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牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA   

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第42話 コロナ、ロックダウン、妻の事故 
⑮「 祈りの援軍 Part 2 」  

   事故からちょうど1月経った日、思わぬ客人がSD(サンディエゴ)からやって来た。ボニータ教会の荻原神学生ご夫妻だ。わざわざ往復300キロの道をギフトを持って駆けつけてくださった。実は彼らとは4年ほど前にFBで繋がり、遠方ということもあり会うのは3年ぶり、しかもこれがまだ2度目なのでそれほど親しいとは言えない。にもかかわらず親しく感じるのは言うまでもなく祈りの友、信仰の友であるからだ。だがそれだけではない。

実は彼(通称テッチャン)は私と同じく鮨板前をしながらミニストリーをしており、しかも奥さんも飲食店勤め、つまり私ども夫婦と同じなのだ。おまけに彼は詩篇100篇でワーシップソングを作り自らジャカジャーン!とギター伴奏したり、福音4コマ漫画「イエス様といっしょ」を書いてFBに投稿したり、何とも愉快で多彩な御仁だ。

しかも今回の訪問にあわせて彼は本投稿「シェア・フロム・LA、第26話」を漫画化した原稿までプレゼントしてくれた!ビックリ! 彼はサーファーでもあるので、「ボクも真似して『牧師、サーファー、鮨職人、プラス漫画家』で行こうかな。先生いいですか??」などと どこまでもひょうきんな人だ。

実はこの頃、妻は激痛で殆どで眠れず、そのうえロックダウンで人に会えないのでストレスが限界に達していた(39話参照)だけに、ご夫妻の愛とテッチャンのユニークさにどれだけ助けられたか分からない。特に彼が描いた漫画には大笑いして事故の暗いムードを吹き飛ばしてくれた。正に詩篇100篇のとおりだった。小さな単立のハウスチャーチでも主は目をかけてくださり、折に叶った助けを送ってくださることを知った。晴れるや!

「全地よ。主に向かって喜びの声を上げよ!
 喜びをもって主に仕えよ! 喜び歌いつつ御前に来たれ!」  
 詩篇100篇1-2節  
                    11-13-2020

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第41話 コロナ、ロックダウン、妻の事故 ⑭「 祈りの援軍現る 」  

   事故から一夜が明け朝になった。やることが山のようあるが、最初に浮かんだのが失われた車の確保だ。これがないとどうにもならない。とは言えロックダウンで収入がないのに これから医療費も払わなければならないのでボロ・ハーレーを売ることにした。すでにFB(フェイスブック)では祈りのメッセが殺到していたものの、近所のリアル友の祈りが必要だ。ウチは小さなハウスチャーチでおまけに単立教会なので他教会の牧師とは日頃あまり会うことがないが、50キロ離れたローリングヒルズカベナント教会(RHCC)の日本語部で牧会するノリ牧師の顔が浮かび電話をした。

彼は日本で広告代理店で働くエリート社員時代にMBA(経営学修士)取得のため米国留学し、その際にイエスさまと出会い献身に導かれ、神学校に入り直して神学修士も収めたスーパー牧師。何でこんな優秀な人が私と付き合ってるのかサッパリ分からない。同教会はいわゆるメガチャーチで4000人ほどの信者がいるので、出来れば誰かにバイクの売却や車の購入などで都合して貰えないかと考えたが、彼はバイクの写真をまずFBに載せろと言う。でも私のFBページは日本向けなのでハーレーの売却には寄与しないことは明らかだ。

しかし御霊の声と信じてポスティングしたところ、それを見たFB友たちは「ミッキーはハーレーを売らないといけないほど困ってるのか!」などと大きな反響を呼んだ。実際には要らないから売ろうとしただけなのだが、この妙な“勘違い”がさらなる祈りを呼び起こし、多くの方々からと励ましと恵みをいただくことになった。しかもノリ牧師夫妻が先陣を切って大きなギフトを捧げてくださった。

いっぽう、妻はこの頃、祈りで懸命に支えてくれている出身教会向けに感謝の気持ちを込めて彼女の証しを録画して送り、女性陣を中心に喜ばれ大いに恵みの時となったが、何とそれを聞いたノリ牧師はぜひRHCCのホームページでも投稿したいと申し出てくださった。その結果RHCCでも女性陣を中心に恵みの時がもたらされ、しかも見ず知らずにもかかわらずも献金まで届いた。さらにそれと前後して同教会メンバーで10年にわたり私の祈りの友であるミッチさんも驚くほどの献金を送ってくださった。“ヨソの教会”の人々にこれほど献金して貰ったのは初めてだ。その後、半年にわたって様々な方々からギフトが届き合計1万ドルを突破したが、驚くほど少人数でそれは達成された。言うまでもなくこの援軍がなければ私たちはとうに破産していた。    

