、って思った。
こんだけ後味が悪いのに、こんだけ余韻に浸れる作品は初めて。
超おもしろかったです
かぐや姫の物語
12月
15日
ネタバレ及び勝手な解釈含みます。
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姫が月から地上に降ろされる遥か前。
姫はもともと、地上で暮らす人間だったんじゃなかろうか。
人生の喜怒哀楽を経験し、生きているのが嫌になり、
自ら死を選んでしまった。
そして、「月の世界」の住人となった。
そこは、穢れも哀しみもない、清らかな死後の世界。
しかし、自ら死を選んだ姫は、「罰」を受けることになる。
それは、自ら逃げ出したその場所で「生き直す」こと。
それは「罰」でもあり、「チャンス」でもある。
そのことにさえ気づかぬまま、「穢れた」地上で生きること。
それが彼女にとっての「罰」。
そして、彼女が再び「死にたい」、「こんなところにはいたくない」と思ったとき、
「チャンス」は奪われてしまう。
その後、感情にまみれて生きることを望む自分に気づいても。
生き続けることを欲し、どんなにそれを願っても。
「月の世界」すなわち、「虚無」にも似た死後の世界に連れ戻されてしまう。
そんな物語なんじゃないか、って思った。
私が感じ取ったことは、監督が描こうとしたこととは違うかもしれない。
でも私は、自分が感じ取ったことを大事にしたい。
その上で、もう一度見たいな~と思う。
るろうに剣心
7月
26日
いやはや、過去の描き方が絶妙ですな。
この段階で巴さん出すんだ~、とか思って見てました。
あと、見る前はミス・キャストだと思ってた蒼井優が意外といい味出してた。
輪郭的に絶対斎藤さんじゃないっ!!って思ってた江口洋介は、
やっぱ新撰組時代はどう見ても斎藤さんじゃなかった(笑)
でも、警官になって髪型変えたら、意外とぽかった。
アクションシーンは現実離れした動きもあったけど、
テンポがよくて心地よかった。
ただ、刃衛との対決シーンにはもっと時間割いてもよかったんじゃない?
あそこがクライマックスでしょ。
流浪人から人斬りに変わる過程とか、それを目撃しちゃった薫ちゃんの心境とか、
人斬りから流浪人に戻る瞬間とかをもっと丁寧に描いてほしかった。
おぼろげな記憶ながら、アニメのあのシーン好きだったんだよなぁ。
北のカナリアたち
11月
27日
すごく、印象的な言葉です。
「後悔しないように生きなさい」ってそのまま言っちゃえば、
単なる綺麗事みたいに聞こえちゃうのに。
この言葉は、なぜか、ストンと胸に落ちる。
そのくせ、重たく響いてる。
重たいけれど、味わい深い。
そんな映画です。