「なぜなら、この奉仕のわざは、聖徒たちの必要を十分に満たすばかりでなく、
 神への多くの感謝を通して、満ちあふれるようになるからです。」 
                第二コリント人への手紙9章12節

11-6-2020
写真:「マスクを着けて記念撮影」ノリ牧師(左)とミッチ氏

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第40話 コロナ、ロックダウン、妻の事故 
⑬「 死からよみがえった女 」  

   「私、もう死んでたんやな。。。」 事故からしばらくたってから、事故の写真を見た妻はそうつぶやいた。2人で大破したマスタングの写真を見ながら言いえて妙だと思った。

8月2日の朝、首都高の湾岸線で100キロ以上で走るポルシェが前を走っていた黒いワゴン車に追突し、ワゴン車に乗っていた夫婦が車外に投げ出され死亡したことがあったが、今回の妻の事故も殆ど同じ状況だった。妻が路肩に寄せるために50キロ程度まで減速し始めたところ、後ろから100キロ以上のスピードで追突された。ブレーキ痕はなく、直撃されたことまで首都高の事故に酷似してる。しかし日本車に多い小型車やアルミボディの軽量車でなく、鉄製で重く車高の低いアメ車だったおかげで助かった。さもなくば吹っ飛ばされてひっくり返っていたに違いない。また、古いボロアメ車のせいでエアバッグが開かなかったが、不思議と顔面を強打することもなかった。何もかも、力強い御手で妻を守って下さった神のおかげだ。

「私はもう一度 死んだんや。でも神さまが死から救い出してくれた。イエスさまは私のために十字架にかかり、すでに一度、私を死から救ってくださったけど、今度は事故からも救い出してくださった。私は死からよみがえったんや。だから今後はますますイエスさまのために生きたい! 」 妻の決意表明とも受け取れる力強い言葉に私は驚いた。聖霊の強い力を感じつつ。。。

実はその頃、ロックダウンが始まって間がなく、仕事の復帰は叶わず、政府の援助や失業保険もまだ届いておらず、先行きが全く見えなかった。そこへ急に起こった大事故。莫大な医療費がかかるかも知れないし、アメリカ名物の訴訟沙汰にでもなったら とてもではないが太刀打ちできない。しかし妻は激痛に耐えながら言葉を絞り出す。「体はボロボロだし、お金もない。私にとって人生最大のピンチ。でも、人生最大の平安がある。」と。 ああ、何という主の憐みだろうか! 妻から「大丈夫」の絵文字を受け取った時(37話 ⑩参照)、私はすでに勝利を確信したが、今、妻にもこのような雄々しい霊と言葉と確信が与えられるとは! 正にそれは

「私たちは、四方八方から苦しめられますが、
 窮することはありません。
 途方にくれていますが、行きづまることはありません。
 いつでもイエスの死をこの身に帯びていますが、
 それは、イエスの命が私たちの身において明らかに
 示されるためです。」第二コリント人への手紙4章8,10節

の言葉の通りだ。そして彼女はその後、その言葉通り激痛に耐えつつ御霊の力で歩んだ。痛みで眠れない日が続く中(39話 ⑫参照)、不平は一切言わず いつも感謝していた。料理をし、銀行や買い物へ行き、ミシンで枕カバーやマスクを縫った。妻は横になっても座っても痛みがヒドイので、むしろ立って何かしてる方が楽なのだと言っていたが、どう見ても彼女の力以上の何かが働いているのは明らかだ。言い尽くしがたい神の大きな御手による力と守りが妻を支えていた。      10-14-2020

PS: バックナンバーご希望の方は当教会HP: socalbiblechurch.com をご覧ください。

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神さまへ、

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神さまへ、
神さまへ、

あなたはかつて私に良くしてくださいました。
そして今も良くしてくださいます。

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第39話 コロナ、ロックダウン、妻の事故 ⑫「 アリッシャ 」  

   憐れみ深い神は力強い御手で妻を守って下さり、脳などに異常はなく、CTスキャンやレントゲンの結果は全て「グッド」で、障害も残らず順調に回復した。それどころか、全身打撲にも関わらず彼女はヒョコヒョコ歩けた。まさに奇蹟である。この“歩けた“ことが後々多くの恵みをもたらした。しかし、退院当時の上半身は最悪で、腰も首も全く動かせない上に、頭頂部の出血を止めるために麻酔なしで”ホッチキス型“の芯で6針縫ったため、言うなれば打撲と切り傷に加えて、”金属片“が埋め込まれたせいで頭痛がひどく全く動かせない。背中も激痛が走り、これら全ての痛みが常に連動して意識がもうろうとなり何かを考えることもままならない。これが日本だと1カ月は入院していただろう。そしてとんでもないことが判明した。彼女は全く眠ることが出来なくなったのだ。

痛み止めが効かないために頭頂部の痛みのせいで枕を当てることが出来ず、背中の痛みのせいで仰向けに眠れず、首や腰の痛みでうつ伏せも出来ず横たわることも出来ない。何よりも上半身自体が動かせないので寝返りも打てない。ようやく考え付いたのが”座り寝“だった。ややリクライニング状のリビングのカウチに座り、時々 姿勢を変えながら朝までウツラウツラするだけ。殆ど眠ることが出来ない状態が丸2カ月も続いた。そんなことだから、事故の日の深夜に退院した彼女は、午前2時頃に帰宅した後、少しだけ ご飯を食べてから”座り寝”に入り、どうにかこうにか夜を明かしたのだった。殆ど眠れず疲れと痛みが限界に達する中、妻は朝から神の言葉に飢え渇き、それを求め続けていた。しかし頭痛がひどく聖書は読めず目まいで良く見えない。激痛に耐えながら妻は聖書の言葉

「主は、ご自分の羽で、あなたをおおわれる。
 あなたは、その翼の下に身を避ける。
主の真実は、大盾であり、砦である。」 詩篇91篇4節

が記された箇所を必死で思い出そうとしていた。実は彼女は本篇が大好きで丸暗記してたのだが、事故で記憶が飛んでしまい どうしても思い出せない。妻が悶々と焦りを募らせていることも知らず、私は保険屋への報告など事故処理に追われていたが、ふとそこへFBのメッセンジャーで私に激励メールがパキスタンから届いた。私どもの教会がサポートしているパキスタンの孤児院「キッズホーム」の代表者ニダ姉からだ。見ると施設で最年長の11歳の女の子、アリッシャが、詩篇91篇が書かれた絵を持って立っている。

妻にそのことを告げると、「詩篇91篇!これ探してたの!」と叫んだ。ニダ姉によれば、妻の事故を知った子供たちは一斉に妻の癒しのために祈祷に入り、同時にアリッシャは聖霊に示されウルドゥー語で一気に詩篇91篇を書き上げたのだと言う。ああ、何と言う神のご配慮だろうか! まさにこの御言葉の通りでないか! 妻の目は涙で溢れた。苦痛ではなく喜びの涙で。主は、彼を信じる全ての者を、ご自分の羽で覆ってくださる。
            10-13-2020

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第38話 コロナ、ロックダウン、妻の事故 ⑪「 奇蹟 」  

   午前0時。妻がER(エマージェンシー・ルーム)に運ばれてから僅か4時間のスピード退院となり、朝の5時あたりを想定していた私は急に迎えの準備で忙しくなった。そこでふと気付いた。あれほどの事故で大怪我したにもかかわらず、とりあえず異常なしということだが、全身打撲で激痛を抱える彼女をどうやって運ぶのか?ロックダウン以来、病院周辺は厳重にバリケードで封鎖され、車をER付近に留めることは出来ない。100メートル以上離れた所で駐車し徒歩で迎えに行かねばならない。車椅子はないし、さてどうする? 教会で使う資材運搬用のカートがあるのでそれに“三角座り”でもさせて運ぶか? オンブでもするか?

などと考えてるうちに邪魔くさくなり、とりあえずグーグルマップで可能な限りERへ近づけるルートを探し出し、神に全てを委ね、教会車両のアストロワゴンに乗りこみ出発した。いざとなったらバリケードを突破してER近くまで行くつもりだった。しかし あろうことか、途中で一部Fwy(フリーウェー)のコネクターが閉鎖されており、大幅に遠回りを強いられることになった。真夜中にFwyを走ると こういうことがたまにあるが、何と今夜とは腹が立つ。 とにかくこの度は妙なことが続く。その時すでに妻は院外へと追い出され、ポツンと人気のない暗がりで待たされていたが、結局1時間もかかって病院に到着した。

いよいよグーグルマップで確認した“最短ルート”に進入し、徐行しながら祈りつつERを目指し ついにバリケードまで来た。さて無理矢理に押し入ろうかと思案し始めた瞬間、「なに!?。。。」 信じられない光景を目にした。何者かがこちらに向かって真っ暗闇の中、ERのドアを背にして歩いて来る。「カミさんや!!」 何と彼女は暗闇で遠方にもかかわらずアストロのヘッドライトを見つけ、自力で立ち上がり歩いて来た!4月の午前1時、カリフォルニアの強い冷え込みの中、痛みを我慢してるからか背中を丸めトボトボと。だが それは神々しい神の力であり、正に奇蹟だ。

「ありがとう。」彼女はそう言って自力で車に乗り込んだ。コロナのせいで治療が終わると外へ放り出され、お迎えは途中でFwyが通行禁止だったせいで遅い到着となり、寒い暗がりの中ひたすら待たされた1時間が最も長く感じたと言う。体は痛みと低体温で衰弱しきっていたが、命に別状がなく、全てのオペレーションがスムーズに進み、歩くことが出来、今、家に帰れることを2人で神に感謝した。「大丈夫」と神が妻のスマホを通して4時間前に伝えてくれた預言の通りであった。我々はコロナと事故に勝利した。それは神による奇蹟だった。

「ある者は いくさ車を誇り、ある者は馬を誇る。
 しかし、私たちは私たちの神、主の御名を誇ろう。
 私たちは、立ち上がり、まっすぐに立った。」
 詩篇20篇7-8節      つづく。。。  10-9-2020

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愛する皆さま、お祈りくださり感謝します!

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愛する皆さま、お祈りくださり感...
愛する皆さま、お祈りくださり感謝します!
オレンジ郡に神の祝福が、皆さまに神のご加護がありますように!

雨は降りませんが、奇蹟的に暴風が全く止み、消火活動が軌道に乗りつつあります。1/4ほど鎮火し、10万人の避難民の内、すでに7万人が帰宅出来ました。一部家屋が焼けましたが死者ゼロです!湿度も6割に上がり、今夜は夜露も期待できるので更に鎮火が見込まれます。神さまは守って下さってます! 感謝!
なお、消防隊員2人が火炎に巻き込まれ全身やけどの重体です。
彼らの健やかな癒しと、引き続き完全なる消火をお祈りください。God bless U all!

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クリスチャンの方々に緊急の祈祷リクエストです!

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クリスチャンの方々に緊急の祈祷...
クリスチャンの方々に緊急の祈祷リクエストです!
昨日の朝から地元オレンジ郡で大規模な山火事が火災が発生しました! 
10万人に避難勧告が出され、現在湿度が僅か10%で鎮火率ほぼ0%です!
鎮火出来るように、地元の方々と消防士のためにお祈りください!
雨期が近づいていますので、雨が降るようにもお祈りください!
手前の黒いのが山です。目の前の住宅街へ火が押し寄せています。

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第37話 コロナ、ロックダウン、妻の事故 ⑩「 大丈夫 」  

   しばらくしてアシュリー兄が迎えに来てくれた。「水を持ってきました。」と彼。実にありがたい。そう言えば昼食から全く水を飲んでいなかったが、喉の渇きを意識する間もなかった。妻がすでにER内へ入ったことを彼に告げると、「ここからが長いんですよ。」 彼はこれまで幾度もERへ来たので状況を熟知している。「場合によっては診てもらうのに5~10時間、朝まで待たされたりとか。。。」とポツリ。なるほど。改めて一筋縄でいかないことを悟り、彼の車に乗り込んで慣れない真っ暗闇の町をナビを見ながら家路についた。

「チン!」 しばらくすると携帯のテキストが鳴った。「ん?誰?」と見ると何とカミさんだ!「今、レントゲン撮った。これからCTスキャン」 え? もう診察して貰えてるの? つうか彼女はちゃんと目が見えるのか?ちゃんとスマホも打てる。。などと戸惑っていると今度は「もうCTスキャンも撮った」と打って来た。えー?!マジで?「かなり速い診察ですね。珍しいです。良かったじゃないですか」とアシュリー。驚いていると ついに彼女からダメ押しの一発、「大丈夫」 大丈夫!? これで妻の意識がはっきりしてることや診察がスムーズに進んでいることなどが確認出来た。「勝った!!」 すでにこの勝負はついたことを確信した。天を仰ぎ 主に感謝を捧げ、「どや サタン!見てみぃ!これが我が神の力や!!」と勝ちどきを上げた。

「世に勝つ者は誰ぞ、イエスを神の子と信ずる者にあらずや。」  
          第一ヨハネの手紙5章5節、文語訳

こうなるとボヤボヤしてられない。アメリカでは重症者でも即日退院は当たり前。増してやコロナ禍なので罹患者以外はすぐに追い出される。早く風呂と飯を済ませ妻の退院に備えねばならない。アシュリー兄はナビを使っても方向音痴でノロノロ運転なので1時間もかかり、帰宅したのは午後10時前。それにしても彼はよくここまで付き合ってくれた。主に在る友は最強の友だ。彼に神の祝福がいつまでもありますように。

さっと風呂を済ませた後、なぜか腹が減っていないのでPCに向かい祈りつつフェイスブックで祈祷要請をしたところ、アッという間に1000を越える“いいね”と祈りのメッセが殺到した。何をするにもまず祈ることと祈ってもらうこと。「よし!」これで後顧の憂いはない。夕食を午前12時に食べ終えた時、「チン!」と再び携帯テキストが鳴った。やはり即日退院だ。つまり異常がなかったということ。後で妻から聞いた話だが、彼女は頭から “出血していたおかげ” でトリアージの優先順位が上がり先に見てもらえたとのこと。出血がなければどうなっていたか分からない。どこまでもきめの細かい神さまの導きに脱帽した。            10-5-2020

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第36話 コロナ、ロックダウン、妻の事故 ⑨「 ERへ 」  

   我々を乗せた救急車はほどなく病院のER(エマージェンシー・ルーム)付近へ到着した。見るとERというより工場の裏口のような殺風景な所。混雑してるわけではないが、ERの入り口前では先に到着した他の患者がストレッチャーに乗せられたままで待たされている。その周りを救急隊員らが動き回り、入り口ではひっきりなしに病院関係者ら出入りする。そう簡単には中へ入れてもらえないことが想像できた。中へ入れた後も、ERで治療を受けるのに数時間待たされることもアメリカでは珍しくない。

病院は殺気立っていた。救急隊員は皆、目がつり上がり荒々しい。ロックダウンから僅か1カ月、LAでは連日コロナで大勢の人々が命を落とし、病院は崩壊の瀬戸際にあった。そう。ここは“コロナ戦争“の最前線なのだ。固唾を飲んで見ていると、「あなた、もう一度祈って。ここで手を握って。。。」と妻。そうだ。今こそもう一度 祈られねばならない。両手を胸の上で合わせてストレッチャーに横たわる彼女は、どうやら目があまり見えない様子。彼女の手の上に両手をかぶせ声を出して祈った。しばらくして入り口のドアが開き、彼女を乗せたストレッチャーはERの中へと吸い込まれて行った。「意外に早いな」と思いつつ見送る。

「おい、アンタ!」 その時、横で大きな声がした。私に向かって「アンタはここにいてはいけない。もう行け!」と救急隊員の一人がわめいてる。「行けって、どこへ?」と聞き返すと「どこでもだ。そこに道があるだろ!行け!」。頭に来て「何じゃそれ?! 俺は今ここに来たばかりで、妻はERに入ったばかりだ!それに道ってどの道だ?!俺はここに詳しくない!」と返すと「関係ない! 今はコロナなんだ!とにかくあっちへ行け!そこにある道をドンドン歩いて行け!」と彼。ヤレヤレまたコロナだ。何もかもがこのせいだ。

仕方なく前を横切る道の向こう側まで取りあえず歩き歩道に座った。そこへCHP(カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール)の警官がバインダーを持ってやって来た。先ほどフリーウェーの事故現場でいた人だ。小柄だが がっしりした白人中年の彼の名はラインハート。彼の質問に色々と答えた後、「ここにあなたの車を預けています」と 廃車置き場が記されたカードを私に差し出し、丁寧に挨拶をして立ち去った。とっぷりと日が暮れ、ふとER入り口付近を見るといつの間にか誰もいなくなっていた。歩道に座ってるのもシンドイのでもう一度その場所へ戻って置いてある椅子に腰かけた。しばらくボーっとしていたが、突然

「ダビデは彼の神、主によって奮い立った。」   第一サムエル記30章6節

と記された、その日の朝 与えられた聖書の一節を思い出した。ダビデ軍が得るものなく戦場から自分たちのテリトリーに戻ると、何と敵に全てが焼き払われ、妻子を含む全員が連れ去られ、大の男どもが泣き明かした一件である。あまりのショックに部下たちはダビデを殺そうとした。しかし不屈の信仰者ダビデにとって”イモ引く“などあり得ない。かえって神の力で立ち上がるのである。ふと気が付くと、私はすっくと立ちあがっていた。そして見る見る怒りがこみあげて来た。「こらあ!!ワレ誰に向かってケンカ売っとんじゃい!ボケッ!!」とサタンに向かって叫んでいた。この時完全にモードが切り替わった。防戦から攻勢に転じた瞬間だった。万軍の主に在る反撃が始まる。。。 10-5-2020

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